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1章 どん底にいた俺が獣人の世界であいつと恋をする話

第6話 俺は甘えたいんだ!

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 あまちゃんやゆづくんが言っていたみたいに、俺は裕貴に少なからず好かれてはいるみたいだ...


 最近は学校で、用がなくてもくっついてくるし、話しているときの笑顔が増えた!

 しかも、時々俺の顔を無言で見ては微笑んでいるんだが?

 う、嬉しい...


 相手から距離を詰めてきたら、俺も距離をつめても大丈夫だよな?

 裕貴に甘えてもいいんかな...
 なんて、最近ずーと悩んでる。




 ある日、あまちゃん、ゆづくん、裕貴と俺の4人で昼飯を食べている時だった。

 俺は大好物の唐揚げ定食を食べていた。
 すると、裕貴が「あ。」と口を開けて待っている。

「えっ。」と俺は固まってしまった。
 すると「はやく。」と言って唐揚げを指してくる。

 俺は急いで唐揚げを裕貴の口へもっていく。

 すると、とても嬉しそうに「あいがとっ」と言って、変わりに俺の口へハンバーグを押し込んできた。

 え。なになに。
 これは甘えられてる?


 最近の裕貴の変化に追いつけないんだが?


 でも決めた。
 あいつが俺に甘えてくるなら、俺だって甘えてやる!とベッドの上で1人作戦会議を開始した。


 甘えようって思ったけど、何すればいいんだ?と裕貴をじっと見た。

「なに。」と言って裕貴が近づいてきた。

 とっさに「あ、ああまえたい...んだが?」と言ってしまった。


 な、なにか言い訳を...

 言い訳って何を言えばいいんだ。と後悔


    ...


 沈黙が続く。

 すると、「甘えれば?」とじっと俺を見ながら手をひろげる。

 これは、甘えること成功か?!
 と考えながらおそるおそる抱きつく。

 すると、裕貴が強く抱きしめてくる。

「アホ...」


 なにか聞こえた気がした。
「な、なんか言った?」と裕貴の顔を見ようとした。

 その時、目の前に裕貴の顔が近づいてくる。


「えっ...」


 気づいた時には、裕貴の顔が離れていく。

 そして、裕貴が無言で立ちさる後ろ姿を俺はただただ見ていた。

 ...


 いやいや。いやいや。
 そんな事があって眠れるわけないよな?

 俺が甘えるはずだったのに、あいつとキスして終わったが?!

 何だそれ!あいつも俺のこと好きってことでいいんかな...


 なんて考えたらあっという間に朝になってしまった。


 裕貴と会うの気まずい...
 と思ってたら目の前に裕貴が立っていた。


「何してんの。遅刻するよ?」


 言われて時計を見たら、もう寮を出る時間だった。考え事のせいで、まだ何も準備できていない。


「あ、ありがとうっ」と裕貴に言って急いで準備をし始めようとした。


 その時...


 後ろから抱きしめられる。


「なにすんのっ?!」

 う、嬉しいけど時間やばいんだって。


 離れようとしたその特、首筋に違和感を感じた。

 直後、「はむっ」と甘がみをされてしまった。

 固まった俺を笑いながら、
「遅刻すんなよ」と自分だけ先に行ってしまった。



 意味わからんんんって思いながら、俺は急いで学校に向かった。

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