異世界に転生してもゲイだった俺、この世界でも隠しつつ推しを眺めながら生きていきます~推しが婚約したら、出家(自由に生きる)します~

kurimomo

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第三章 ウェルカムキャンプ編

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「………わかった。」




ローウェルはずるいな。
普段はひょうひょうとした奴だが、こういう大事な話をするときはまじめな顔をする。普段とのギャップからか妙に圧があるというか、首を縦に振ってしまうような力がある。
だけど、俺が返事をしたのは、何も側近の諫言だったからだけではない。ローウェルの言うことが事実だと思ったからだ。
アースが他人から選ばれる可能性……俺が、無意識に、いや意識的に目をそらしてきたことだ。
……そうだ。アースがいつまでも俺の側近でいてくれる保証はどこにもないのだ。主である俺が、アースのことを必要としていると、そう主張していく必要があるんだ。



「はい、じゃあ真面目な話はここまでにしましょう。いい感じに料理も出そろいましたからね。」


「………お前は、本当に切り替えが早いよな。」


「オンとオフの切り替えは大事ですから。それに、これが俺の持ち味です。」


「冷静かつ肝が据わっていて何よりだ。……結構おいしそうにできたな。」


「ええ、そうですね。料理は見た目も重要ですから。」


「本で読んだだけなのにそれらしいことを言うなよ。」



ローウェルは気にしていないとでも言いたげな貴族スマイルで俺のことを見つめた後、わざとらしく俺の後方に視線を向けた。


「あっちの準備も終わったみたいですね。アースの風呂対策にも驚きましたが、ジールも大概常識はずれで頼もしいですね。」


俺はローウェルの視線を追うように後ろを振り返ると、大樹の枝の先に鎮座する立派なログハウスが見えた。
あれは何かというと、考えるまでもなく木属性をもつジールがつくったログハウスだ。樹上につくられているため、地上につくるよりも安全性の高い家となっている。



「由緒あるバルザンス家の次男だからな。ジールの恐ろしいところは、自然にああいうことができることだ。」


「きっと、いい師匠や型破りなライバルがいるのでしょう。」


「ああ、まったくだ。」


「さてと、料理が冷めないうちに食べてしまいましょう。俺、呼んできますね。」


「ああ、頼む……」



その瞬間、強烈な魔力が放たれたのを感じるとともに、大樹を超すほどの巨大な氷柱が目に移り込んだ。
それと同時に、強烈な閃光と共にキースとジールが俺たちの元へと現れた。


「ジール、状況を。」


「了解ッス。」



ジールは一言そういうと、目を閉じて集中し始めた。
近距離の感知を広範囲に広げて、索敵をしているのだ。


「あいつは……間違いない、ナレハテッス。それに、前にいたパワー系のデカブツもいるッス。それから、この森の周囲にB級以下の魔物が急に現れて、今は周りの騎士・魔導士たちが対応しているッス。」


「ナレハテだと……。」



その瞬間、俺の体中を激しく魔力が駆け巡った。
確かに、あの時の俺たちは弱かった。だけど、あいつのせいで、俺達は……アースは。

いや、冷静になれキルヴェスター。怒りに身を任せていては、王族の風上にも置けない。



「急に現れただと……。それはまるで、前にアースを傷つけた透明化の能力を持った蜥蜴のようだな。」


「そいつが、自身だけではなく他のものも透明化できるとしたら不思議ではない。やつも必ず近くにいるはずだ。……しかし、それほどの能力となるともはやA級には収まらないな。」


確かにそのとおりだ。
この2年間の間に、俺達と同じように力をつけていたとしたら……。A級以上の魔物にランクアップしているかもしれない。


「お前たちに命令を下す。俺と共に、アースの援護に向かい、必ずナレハテどもを打ち倒せ。……これは、俺達がケリをつけなければいけないことだ。」


俺がそういうと、3人はすぐさま跪いて恭順の意を示した。
……必ず倒さなければならない。待っていろ、アース。


「俺が「影移動」でまとめてみんなを運びます。みんな、戦闘態勢を維持していろよ。」


「この人数を影移動させるだと? それ程の負荷をかければ、ローウェルが戦えなくなる。」


「いいえ、それでいいんです。魔導士として俺は再スタートを切ったばかりです。A級以上の魔物を相手するには、俺はお荷物です。今回は、最速の移動手段として使い潰してください。」


「……わかった。じゃあ、行くぞ。必ず、ケリをつける。」


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