24 / 181
本章
16話:スタコラサッサーのサー⑤
しおりを挟む
「ほらカオル着いたぞ。ここがナスク村だ」
バルドさんに連れられてやっと目的地の村へと到着した。
ナスク村はとてものどかな雰囲気の村だ。
村に入ってすぐのところに馬車を止める停留所がありすでに一台の馬車が止まっていた。
「ちょっと待っていろ。あの馬車がスリランまで行くか聞いてくるから」
「はい!」
もう…何から何まですみませんバルドさん。
優しくて頼り甲斐のあるバルドさん。
出来ることならこのまま一緒に…
そんな甘ったれた事を考えているとバルドさんが戻ってきて、止まっている馬車はスリランに寄って王都へと向かう馬車だと教えてくれた。
「馬車に間に合ってよかったな」
「はい。あの…バルドさん。色々とありがとうございました」
「気にするな。父親…早く見つかるといいな」
バルドさんはそう言うとニカッと笑い、いつものように頭をポンポンと撫でてくれる。
うぅ…バルドさんと離れたくない…。
でも元の世界へ戻る為だ…頑張れ俺…。
俺がウジウジしているとバルドさんは心配そうな顔をして声をかけてくれる。
「もしスリランに着いて困った事があれば冒険者ギルド『アトラース』に来い。俺が世話になってるギルドだから俺の名前を出せば面倒見てくれる。俺も数日したらスリランに戻るから…遠慮せずに来いよ」
あぅあぅあぅ…。
もう最後の最後まで優しすぎるよバルドさん…惚れてしまいそうです。
「バルドさんありがとうございます。困った時は頼らせてもらいます」
なんならきっと早い段階で『アトラース』さんにはお世話になる予感がします…。
そう思いながら頭をペコっと下げ、このまま依頼人のもとへと向かうバルドさんと最後にお別れのキスをする。
いつもより長く互いの唇をついばみながら別れを惜しむキスになんだか胸がキュンとした…。
「じゃあな!」と、手を振り去っていくバルドさんを俺はぶんぶんと手を振りながら見送った。
バルドさんと別れた後、馬車の停留所へと向かうと仮面を付けた大きな男の人が荷物を乗せていたので声をかける。
「あのすみません。スリランまで行きたいんですが…」
「あぁ。さっきバルドが言ってた奴はお前だな。もうすぐ出発するから早く乗りな」
「はい。ありがとうございます!」
そう言われ俺は馬車に乗り込んでいった。
これからは一人旅…不安だけど頑張るぞ!
バルドさんに連れられてやっと目的地の村へと到着した。
ナスク村はとてものどかな雰囲気の村だ。
村に入ってすぐのところに馬車を止める停留所がありすでに一台の馬車が止まっていた。
「ちょっと待っていろ。あの馬車がスリランまで行くか聞いてくるから」
「はい!」
もう…何から何まですみませんバルドさん。
優しくて頼り甲斐のあるバルドさん。
出来ることならこのまま一緒に…
そんな甘ったれた事を考えているとバルドさんが戻ってきて、止まっている馬車はスリランに寄って王都へと向かう馬車だと教えてくれた。
「馬車に間に合ってよかったな」
「はい。あの…バルドさん。色々とありがとうございました」
「気にするな。父親…早く見つかるといいな」
バルドさんはそう言うとニカッと笑い、いつものように頭をポンポンと撫でてくれる。
うぅ…バルドさんと離れたくない…。
でも元の世界へ戻る為だ…頑張れ俺…。
俺がウジウジしているとバルドさんは心配そうな顔をして声をかけてくれる。
「もしスリランに着いて困った事があれば冒険者ギルド『アトラース』に来い。俺が世話になってるギルドだから俺の名前を出せば面倒見てくれる。俺も数日したらスリランに戻るから…遠慮せずに来いよ」
あぅあぅあぅ…。
もう最後の最後まで優しすぎるよバルドさん…惚れてしまいそうです。
「バルドさんありがとうございます。困った時は頼らせてもらいます」
なんならきっと早い段階で『アトラース』さんにはお世話になる予感がします…。
そう思いながら頭をペコっと下げ、このまま依頼人のもとへと向かうバルドさんと最後にお別れのキスをする。
いつもより長く互いの唇をついばみながら別れを惜しむキスになんだか胸がキュンとした…。
「じゃあな!」と、手を振り去っていくバルドさんを俺はぶんぶんと手を振りながら見送った。
バルドさんと別れた後、馬車の停留所へと向かうと仮面を付けた大きな男の人が荷物を乗せていたので声をかける。
「あのすみません。スリランまで行きたいんですが…」
「あぁ。さっきバルドが言ってた奴はお前だな。もうすぐ出発するから早く乗りな」
「はい。ありがとうございます!」
そう言われ俺は馬車に乗り込んでいった。
これからは一人旅…不安だけど頑張るぞ!
58
お気に入りに追加
3,454
あなたにおすすめの小説


怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。
とうふ
BL
題名そのままです。
クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる