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本章
15.5話:イケメン冒険者さんの事情〜バルドSide〜①
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~バルドside~
ソロでの依頼を受けてから3日目。
ようやく目当ての薬草も手に入り俺は一安心する。
普段はパーティーを組んで獣や魔獣の討伐を主に行なっているのだが今回は獣が多い森での採取依頼だったので俺が引き受ける羽目になった…。
だが、どうにも薬草採取など細々した作業は苦手なので思った以上に苦戦してしまった。
予定よりも遅くなってしまい日も落ちきたので道沿いのスペースで今日の寝床を準備していく。
食事を済ませて寝る前に剣の手入れをしている時だった。
「あの…すみません。一緒に火に当たってもいいですか?」
1人の少年から声をかけられる。
まだ幼さの残る可愛らしい少年がなんで夜道を1人で歩いているんだ?
そう思いながら大丈夫だと返事をする。
話を聞くと少年は村へ行く途中だったが道を間違えてしまったようだ。
しかし、こんな獣が多い道を1人で歩かせるなんて…親はどこにいると聞けば言葉を濁し親はいないと言う。
話をしていてもこの土地の事や町や村についても知らない様子だった。
そして何より俺の顔を恐れもせず普通に話す少年に違和感を感じる。
何か隠しているな…
少年はこの辺りにある村や町について聞いてくるので、この道の先にある大きな町『スリラン』の話をすると目を輝かせて食いついてくる。
「坊主1人で町までいくのか?」
「あ…はい。そのつもりです」
「ふーん…何か訳ありって感じだな」
俺の言葉に少年は動揺し首元へと手を伸ばす…。
その動作は奴隷にされ首輪を付けられていた者達が動揺したり不安になった時に無意識にとる行動と似ていた。
「お前……奴隷か?」
「ち、違いますよ!奴隷なんかじゃないです…」
下を向き俯く少年を見て確信する。
奴隷制度はまだ残っているが、それは罪人や借金を返せなかった者に限定されており未成年の子供を奴隷にする事は禁止されている。
こんな少年を奴隷にする理由なんて…考えただけで反吐が出る。
「まぁ深くは聞かないでおくよ。それより…坊主名前は?」
「あ。名前言ってなかったですね。薫っていいます」
「カオルねぇ…俺の名前はバルドだ」
『カオル』って名前はよく黒髪の娼夫が名乗る源氏名だ。
昔いた伝説の黒髪の娼夫をあやかって皆その名を付けるらしいが…
こんな少年にそんな名前をつけて性奴隷にしてたのか?
…胸糞悪いな。
それにしても本当に俺の事を怖がる様子もなく隣に座り呑気にお茶を飲むカオルが不思議で何気なく聞いてしまう。
「カオルは…俺を見て怖がらないんだな」
幼い頃から父と母に似ていない容姿の俺を家族は気持ち悪がり、時には恐ろしいモノを見るような目で見られた。
元々目つきが悪い事もあり周りからも距離を置かれた。
成長するにつれて俺の体格もデカくなり周りからの目はさらに厳しいものになる。
まともな仕事にもつけず、仕事を与えられても見た目のいい奴にいいように使われるだけ…
そんな時にギルド長をしている今のボスに拾われ冒険者として働くようになった。
カオルは俺の質問を以前にもされたようで首を傾げていた。
「えーっと…俺はバルドさんの見た目はカッコいいと思いますよ」
「はぁ?」
思わぬ答えに思わず驚いてしまう。
散々嫌われていたこの顔を見てカッコいいなどと言う奴には初めて出会う。
驚いた俺を見るカオルの顔は不思議そうな顔をしていて…思わず笑ってしまった。
多分カオルはお世辞で言っているんじゃなくて本心で言っているようだ。
俺はすぐにカオルの事を気にいった。
ソロでの依頼を受けてから3日目。
ようやく目当ての薬草も手に入り俺は一安心する。
普段はパーティーを組んで獣や魔獣の討伐を主に行なっているのだが今回は獣が多い森での採取依頼だったので俺が引き受ける羽目になった…。
だが、どうにも薬草採取など細々した作業は苦手なので思った以上に苦戦してしまった。
予定よりも遅くなってしまい日も落ちきたので道沿いのスペースで今日の寝床を準備していく。
食事を済ませて寝る前に剣の手入れをしている時だった。
「あの…すみません。一緒に火に当たってもいいですか?」
1人の少年から声をかけられる。
まだ幼さの残る可愛らしい少年がなんで夜道を1人で歩いているんだ?
そう思いながら大丈夫だと返事をする。
話を聞くと少年は村へ行く途中だったが道を間違えてしまったようだ。
しかし、こんな獣が多い道を1人で歩かせるなんて…親はどこにいると聞けば言葉を濁し親はいないと言う。
話をしていてもこの土地の事や町や村についても知らない様子だった。
そして何より俺の顔を恐れもせず普通に話す少年に違和感を感じる。
何か隠しているな…
少年はこの辺りにある村や町について聞いてくるので、この道の先にある大きな町『スリラン』の話をすると目を輝かせて食いついてくる。
「坊主1人で町までいくのか?」
「あ…はい。そのつもりです」
「ふーん…何か訳ありって感じだな」
俺の言葉に少年は動揺し首元へと手を伸ばす…。
その動作は奴隷にされ首輪を付けられていた者達が動揺したり不安になった時に無意識にとる行動と似ていた。
「お前……奴隷か?」
「ち、違いますよ!奴隷なんかじゃないです…」
下を向き俯く少年を見て確信する。
奴隷制度はまだ残っているが、それは罪人や借金を返せなかった者に限定されており未成年の子供を奴隷にする事は禁止されている。
こんな少年を奴隷にする理由なんて…考えただけで反吐が出る。
「まぁ深くは聞かないでおくよ。それより…坊主名前は?」
「あ。名前言ってなかったですね。薫っていいます」
「カオルねぇ…俺の名前はバルドだ」
『カオル』って名前はよく黒髪の娼夫が名乗る源氏名だ。
昔いた伝説の黒髪の娼夫をあやかって皆その名を付けるらしいが…
こんな少年にそんな名前をつけて性奴隷にしてたのか?
…胸糞悪いな。
それにしても本当に俺の事を怖がる様子もなく隣に座り呑気にお茶を飲むカオルが不思議で何気なく聞いてしまう。
「カオルは…俺を見て怖がらないんだな」
幼い頃から父と母に似ていない容姿の俺を家族は気持ち悪がり、時には恐ろしいモノを見るような目で見られた。
元々目つきが悪い事もあり周りからも距離を置かれた。
成長するにつれて俺の体格もデカくなり周りからの目はさらに厳しいものになる。
まともな仕事にもつけず、仕事を与えられても見た目のいい奴にいいように使われるだけ…
そんな時にギルド長をしている今のボスに拾われ冒険者として働くようになった。
カオルは俺の質問を以前にもされたようで首を傾げていた。
「えーっと…俺はバルドさんの見た目はカッコいいと思いますよ」
「はぁ?」
思わぬ答えに思わず驚いてしまう。
散々嫌われていたこの顔を見てカッコいいなどと言う奴には初めて出会う。
驚いた俺を見るカオルの顔は不思議そうな顔をしていて…思わず笑ってしまった。
多分カオルはお世辞で言っているんじゃなくて本心で言っているようだ。
俺はすぐにカオルの事を気にいった。
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