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第三章 ウェルカムキャンプ編
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「いいね」1万超え!
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします😊
————————
そして、俺とローウェルは料理を開始した。
料理といっても、肉を塩焼きにしたり、果物の皮をむいたりするだけだ。ローウェルの方は、何やらスープをつくるようだ。初めて作るので、ワクワクしますと言っている。
「そういえば、ローウェル。キースとのあれは、まだ続けるのか?」
俺は果物の皮をむきながら、先程のというか、日常でよくみられるローウェルとキースのいさかいについて尋ねることにした。
実はこのいさかいには、理由があるのだ。
このいさかいは、ローウェルの気遣いの表れ(本人曰く)らしい。普段、あまり口数の多くないキースを気遣って、無理やり話しに引き込むようにしているらしい。
まあ、仲がいいということに変わりはない。見てる分には面白いしな。
「うーん、そうですね……。主がご不快なら、やめますよ。」
「不快じゃないさ。キースのためにやっているんだろ?」
「まあ、そうですね。素直に認めるのは若干癪に障りますけどね。……むしろ、これからの方が必要かなと考えているんですよ。大人になるにつれて、色々考えることが多くなりますからね。そういう中で、キースは余計に口数が少なくなると思うんですよ。……ほら、うちの騎士たちって基本的に不器用ですから。」
うちの騎士たち?
俺は妙に強調されたローウェルの言葉につられるように、作業を止めてローウェルの方を向いた。
そして、現在果物の皮むきを行っている自身の手元へと視線を落とした。
「………それほど俺は、不器用だろうか? 割と、うまく剥けていると思っていたんだけどな。」
「手先は器用ですよ。殿下は、剣筋もとてもきれいですしね。……ただ、それ以外で不器用な部分があるかなと。」
「どこだよ。」
「うーん、そうですね。例えば、大切なものへの接し方、とかですかね?」
思ったよりも声が低くなってしまった俺に対して、ローウェルは「ご自身が一番わかっているでしょ?」とでも言いたげなおどけた表情で、肩をすくめた。
……俺の大切なもの。大切な者……。
「アース」
っ!
俺はすぐに、不意に口から出てしまった言葉を抑え込むように、手の甲で自身の口元をおさえた。
待て、俺は一体何を口に出してしまったんだ。ローウェルに聞かれたか? ど、どう弁解すれば……。
「アースですか……。まあ、殿下にとってアースは特別な人ですからね。」
「と、特別って……。ち、違うんだローウェル! たまたまアースの名前が出てしまっただけで、俺は」
「焦らなくても、とっくに知ってますよ。なんといっても、アースは殿下を救ってくれた人ですからね。殿下にとって、欲しい言葉を欲しい時にかけたくれた人ですから。
特別な人だとしても、何ら不思議ではないですよ。」
そ、そういう特別か……。確かに、俺にとってアースはそういう意味でも特別な存在だ。
だけど、よかった。俺がアースのことを、違う意味で特別に思っていることがバレていなくて……。
「あ、ああ。俺にとってアースは、そういう意味で特別な存在だ。」
「ええ、そうですね。……ですから、殿下にはアースを選び続けて欲しいのです。例えば今回、アースと行動を共にすることができませんでしたね。」
「また、そのことか……。その件については、俺自身もお前たちも納得していただろう? 理由があってのことだ。」
「ええ、そうですね。だけど、もしアースが筆頭護衛士だった場合はどうですか? 筆頭護衛士の場合は、いかなる時も主に同行しなければなりません。裏を返せば、
どのような時でも同行させることができるのです。アースが戻ってきてから約1か月が経っていますが、まだ、殿下の筆頭護衛士を任命していないのはなぜですか?
2年前、あの任務の時の筆頭護衛士はアースでしたが、あれはあの場限りの役職です。殿下は、もう貴族院に入学しておられます。一般的には、貴族院に在学している王族の方々は筆頭護衛士を任命しているものです。貴族院に入学される前に俺たちの中から筆頭護衛士を任命しなかったのは、アースを筆頭護衛士に任命するつもりだったからではないですか? アースを筆頭護衛士に任命していれば、アースは今、この場にいたのですよ。」
「それはそのとおりだが……。なぜ今、こういう話になっているんだ? 最初は、キースについての話だっただろ。」
「殿下には、アースを選び続けて欲しいという話です。……アースは、すべてにおいて優れた人材です。それに、輝かしい成果を残していますし、これからも残していくこと
でしょう。そんなアースが、他の人たちから選ばれないと思いますか? 殿下がうだうだとあれこれ考えている間に、アースは様々な人たちから選ばれてしまいますよ。それでも
いいんですか? 近場で言いますと、アースは第一王子の側近に引き抜かれてもおかしくはない人材です。アルベルト殿下が、兄弟のことなどかえりみないかたでしたら、アースをとられていても不思議ではないです。そしてこれから、魔闘演舞があります。アースは自重などせずに勝利を取りに行くでしょう。そうなったときに、アースに注目が集まるのは、もはや国内だけでは済まないのですよ。例えば、帝国の第一皇子殿下などの目に留まって引き抜きをかけられたら……。今のようにぼやぼやしていれば、特別な存在のアースは班が違うくらいでは済まないような遠いところに行ってしまうかもしれませんよ。……長くなりましたが、殿下には大切な者を失ってほしくないのです。だから、アースを選び続けてあげてください。きっと、アースもそれを望んでますから。」
ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします😊
————————
そして、俺とローウェルは料理を開始した。
料理といっても、肉を塩焼きにしたり、果物の皮をむいたりするだけだ。ローウェルの方は、何やらスープをつくるようだ。初めて作るので、ワクワクしますと言っている。
「そういえば、ローウェル。キースとのあれは、まだ続けるのか?」
俺は果物の皮をむきながら、先程のというか、日常でよくみられるローウェルとキースのいさかいについて尋ねることにした。
実はこのいさかいには、理由があるのだ。
このいさかいは、ローウェルの気遣いの表れ(本人曰く)らしい。普段、あまり口数の多くないキースを気遣って、無理やり話しに引き込むようにしているらしい。
まあ、仲がいいということに変わりはない。見てる分には面白いしな。
「うーん、そうですね……。主がご不快なら、やめますよ。」
「不快じゃないさ。キースのためにやっているんだろ?」
「まあ、そうですね。素直に認めるのは若干癪に障りますけどね。……むしろ、これからの方が必要かなと考えているんですよ。大人になるにつれて、色々考えることが多くなりますからね。そういう中で、キースは余計に口数が少なくなると思うんですよ。……ほら、うちの騎士たちって基本的に不器用ですから。」
うちの騎士たち?
俺は妙に強調されたローウェルの言葉につられるように、作業を止めてローウェルの方を向いた。
そして、現在果物の皮むきを行っている自身の手元へと視線を落とした。
「………それほど俺は、不器用だろうか? 割と、うまく剥けていると思っていたんだけどな。」
「手先は器用ですよ。殿下は、剣筋もとてもきれいですしね。……ただ、それ以外で不器用な部分があるかなと。」
「どこだよ。」
「うーん、そうですね。例えば、大切なものへの接し方、とかですかね?」
思ったよりも声が低くなってしまった俺に対して、ローウェルは「ご自身が一番わかっているでしょ?」とでも言いたげなおどけた表情で、肩をすくめた。
……俺の大切なもの。大切な者……。
「アース」
っ!
俺はすぐに、不意に口から出てしまった言葉を抑え込むように、手の甲で自身の口元をおさえた。
待て、俺は一体何を口に出してしまったんだ。ローウェルに聞かれたか? ど、どう弁解すれば……。
「アースですか……。まあ、殿下にとってアースは特別な人ですからね。」
「と、特別って……。ち、違うんだローウェル! たまたまアースの名前が出てしまっただけで、俺は」
「焦らなくても、とっくに知ってますよ。なんといっても、アースは殿下を救ってくれた人ですからね。殿下にとって、欲しい言葉を欲しい時にかけたくれた人ですから。
特別な人だとしても、何ら不思議ではないですよ。」
そ、そういう特別か……。確かに、俺にとってアースはそういう意味でも特別な存在だ。
だけど、よかった。俺がアースのことを、違う意味で特別に思っていることがバレていなくて……。
「あ、ああ。俺にとってアースは、そういう意味で特別な存在だ。」
「ええ、そうですね。……ですから、殿下にはアースを選び続けて欲しいのです。例えば今回、アースと行動を共にすることができませんでしたね。」
「また、そのことか……。その件については、俺自身もお前たちも納得していただろう? 理由があってのことだ。」
「ええ、そうですね。だけど、もしアースが筆頭護衛士だった場合はどうですか? 筆頭護衛士の場合は、いかなる時も主に同行しなければなりません。裏を返せば、
どのような時でも同行させることができるのです。アースが戻ってきてから約1か月が経っていますが、まだ、殿下の筆頭護衛士を任命していないのはなぜですか?
2年前、あの任務の時の筆頭護衛士はアースでしたが、あれはあの場限りの役職です。殿下は、もう貴族院に入学しておられます。一般的には、貴族院に在学している王族の方々は筆頭護衛士を任命しているものです。貴族院に入学される前に俺たちの中から筆頭護衛士を任命しなかったのは、アースを筆頭護衛士に任命するつもりだったからではないですか? アースを筆頭護衛士に任命していれば、アースは今、この場にいたのですよ。」
「それはそのとおりだが……。なぜ今、こういう話になっているんだ? 最初は、キースについての話だっただろ。」
「殿下には、アースを選び続けて欲しいという話です。……アースは、すべてにおいて優れた人材です。それに、輝かしい成果を残していますし、これからも残していくこと
でしょう。そんなアースが、他の人たちから選ばれないと思いますか? 殿下がうだうだとあれこれ考えている間に、アースは様々な人たちから選ばれてしまいますよ。それでも
いいんですか? 近場で言いますと、アースは第一王子の側近に引き抜かれてもおかしくはない人材です。アルベルト殿下が、兄弟のことなどかえりみないかたでしたら、アースをとられていても不思議ではないです。そしてこれから、魔闘演舞があります。アースは自重などせずに勝利を取りに行くでしょう。そうなったときに、アースに注目が集まるのは、もはや国内だけでは済まないのですよ。例えば、帝国の第一皇子殿下などの目に留まって引き抜きをかけられたら……。今のようにぼやぼやしていれば、特別な存在のアースは班が違うくらいでは済まないような遠いところに行ってしまうかもしれませんよ。……長くなりましたが、殿下には大切な者を失ってほしくないのです。だから、アースを選び続けてあげてください。きっと、アースもそれを望んでますから。」
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