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第十三章
513 あったかもしれないモノ
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( リーフ )
◇◇◇◇
「 ────と言うわけで、中々大変な初クラスの顔合わせだったんだよ~。 」
時間はちょうどランチ時。
レオンの上に座りながら先ほど起こった事を報告すると、前に並んで座っているモルト、ニールが ” あ~……。 ” と納得する様に頷いた。
ここは以前ライトノアの試験日にソフィアちゃんから教えて貰った場所で、人もまばらな広場の中にある4人掛けテーブル。
そこに俺、レオン、モルト、ニールが座り、更に横には2人掛けのテーブルを3つ持ってきて近づけ、ソフィアちゃん、アゼリアちゃん、レイド、メルちゃん、サイモン、リリアちゃんのペアで座っている。
午前中は各クラスで明日からの学院生活の説明と自己紹介だけだったので、貴族組と平民組は予定通り終了。
そうして朝にお別れした場所に戻ってきたが、特級組だけ予定をオーバーしての到着であったため、ここに到着して開口一番に ” どうしたのか? ” と質問されてしまい、現在正直に答えたところである。
「 まぁ、うまくまとまって良かったですね。
レオンはゴネ始めると長いですから……。 」
「 いつもはリーフ様の言う事にYESしか言わないくせに、たまにゴネゴネスイッチ入るんすよね~。 」
モルトとニールはそう言ってヤレヤレ~とため息をつくが、レオンは完璧に無視。
俺が差し出すマルクさんに貰ったパンをウマウマ~と堪能している。
「 フンッ!奴隷の分際で子供の様に駄々をこねおって! 」
先程、その場を目撃したアゼリアちゃんが、レオンのシレッとした姿を見てチィッ!!と大きな舌打ちをした。
それを隣に座るソフィアちゃんが、まぁまぁと諌めながらアゼリアちゃんの怒りを逸らすためか、全くそれと関係のない話題を出す。
「 そう言えば、この間レイドさんが仰っていた事とリリアさんの言っていた事をあれから直ぐに調べてみたんです。
するとそれに関する出来事がチラホラと出てきまして……。
行き詰まっていた研究が少し進みそうです。
ありがとうございました。 」
お姫様に御礼を言われたレイドは「 別にいいってことよ! 」と言いながらデレデレして────直ぐにアゼリアちゃんに睨まれ慌てて目を逸らす。
対してリリアちゃんはキラッと目を光らせ、食い気味にその話に乗ってきた。
「 いえ、少しでもお役に立てたのなら良かったです。
あれから何か分かったのですか? 」
「 大したことではないのですが……。
レイドさんの言っておられた短剣の話と、全く同じ話を聞いた事があるっていう聖兵士の方がいました。
聖兵士は他国の教会へ報告会などで行くことがありますので、その際に聞いたらしいのです。
ただ、本当にちょっとした話題として出されただけだったので、私に聞かれなければ忘れていたと……。
その時聞いた話でも同じ様に短剣だったそうです。
やはりこの謎を解明するには他国との協力が必要────ですが……。 」
途中までキラキラと目を輝かせていたソフィアちゃんだったが、最後は空気の抜けた風船の様に元気をなくしてしまった。
理由は簡単。
現在最もこの国に影響力を持っているソフィアちゃんの実の兄、エドワードのせいだろう。
彼の他種族に対する排他的な考えはとても有名で、最低限の関わりしかさせまいと、至る場面でチクチクと妨害行為をしようとしている様だ。
そのため中立派を掲げるソフィアちゃんとしては、個人的な欲求のために無駄な争いの種を作るわけにはいかず、どうしても積極的には動けない。
こんな小さな子供がやりたい事も満足にできないなんて、酷い話だ……。
悲しみに暮れながらレオンの口にパンを突っ込む。
そんなソフィアちゃんのご様子を敏感に察したのか、サイモンが突然「 はいは~い! 」と言いながら手を挙げ空気を変える。
「 それってぇ~また動物さんの国なのかなぁ~?
聖兵士さんは他に何か言ってなかったの? 」
「 いいえ、その時はドワーフの方だったと言っていました。
しかも少なくとも2000年以上は前の物に違いないと言ってたそうなので、やはり計算が合いませんね。
ドワーフ族の方々も名前はファーストネームだけですから。 」
「 ふ~ん……ドワーフ族が言うなら間違いないよねぇ~。
なんてったって武器の目利きなら種族間ダントツ一位だもんね。
ん~……でも何で短剣なのかな?
短剣を武器にする人って凄く少ないと思うんだけど? 」
サイモンの鋭い指摘に全員が更に考え込んでしまった。
確かに短剣を武器にする戦闘職は長剣に比べて圧倒的に少ない。
リーチは短いし威力も弱いし……。
自分が武器として試しに使ってみた時の事を思い出しながら考えると、確かにそれを主要武器にする人はそんなに多くないと思われる。
ただ機動性は高いので、ちょっとした場所で使うには便利だし、持っていておかしくはないのだが……見つかった場所を考えると、がっつりモンスターのいる領域みたいだし、あえてそれで戦いを挑むだろうか……?
「「 もしかして、戦うための物ではなかった……? 」」
リリアちゃんとソフィアちゃんが同時に呟いた。
それにレイドとメルちゃんは顔を見合わせ「「 アクセサリー? 」」と揃って首を傾けて言ったが、モルトとニールは、ポンッと手を叩いた後、納得した様に頷いた。
「 もしかして今と同様に、生まれた時に授けられる短剣の存在が……。 」
「 ” ゼロの歴史 ” の間にもあったかもって事っすね! 」
あ~!とやっと思いついたらしいレイドとメルちゃん。
そして俺も、なるほど!と同時に理解できたため、レオンにあげていたパンを引っ込め話に集中し始めた。
◇◇◇◇
「 ────と言うわけで、中々大変な初クラスの顔合わせだったんだよ~。 」
時間はちょうどランチ時。
レオンの上に座りながら先ほど起こった事を報告すると、前に並んで座っているモルト、ニールが ” あ~……。 ” と納得する様に頷いた。
ここは以前ライトノアの試験日にソフィアちゃんから教えて貰った場所で、人もまばらな広場の中にある4人掛けテーブル。
そこに俺、レオン、モルト、ニールが座り、更に横には2人掛けのテーブルを3つ持ってきて近づけ、ソフィアちゃん、アゼリアちゃん、レイド、メルちゃん、サイモン、リリアちゃんのペアで座っている。
午前中は各クラスで明日からの学院生活の説明と自己紹介だけだったので、貴族組と平民組は予定通り終了。
そうして朝にお別れした場所に戻ってきたが、特級組だけ予定をオーバーしての到着であったため、ここに到着して開口一番に ” どうしたのか? ” と質問されてしまい、現在正直に答えたところである。
「 まぁ、うまくまとまって良かったですね。
レオンはゴネ始めると長いですから……。 」
「 いつもはリーフ様の言う事にYESしか言わないくせに、たまにゴネゴネスイッチ入るんすよね~。 」
モルトとニールはそう言ってヤレヤレ~とため息をつくが、レオンは完璧に無視。
俺が差し出すマルクさんに貰ったパンをウマウマ~と堪能している。
「 フンッ!奴隷の分際で子供の様に駄々をこねおって! 」
先程、その場を目撃したアゼリアちゃんが、レオンのシレッとした姿を見てチィッ!!と大きな舌打ちをした。
それを隣に座るソフィアちゃんが、まぁまぁと諌めながらアゼリアちゃんの怒りを逸らすためか、全くそれと関係のない話題を出す。
「 そう言えば、この間レイドさんが仰っていた事とリリアさんの言っていた事をあれから直ぐに調べてみたんです。
するとそれに関する出来事がチラホラと出てきまして……。
行き詰まっていた研究が少し進みそうです。
ありがとうございました。 」
お姫様に御礼を言われたレイドは「 別にいいってことよ! 」と言いながらデレデレして────直ぐにアゼリアちゃんに睨まれ慌てて目を逸らす。
対してリリアちゃんはキラッと目を光らせ、食い気味にその話に乗ってきた。
「 いえ、少しでもお役に立てたのなら良かったです。
あれから何か分かったのですか? 」
「 大したことではないのですが……。
レイドさんの言っておられた短剣の話と、全く同じ話を聞いた事があるっていう聖兵士の方がいました。
聖兵士は他国の教会へ報告会などで行くことがありますので、その際に聞いたらしいのです。
ただ、本当にちょっとした話題として出されただけだったので、私に聞かれなければ忘れていたと……。
その時聞いた話でも同じ様に短剣だったそうです。
やはりこの謎を解明するには他国との協力が必要────ですが……。 」
途中までキラキラと目を輝かせていたソフィアちゃんだったが、最後は空気の抜けた風船の様に元気をなくしてしまった。
理由は簡単。
現在最もこの国に影響力を持っているソフィアちゃんの実の兄、エドワードのせいだろう。
彼の他種族に対する排他的な考えはとても有名で、最低限の関わりしかさせまいと、至る場面でチクチクと妨害行為をしようとしている様だ。
そのため中立派を掲げるソフィアちゃんとしては、個人的な欲求のために無駄な争いの種を作るわけにはいかず、どうしても積極的には動けない。
こんな小さな子供がやりたい事も満足にできないなんて、酷い話だ……。
悲しみに暮れながらレオンの口にパンを突っ込む。
そんなソフィアちゃんのご様子を敏感に察したのか、サイモンが突然「 はいは~い! 」と言いながら手を挙げ空気を変える。
「 それってぇ~また動物さんの国なのかなぁ~?
聖兵士さんは他に何か言ってなかったの? 」
「 いいえ、その時はドワーフの方だったと言っていました。
しかも少なくとも2000年以上は前の物に違いないと言ってたそうなので、やはり計算が合いませんね。
ドワーフ族の方々も名前はファーストネームだけですから。 」
「 ふ~ん……ドワーフ族が言うなら間違いないよねぇ~。
なんてったって武器の目利きなら種族間ダントツ一位だもんね。
ん~……でも何で短剣なのかな?
短剣を武器にする人って凄く少ないと思うんだけど? 」
サイモンの鋭い指摘に全員が更に考え込んでしまった。
確かに短剣を武器にする戦闘職は長剣に比べて圧倒的に少ない。
リーチは短いし威力も弱いし……。
自分が武器として試しに使ってみた時の事を思い出しながら考えると、確かにそれを主要武器にする人はそんなに多くないと思われる。
ただ機動性は高いので、ちょっとした場所で使うには便利だし、持っていておかしくはないのだが……見つかった場所を考えると、がっつりモンスターのいる領域みたいだし、あえてそれで戦いを挑むだろうか……?
「「 もしかして、戦うための物ではなかった……? 」」
リリアちゃんとソフィアちゃんが同時に呟いた。
それにレイドとメルちゃんは顔を見合わせ「「 アクセサリー? 」」と揃って首を傾けて言ったが、モルトとニールは、ポンッと手を叩いた後、納得した様に頷いた。
「 もしかして今と同様に、生まれた時に授けられる短剣の存在が……。 」
「 ” ゼロの歴史 ” の間にもあったかもって事っすね! 」
あ~!とやっと思いついたらしいレイドとメルちゃん。
そして俺も、なるほど!と同時に理解できたため、レオンにあげていたパンを引っ込め話に集中し始めた。
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