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1章 どん底にいた俺が獣人の世界であいつと恋をする話

9話 やっと...

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 むっとする裕貴に、続けて俺は聞く。
「なんで嫉妬すんの?」


 裕貴はびっくりした顔で俺の顔を見る。
「好きだからだけど?」

「え。」
「まじ...で?」

「嘘だと思ってんの?」とにらんでくる。

「てか、気づいてんだと思ったけど」


「い、いや。確かに距離近いし、甘えてくるし...」

「そうかもって思ったけど自信なかった」


 裕貴が大きな声で言った。

「はあ?お前と他のやつであんだけ態度違ったら、普通気づくだろ?!」

「お前だけが特別だって」


 う、嬉しくて顔がにやけそうだった。
「え...あ」
「お、俺だってお前のこと...」


 裕貴はかぶせて言った。
「知ってるけど?」


「へ?」
 驚いた口がしまらない。


「お前が俺のこと好きなことは知ってる」
 と嬉しそうに裕貴が言った。


 よく見ると裕貴の尻尾が少し揺れていた。裕貴の耳や尻尾が動いたところを見たことがない俺はとても嬉しくなった。

「あ、だけどやっぱ言葉で言ってほしいわ」と言って近づいてくる。


「はあっ?!」
 俺は後にあとずさる。
 逃場がなくなる。

 裕貴は静かに俺を待つ。


 裕貴がさえぎっといて、告れって何だよ?!と少し怒りがわいてきた。


 さっきの流れで言いたかった。
 こんな待たれてる状況で伝えるとか...

 俺はむっとして言う。
「好き...だけど...」

 急に顔を掴まれ、無理やり目を合わせられる。

「目を見て言うまで、聞こえない。」

「な、な、なんでだよ!」
「はなせっ」

「嫌だ。」と言ってじっと見てくる。

「んんん。好きだ、よ...」
 こんな恥ずかしい事があってたまるか...

 だけど、
「ははっ」って笑顔で笑う裕貴をみて伝えてよかったと思った。

「俺のこと特別...か?」コテンと首をかしげて聞いてくる。



「特別...」


 そして、俺と裕貴は付き合うことになった。
 それが嬉しくて嬉しくて、ぼーっとしてたら口にちょんっとキスをされた。

 ああ、これからは自分からキスしてもいいんだって考えてた。

 だけど...

「舌入れたいから、口あけて舌出して」

「へっ」

「はやく。」

 ...先にこんな恥ずかしいキスするなんて思わないだろっ?!

「い、いやいやっ。」
「ま、まだ普通のキスがいい!」

「普通のって何だよ。」


「え、えと。ちょんって合わせるだけ...の」

「やだ。」
 と裕貴は不機嫌そうに言った。

「えぇ。」

「い や だ 。」


「うんんん... 今日はキ、キスだけで終わるなら...」

と俺は渋々言った。

「あーまあ。今日はな。」

「う、うん」



「じゃあ、口開けろ」

「うう。わかった...」

 俺は後から後悔することになる。
 口を開けてしまったことに...


「いぎゃっ?!」
裕貴は舌に噛みつく。

噛みついた場所を優しく優しく舐めてくる。

すぐに終わるとか思ってたのに...

「う...んぁっ...       んんぅぅ...」

イクまでキスするなんて...


気づいたら朝になってて、身体とか服とか綺麗になってて...まじで...恥ずかしかった。


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