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第十三章
514 神書
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( リーフ )
” 子供が生まれたら名前入りの短剣を子供に授ける ”
この国にはそういった昔からある伝統があるのだが、その理由はイシュル教の神話の中にある。
” 銀白の髪をなびかせた神イシュルが蹂躙されていた人型種を憐れみ、戦うための力< 資質 >を与えた。 ”
有名なこの言い伝えが記されているのは【 神書 】と呼ばれている書物で、それに描かれている絵画の一枚が、それを表現しているとされる絵画であった。
簡素な白いドレスをきた美しい銀白の女神様が空から舞い降り、地で苦しみ藻掻く ” 人 ” に対し、短剣を授けようと手を差し出している絵画。
その絵画の題名は【 希望 】
その題名と絵の表現から、その短剣こそが人が戦うためにイシュル神より貰った力< 資質 >なのだろうと現代まで語り継がれている。
この【 神書 】と呼ばれる物も実は ” 過去人が残した遺産 ” の一つ。
これは ” イシュルの聖大樹 ” があるこの世界の中心地────。
【 始まりの大地 】
────という場所で見つかったものらしい。
これは他の有名な ” 幸福の白い木 ” などの絵画シリーズを書いたとされる作者とは絵のタッチからも、また別の作者が書いたものの様だ。
しかし、やはり ” ゼロの歴史 ” に存在していたものだと考えられている。
【 始まりの大地 】とは、 ” イシュルの聖大樹 ” を中心とした広い樹海の様な森一帯の事で、驚くことにそこは魔素が一切発生していない。
その場所を中心とし、まるで時計が回る様にここアルバード王国を含む全ての国は存在していているのだ。
いわゆる【 始まりの大地 】をド真ん中に、ドーナッツ的な感じでそれぞれの国は存在していると言う事。
ちなみにその位置関係を簡潔に説明すると────……。
北────< ドロティア帝国 >( 人族 )
北東────< ガリウス帝国 > ( 人族 )
南東────< ガンドレイド王国 > ( ドワーフ族 )
南────< アルバード王国 > ( 人族 )
南西────< レイティア王国 > ( エルフ族 )
北西────< ジェンス王国 > ( 獣人族 )
────といった感じ。
こういった位置関係から、1500年前より少し前。
世界を蹂躙しようと考えたドロティア帝国がまず目をつけたのは、この世界の中心部【 始まりの大地 】であった。
そこさえ占領すれば他の国へは進軍し放題だと考えたからだ。
しかし────ドロティア帝国はそこへは入れなかった。
正確には入った途端、そのまま出てきてしまったのだという。
どうやら空間が森へと繋がっていない……いや、存在すらしていなかった様で、森に一歩でも入ればそのまま元来た場所へと出てきてしまったのだそうだ。
ならば……!と、ドロティア帝国は、森を全て焼き払ってしまおうと最大火力魔法をぶっ放した。
しかし────その魔法はそのまま攻撃したドロティア軍へと全て跳ね返り、その当時の王と兵士達はその全員が焼け死んでしまったのだ。
そういった事実から、【 始まりの大地 】について現在分かっている事は、大まかに分けて3つ。
① そこには誰も入る事はできない。
② 魔素が一切存在していない。
③ 遠目でも分かるほどの神々しい光を発する大きな大樹( イシュルの聖大樹 )が、その中心にそびえ立っている事。
その3点を根拠として人々はこう考えた。
” 大きくそびえ立つイシュルの聖大樹こそが、神の住む場所であり、【 始まりの大地 】一帯が神域である。 ” ────と。
それからそこは、絶対不可侵領域として決められ、現在までこの話は語り告げられている。
そんな絶対不可侵領域である【 始まりの大地 】の存在のせいで、ドロティア帝国は隣国を経由しなければ最大の脅威であるアルバード王国に攻め入る事はできない。
そのため、まずは西側の隣国である獣人の国< ジェンス王国 >へ攻め入ったのだが、戦闘種族である獣人族はかなり手強く、中々簡単には占領することができなかった。
そうして長期化しそうな戦いの中、ドロティア帝国が次に目をつけたのは、反対側の西側隣国の< ガリウス帝国 >と、その隣に位置する────ドワーフの国< ガンドレイド王国 >であった。
隣国の人族が支配する商人の国と呼ばれていた< ガリウス帝国 >とは、以前より豊富な資源を援助してもらう代わりに軍事力を提供したり、お互いに利となる悪事に加担し合ったりと友好関係を築いていたため、まずは< ガリウス帝国 >へと友好的に進軍を開始。
そしてドロティア帝国軍は、そこを拠点とし< ガンドレイド王国 >に一気に攻め入る。
< ガンドレイド王国 >で暮らすドワーフ族は、武器や防具の扱いに長けても戦うことに関しては獣人に劣り、エルフ族の様に攻撃魔法も得意ではなかったため、成すすべもなく次々とドロティア帝国の兵士に殺されていった。
街々は跡形もなく焼かれ、その土地の全ての資源や技術は奪われ、それは酷い惨状であったという。
そして< ガンドレイド王国 >が完全に占拠されようとした、まさにその瞬間だった。
アルバート王国が大軍を率いて助けに入ったのは。
防御に優れた戦い方をする< アルバード王国 >の兵達は、攻撃特化の< ドロティア帝国 >にとっては非常に厄介な戦い方をする相手だ。
だからこそ、ドロティア帝国側としては最初に潰しておきたかった相手でもあった。
しかし国の配置的にそれは無理であったため、先に< ガンドレイド王国 >を占拠してから形勢を整え、ゆっくりと攻め入るつもりだったというのに、これは大誤算。
この事態はドロティア帝国にとって完全な予想外、かつ不味い状況であった。
< ガンドレイド王国 >は助けに入ってくれた< アルバード王国 >に、即座に武器や防具、そして様々な兵器を支給する。
そして、それを支給されたアルバード王国兵達は、戦いで消耗していたドロティア帝国兵を次々と倒し、とうとう国に攻め入っていたドロティア兵達を全滅させる事に成功した。
そうして追い詰められた< ドロティア帝国 >と< ガリウス帝国 >は、< ガンドレイド王国 >から奪った分の資源や兵器を使い、再度< ジェンス王国 >へ総攻撃を開始する。
獣人達は、初めて見る兵器の数々と魔法を使った攻撃の多彩な攻撃に苦戦を強いられる事になったが、それにも< アルバード王国 >は直ぐに援軍を送り、完全にドロティア帝国の脅威を退けたのだった。
当時アルバード王国の隣国であるエルフ族の住む< レイティア王国 >とは、既に貿易の関係上良好な関係が築かれいたため、その< レイティア王国 >の隣に位置する< ジェンス王国 >への移動や援助物資は、エルフ族の全面的な協力があったからこその勝利であった。
その事に非常に感謝をしたドワーフ族の王と獣人の王は、当時のアルバード王国の王に同盟を申し出て、その結果結ばれたのが、有名な【 4カ国同盟 】である。
” 子供が生まれたら名前入りの短剣を子供に授ける ”
この国にはそういった昔からある伝統があるのだが、その理由はイシュル教の神話の中にある。
” 銀白の髪をなびかせた神イシュルが蹂躙されていた人型種を憐れみ、戦うための力< 資質 >を与えた。 ”
有名なこの言い伝えが記されているのは【 神書 】と呼ばれている書物で、それに描かれている絵画の一枚が、それを表現しているとされる絵画であった。
簡素な白いドレスをきた美しい銀白の女神様が空から舞い降り、地で苦しみ藻掻く ” 人 ” に対し、短剣を授けようと手を差し出している絵画。
その絵画の題名は【 希望 】
その題名と絵の表現から、その短剣こそが人が戦うためにイシュル神より貰った力< 資質 >なのだろうと現代まで語り継がれている。
この【 神書 】と呼ばれる物も実は ” 過去人が残した遺産 ” の一つ。
これは ” イシュルの聖大樹 ” があるこの世界の中心地────。
【 始まりの大地 】
────という場所で見つかったものらしい。
これは他の有名な ” 幸福の白い木 ” などの絵画シリーズを書いたとされる作者とは絵のタッチからも、また別の作者が書いたものの様だ。
しかし、やはり ” ゼロの歴史 ” に存在していたものだと考えられている。
【 始まりの大地 】とは、 ” イシュルの聖大樹 ” を中心とした広い樹海の様な森一帯の事で、驚くことにそこは魔素が一切発生していない。
その場所を中心とし、まるで時計が回る様にここアルバード王国を含む全ての国は存在していているのだ。
いわゆる【 始まりの大地 】をド真ん中に、ドーナッツ的な感じでそれぞれの国は存在していると言う事。
ちなみにその位置関係を簡潔に説明すると────……。
北────< ドロティア帝国 >( 人族 )
北東────< ガリウス帝国 > ( 人族 )
南東────< ガンドレイド王国 > ( ドワーフ族 )
南────< アルバード王国 > ( 人族 )
南西────< レイティア王国 > ( エルフ族 )
北西────< ジェンス王国 > ( 獣人族 )
────といった感じ。
こういった位置関係から、1500年前より少し前。
世界を蹂躙しようと考えたドロティア帝国がまず目をつけたのは、この世界の中心部【 始まりの大地 】であった。
そこさえ占領すれば他の国へは進軍し放題だと考えたからだ。
しかし────ドロティア帝国はそこへは入れなかった。
正確には入った途端、そのまま出てきてしまったのだという。
どうやら空間が森へと繋がっていない……いや、存在すらしていなかった様で、森に一歩でも入ればそのまま元来た場所へと出てきてしまったのだそうだ。
ならば……!と、ドロティア帝国は、森を全て焼き払ってしまおうと最大火力魔法をぶっ放した。
しかし────その魔法はそのまま攻撃したドロティア軍へと全て跳ね返り、その当時の王と兵士達はその全員が焼け死んでしまったのだ。
そういった事実から、【 始まりの大地 】について現在分かっている事は、大まかに分けて3つ。
① そこには誰も入る事はできない。
② 魔素が一切存在していない。
③ 遠目でも分かるほどの神々しい光を発する大きな大樹( イシュルの聖大樹 )が、その中心にそびえ立っている事。
その3点を根拠として人々はこう考えた。
” 大きくそびえ立つイシュルの聖大樹こそが、神の住む場所であり、【 始まりの大地 】一帯が神域である。 ” ────と。
それからそこは、絶対不可侵領域として決められ、現在までこの話は語り告げられている。
そんな絶対不可侵領域である【 始まりの大地 】の存在のせいで、ドロティア帝国は隣国を経由しなければ最大の脅威であるアルバード王国に攻め入る事はできない。
そのため、まずは西側の隣国である獣人の国< ジェンス王国 >へ攻め入ったのだが、戦闘種族である獣人族はかなり手強く、中々簡単には占領することができなかった。
そうして長期化しそうな戦いの中、ドロティア帝国が次に目をつけたのは、反対側の西側隣国の< ガリウス帝国 >と、その隣に位置する────ドワーフの国< ガンドレイド王国 >であった。
隣国の人族が支配する商人の国と呼ばれていた< ガリウス帝国 >とは、以前より豊富な資源を援助してもらう代わりに軍事力を提供したり、お互いに利となる悪事に加担し合ったりと友好関係を築いていたため、まずは< ガリウス帝国 >へと友好的に進軍を開始。
そしてドロティア帝国軍は、そこを拠点とし< ガンドレイド王国 >に一気に攻め入る。
< ガンドレイド王国 >で暮らすドワーフ族は、武器や防具の扱いに長けても戦うことに関しては獣人に劣り、エルフ族の様に攻撃魔法も得意ではなかったため、成すすべもなく次々とドロティア帝国の兵士に殺されていった。
街々は跡形もなく焼かれ、その土地の全ての資源や技術は奪われ、それは酷い惨状であったという。
そして< ガンドレイド王国 >が完全に占拠されようとした、まさにその瞬間だった。
アルバート王国が大軍を率いて助けに入ったのは。
防御に優れた戦い方をする< アルバード王国 >の兵達は、攻撃特化の< ドロティア帝国 >にとっては非常に厄介な戦い方をする相手だ。
だからこそ、ドロティア帝国側としては最初に潰しておきたかった相手でもあった。
しかし国の配置的にそれは無理であったため、先に< ガンドレイド王国 >を占拠してから形勢を整え、ゆっくりと攻め入るつもりだったというのに、これは大誤算。
この事態はドロティア帝国にとって完全な予想外、かつ不味い状況であった。
< ガンドレイド王国 >は助けに入ってくれた< アルバード王国 >に、即座に武器や防具、そして様々な兵器を支給する。
そして、それを支給されたアルバード王国兵達は、戦いで消耗していたドロティア帝国兵を次々と倒し、とうとう国に攻め入っていたドロティア兵達を全滅させる事に成功した。
そうして追い詰められた< ドロティア帝国 >と< ガリウス帝国 >は、< ガンドレイド王国 >から奪った分の資源や兵器を使い、再度< ジェンス王国 >へ総攻撃を開始する。
獣人達は、初めて見る兵器の数々と魔法を使った攻撃の多彩な攻撃に苦戦を強いられる事になったが、それにも< アルバード王国 >は直ぐに援軍を送り、完全にドロティア帝国の脅威を退けたのだった。
当時アルバード王国の隣国であるエルフ族の住む< レイティア王国 >とは、既に貿易の関係上良好な関係が築かれいたため、その< レイティア王国 >の隣に位置する< ジェンス王国 >への移動や援助物資は、エルフ族の全面的な協力があったからこその勝利であった。
その事に非常に感謝をしたドワーフ族の王と獣人の王は、当時のアルバード王国の王に同盟を申し出て、その結果結ばれたのが、有名な【 4カ国同盟 】である。
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