知性を与えられた猫たちは何を見る?

ChamalSei

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序章 知性を与えられた日

知性を与えられた猫たちは何を見る? 第11話

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少し曇ってはいるが時折日差しが見える。日曜の午後のゆっくりした時間。人々の歩調ものんびり感じられる。コタローはさっき2匹と遊んでいたおかげで4足歩行もなかなか様になっていた。

が、そんな中で


「不満です。」


コタローがボソリと言った。


「何よ、不満って」


「何って・・・・どうして私だけリードで繋がれているんですか!!?」


と訴えてきた。


「どうしてって・・・、犬はつながないといけないのよ。猫はまあ、好きにさせている人もいるから・・・」


茶丸とセイくんは先に行ったり後にきたり、塀の上を歩いてみたり、自由にしながらも私たちに付いてくる。


一方、コタローはリードに繋がれ、ぬいぐるみを被せられており、その耳は変な方向に向いている。

まあ、ちょっと可哀そうな気もするが。

私たちは公園にやってきた。この公園はドッグランが併設してあり、犬を連れているのだから自然に見えるだろうし、ここならコタローのリードも外してやれると思ったのだ。

「ほら、ドッグランがあるから、ここならリード外してもいいから。」

私はコタローのリードを外して、ベンチに座った。茶丸とセイくんは隣の公園でこちらをチラチラ見ている。いったい、何を見せてくれるのかといった様子だ。

5月、そろそろ暑く、日差しも眩しい。

その時、傍を通った女性がギョッとした表情をした。ドキッとして隣を見ると、コタローがベンチに座っている。それも私と同じ姿勢で。ぬいぐるみの裂け目こそ見えていないものの、この座り方はどう見てもおかしい。

私は慌てて、コタローをはたき落とすようにしてベンチから降ろした。
女性は幽霊を見たかのような顔で首を振りながら去っていった。

「何ですか?」

いきなりはたき落とされたコタローはわけがわからず私に言った。

「シッ!静かに!コタロー、今、あなたは犬なの。犬のふりをしてちょうだい」

周りの人に聞かれないよう、こっそりとコタローに耳打ちする。

「あと、喋るのも他の人に聞こえないようにね!」

コタローは頷きながらキューンと鳴いて見せた。



ウーーーッ!ワン!!

突然犬に吠えられ驚いて見ると、あ、あ、・・・・レトリバーらしい犬がコタローに近づいてくる。

「だめよ、ジョリー!止めなさい」

飼い主らしい女性が止めようとするが、もう遅かった。

ジョリーと言われたその犬はコタローに飛び掛かり、飛び掛かったはずみでコタローのぬいぐるみは脱げて遠くに投げ出された!

キャーッ!女性が悲鳴を上げる。

女性の視線はぬいぐるみの方を向いていた。おそらく女性には自分の犬がコタローを咥えて投げ飛ばしたように見えたであろう。

「コタロー!隠れて!!」

私は本物のコタローに囁き、走ってぬいぐるみを回収しに行った。動かないぬいぐるみはまるでコタローが重傷を負ったか、死んだかのように見えたのか、女性は半泣きである。

「だ、大丈夫です、大丈夫・・・」

私は慌てて女性に弁解するように言った。

「すみません!ごめんなさい!本当にごめんなさい!!」

女性はひたすら謝る。

「大丈夫なんです、ホント。気にしないで・・・」

「早く、獣医さんに・・」

「あ、そうですね、行きます、行きます!サヨナラー!!!」

私はそう言ってぬいぐるみを抱いて慌てて走った。

何事かと茶丸とセイくんが近寄ってきた。

「ちょっとセイくん!コタローを連れてきて!私、ここにいるわけにいかなくなっちゃったから!」

セイくんは頷くとドッグランのベンチに掛けていった。

公園を出て女性の姿が見えないところまできて足を止めた。ハーッ、ハーッと息を整えながら、セイくんとコタローを待つ。

手にしたぬいぐるみを見て茶丸は
「脱げないように改良しないとね」
と言った。

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