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第四十五章
1415 復讐と断罪
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( ジャリー )
この頃には殆どの子供達が大体の道筋が決まっていて、自分の資質に相応しい才能を開花させていた。
後は鑑定の終了後、この教会を出ていくだけ。
しかし……私は一歩も先に進めていない。
きっとこんな役立たずは、一生ココから動けない。
足を動かそうとする気持ちは、深い絶望と自己否定感によって根こそぎ奪われていた私は、未来の事など何一つ考える事ができなかった。
そんなのは自分だけだと思っていたが、意外にも私と同じ匂いがする子ども達が何人かいて、その中でも一番強く匂ってきたのが、同時期に教会にやってきた< ルビー >であった。
色白でとても綺麗な顔をしている< ルビー >
時々目にするその姿はとても儚げに見えて、その綺麗さと相まって、相手に汚してはいけない神聖なイメージを抱かせる。
あんな綺麗な顔だったら、少なくとも母に捨てられる事はなかったのかな……。
そんなルビーの綺麗さに、嫉妬した時期は確かにあったが────……それは神官達の話を偶然聞いてしまった時までだった。
ルビーはあの見た目のせいで、私と同じ時期に母親に捨てられた子供だったらしい。
ルビーの母親は私の母同様、どうやら自分の容姿に対し酷いコンプレックスを持っていたらしいが……それを解消する方法を ” 自分 ” にではなく、” 他 ” に向けた女性だったそうだ。
裕福な商家の娘であったルビーの母。
有り余る様な富を持っていた彼女は金の力を使い、自分の周りに見た目の美しい男女を置くと、毎日酷い暴言と暴力で傷つけた。
そうして苦しむその人達を見て、彼女は幸せそうに微笑む。
” コイツらは、容姿に恵まれなかった私になすすべもなく傷つけられて、不幸せな人生を送っている。
それは自分の方が価値があるからだ。 ”
この歪んだ行為は自分を肯定してくれるものであり、自分にとっての正しい世界を守るものでもあった。
そして同時に、復讐でもあったのだ。
自分が欲しいモノを持っててずるい。
だから、そんなずるい人たちは苦しむべき。
それで人生って平等になるでしょう?
復讐と断罪。
美しさを持っている者を ” 悪 ” として断罪し、自分が世界を平等にして浄化してやっているという気持ちは、どんどん彼女の世界観を強固にしていった。
彼女は自分の世界の正しさに従って、美しい男達に強要した行為にて、誰の子か分からない子供を身ごもる。
そしてここから彼女の転落人生がスタートする事になったそうだ。
” お前なんてもう娘じゃない!!金だけやるから、さっさと出ていけ!! ”
とうとう世間体が何よりも大事な両親の逆鱗に触れ、その両親の正しい世界を守るために彼女は切り捨てられた。
でも彼女にはその理由が分からない。
だって私は、自分の正しい世界に沿って生きてきただけなのに……?
実家の権力をなくしてしまった彼女を、今まで酷い扱いをされてきた者たちは、ここぞとばかりに罵った。
” ブスのくせに散々調子に乗ってたから天罰だろう。 ”
” 転落したお前なんて誰が相手するかよ、ば~か。 ”
” いい気味~。
権力なしのブスが、これからどうやって生きていくの~? ”
アハハハハハ~!!!!
自分の世界を全否定する笑い声に背中を強く押されて……彼女は、その場を去るしかなかった。
しかし、彼女が両親から貰った手切れ金のようなお金はかなりの額だったらしく、それを狙うハゲタカの様な者たちは、優しい言葉を掛ける。
” あなたは間違ってないですよ。自分も同じ考えです。 ”
” 顔が綺麗なだけで調子に乗っていた愚か者共を裁いてくれた、あなたはヒーローだわ。 ”
” 正しさはあなたにある! ”
そう言われた彼女は、やはり自分は正しかったのだと確信する事ができた。
歪みきった価値観を持ったまま進み続ける彼女を、金が欲しい者たちはひたすらその背を押す。
そうしてもう引き返す事などできない中、彼女はやがてルビーを出産したが……それが進み続ける彼女の背を更に押してしまう事になった。
ルビーは自分のあんなにも望んでいた ” 美 ” を持って生まれてきた。
それが憎しみの心を刺激する。
欲しくて欲しくて手に入らなくて、だからお金の力を使って復讐し続けてきた ” 美 ” を、この子はなんの苦労もなく持っている。
それが悔しい!妬ましい!憎い!!
そんな彼女の正しさから選んだ答えは、今までと同じ。
” 復讐と断罪 ” だった。
ルビーはボロボロの汚い雑巾の様な格好をさせられ、その目の前で自分はお姫様の様に着飾る。
そしてゴミの様な食事を与えては、その目の前で最高級の食事を平然と平らげた。
あからさまな自分との差を見せびらかしては自分を罵ってくる母親……ルビーは毎日毎日それに耐え、黙って下を向くしかできない。
この頃には殆どの子供達が大体の道筋が決まっていて、自分の資質に相応しい才能を開花させていた。
後は鑑定の終了後、この教会を出ていくだけ。
しかし……私は一歩も先に進めていない。
きっとこんな役立たずは、一生ココから動けない。
足を動かそうとする気持ちは、深い絶望と自己否定感によって根こそぎ奪われていた私は、未来の事など何一つ考える事ができなかった。
そんなのは自分だけだと思っていたが、意外にも私と同じ匂いがする子ども達が何人かいて、その中でも一番強く匂ってきたのが、同時期に教会にやってきた< ルビー >であった。
色白でとても綺麗な顔をしている< ルビー >
時々目にするその姿はとても儚げに見えて、その綺麗さと相まって、相手に汚してはいけない神聖なイメージを抱かせる。
あんな綺麗な顔だったら、少なくとも母に捨てられる事はなかったのかな……。
そんなルビーの綺麗さに、嫉妬した時期は確かにあったが────……それは神官達の話を偶然聞いてしまった時までだった。
ルビーはあの見た目のせいで、私と同じ時期に母親に捨てられた子供だったらしい。
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裕福な商家の娘であったルビーの母。
有り余る様な富を持っていた彼女は金の力を使い、自分の周りに見た目の美しい男女を置くと、毎日酷い暴言と暴力で傷つけた。
そうして苦しむその人達を見て、彼女は幸せそうに微笑む。
” コイツらは、容姿に恵まれなかった私になすすべもなく傷つけられて、不幸せな人生を送っている。
それは自分の方が価値があるからだ。 ”
この歪んだ行為は自分を肯定してくれるものであり、自分にとっての正しい世界を守るものでもあった。
そして同時に、復讐でもあったのだ。
自分が欲しいモノを持っててずるい。
だから、そんなずるい人たちは苦しむべき。
それで人生って平等になるでしょう?
復讐と断罪。
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彼女は自分の世界の正しさに従って、美しい男達に強要した行為にて、誰の子か分からない子供を身ごもる。
そしてここから彼女の転落人生がスタートする事になったそうだ。
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でも彼女にはその理由が分からない。
だって私は、自分の正しい世界に沿って生きてきただけなのに……?
実家の権力をなくしてしまった彼女を、今まで酷い扱いをされてきた者たちは、ここぞとばかりに罵った。
” ブスのくせに散々調子に乗ってたから天罰だろう。 ”
” 転落したお前なんて誰が相手するかよ、ば~か。 ”
” いい気味~。
権力なしのブスが、これからどうやって生きていくの~? ”
アハハハハハ~!!!!
自分の世界を全否定する笑い声に背中を強く押されて……彼女は、その場を去るしかなかった。
しかし、彼女が両親から貰った手切れ金のようなお金はかなりの額だったらしく、それを狙うハゲタカの様な者たちは、優しい言葉を掛ける。
” あなたは間違ってないですよ。自分も同じ考えです。 ”
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” 正しさはあなたにある! ”
そう言われた彼女は、やはり自分は正しかったのだと確信する事ができた。
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