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第三章 ウェルカムキャンプ編
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※キルヴェスター視点
今日は、ウェルカムキャンプ当日だ。残念ながら、アースとは別チームとなった。
今は、森へ着いたところであり、自分のチームの到着を待つアースが見送りをしてくれているところだ。
「じゃあみんな、また明日ね!」
「アースも楽しめよ!」
アースの笑顔を名残惜しいと思いながらも、俺達は指定のポイントに向けて歩き出した。
道中は、ローウェルの指示に従って食料の採集を行った。植物や果実を示せば、その説明と共に食用か否かをローウェルが解説してくれた。
ローウェルの知識量には本当に驚かされる。右後ろ後方を見ると、ジールが木の枝を四方に伸ばし、魔物をからめとっていた。肉には困らなそうだ。
キースは、黙々と枯れ枝を拾っていた。今夜の灯には困らなそうだ。
雑談をしながら歩いていると、指定の場所にたどり着いた。登れば、全体を見回すことができそうな大きな木があり、その下には小川が一本通っているのが印象的だ。
いい意味でも悪い意味でも、とても目立つスポットだ。
「いやー、事前に知ってはいましたけど、実際にこの大樹は圧巻ですね。」
「そうッスね。殿下の位置が一目でわかるように、学園側が配慮したんっスよね? ……まあ襲撃者からしても、わかりやすいことこの上ないッスけど。」
「側近として、常に襲撃の可能性を想定しなければならないからな。俺個人としては、このスポットを割り当てられたことに不満がある。」
3人とも、総じて学園側の配慮には少なからず不満があるようだ。
俺達がこの場所を割り当てられたことが漏れているとは考えにくいが、俺は曲がりなりにも王族だ。俺には、人質として、王位簒奪の旗頭として、他にも様々な使い道がある。
しかし、せっかくのウェルカムキャンプだ。警戒ばかりしていては、せっかくの楽しい行事がもったいない。
俺は、大樹の下を流れる小川に近づいた。
「みんな、こっちに来てみろよ。水がこんなにきれいだし、植物や小魚たちがとても生き生きしている。それに、春の陽気が気持ちいいな。」
俺が笑顔でそう言うと、側近たちはきょとんとした顔をした後に互いに見つめ合った。
なぜか、微妙な空気になってしまった。俺は心配になって、3人に問いかけた。
「………俺、何かおかしなことを言ったか?」
「い、いえ! そういうわけではありませんよ。少し、警戒をしすぎていたなと反省したんです。」
「そうッス! せっかくのウェルカムキャンプなので、楽しまないとっスよね!」
みんなはそういうと、俺の近くまで来て、小川の辺りに腰を下ろした。
……こうして、自然の中でリラックスするのは久しぶりな気がする。こういう機会でもないと、味わえない感覚だ。
なんだか、癒されるような小川のせせらぎと、春の陽気のおかげでこのまま昼寝をしてしまいそうだ。
「1時間くらい、昼寝の時間にしますか? 俺たちは先発でしたので、他の班よりも時間に余裕がありますからね。」
すでに、横になっているローウェルが目を瞑ったままそう問いかけてきた。
ジールは小川を泳ぐ小魚を観察し、キースは自身の剣の手入れを行っている。……なんというか、オンとオフの切り替えが早くて結構だ。
「それもいいが、早めに夕食にして床に就こうか。早めに就寝すれば、朝早く起きられるからな。散歩がてら、クラスのみんなの様子を見つつ交流を深めたい。」
「了解です。じゃあ、料理班と住居班に分かれましょうか。……料理をしたい人?」
ローウェルがそう問いかけると、俺達は図らずも全員下を向いてそ知らぬふりをした。
そう、これは由々しき問題なのだ。俺たちの中に、料理ができる者がいないのだ。
「まあ、予想通りの結果ですね。というわけで、俺が料理班の主担当を務めるぜ。」
「………務めるぜって。お前、料理できるのか?」
「キースはアホなのか? できるわけがないだろう?」
「あ?」
始まってしまったようだ。
ローウェルはからかうような笑みでキースのことを見出して、キースは手入れしていた剣を意味ありげに構えた。
「まあまあ、2人とも。じゃれあうのは、後にしてくださいッス。ローウェルは料理できないのに、料理担当の主担当を務めるということでいいんッスよね?」
「ああ、そうだぜ。誰も料理できないと思って、しっかりと本を読みこんできたんだ。」
あー、なるほどそういうことか。
俺達はそろって、半目でローウェルのことを見つけた。
ま、まあ何も知らない俺達よりはローウェルが適任なことは確かだ。ここは、ローウェルにお願いすることにしよう。
「えーと、じゃあローウェルにお願いするな。副担当の希望はあるか?」
「そうですね……。主でお願いします。住居づくりは、ジールが主担当で進めた方が良いですからね。余ったキースは、しっかりと肉体労働に励めよ。」
ローウェルがそういうと、キースは冷たい視線をローウェルに送った後、大樹に向かって歩き出した。
ジールは大きなため息をついた後に、キースを追いかけていった。
「さてと、早速始めましょうか。」
「お、おう……。」
今日は、ウェルカムキャンプ当日だ。残念ながら、アースとは別チームとなった。
今は、森へ着いたところであり、自分のチームの到着を待つアースが見送りをしてくれているところだ。
「じゃあみんな、また明日ね!」
「アースも楽しめよ!」
アースの笑顔を名残惜しいと思いながらも、俺達は指定のポイントに向けて歩き出した。
道中は、ローウェルの指示に従って食料の採集を行った。植物や果実を示せば、その説明と共に食用か否かをローウェルが解説してくれた。
ローウェルの知識量には本当に驚かされる。右後ろ後方を見ると、ジールが木の枝を四方に伸ばし、魔物をからめとっていた。肉には困らなそうだ。
キースは、黙々と枯れ枝を拾っていた。今夜の灯には困らなそうだ。
雑談をしながら歩いていると、指定の場所にたどり着いた。登れば、全体を見回すことができそうな大きな木があり、その下には小川が一本通っているのが印象的だ。
いい意味でも悪い意味でも、とても目立つスポットだ。
「いやー、事前に知ってはいましたけど、実際にこの大樹は圧巻ですね。」
「そうッスね。殿下の位置が一目でわかるように、学園側が配慮したんっスよね? ……まあ襲撃者からしても、わかりやすいことこの上ないッスけど。」
「側近として、常に襲撃の可能性を想定しなければならないからな。俺個人としては、このスポットを割り当てられたことに不満がある。」
3人とも、総じて学園側の配慮には少なからず不満があるようだ。
俺達がこの場所を割り当てられたことが漏れているとは考えにくいが、俺は曲がりなりにも王族だ。俺には、人質として、王位簒奪の旗頭として、他にも様々な使い道がある。
しかし、せっかくのウェルカムキャンプだ。警戒ばかりしていては、せっかくの楽しい行事がもったいない。
俺は、大樹の下を流れる小川に近づいた。
「みんな、こっちに来てみろよ。水がこんなにきれいだし、植物や小魚たちがとても生き生きしている。それに、春の陽気が気持ちいいな。」
俺が笑顔でそう言うと、側近たちはきょとんとした顔をした後に互いに見つめ合った。
なぜか、微妙な空気になってしまった。俺は心配になって、3人に問いかけた。
「………俺、何かおかしなことを言ったか?」
「い、いえ! そういうわけではありませんよ。少し、警戒をしすぎていたなと反省したんです。」
「そうッス! せっかくのウェルカムキャンプなので、楽しまないとっスよね!」
みんなはそういうと、俺の近くまで来て、小川の辺りに腰を下ろした。
……こうして、自然の中でリラックスするのは久しぶりな気がする。こういう機会でもないと、味わえない感覚だ。
なんだか、癒されるような小川のせせらぎと、春の陽気のおかげでこのまま昼寝をしてしまいそうだ。
「1時間くらい、昼寝の時間にしますか? 俺たちは先発でしたので、他の班よりも時間に余裕がありますからね。」
すでに、横になっているローウェルが目を瞑ったままそう問いかけてきた。
ジールは小川を泳ぐ小魚を観察し、キースは自身の剣の手入れを行っている。……なんというか、オンとオフの切り替えが早くて結構だ。
「それもいいが、早めに夕食にして床に就こうか。早めに就寝すれば、朝早く起きられるからな。散歩がてら、クラスのみんなの様子を見つつ交流を深めたい。」
「了解です。じゃあ、料理班と住居班に分かれましょうか。……料理をしたい人?」
ローウェルがそう問いかけると、俺達は図らずも全員下を向いてそ知らぬふりをした。
そう、これは由々しき問題なのだ。俺たちの中に、料理ができる者がいないのだ。
「まあ、予想通りの結果ですね。というわけで、俺が料理班の主担当を務めるぜ。」
「………務めるぜって。お前、料理できるのか?」
「キースはアホなのか? できるわけがないだろう?」
「あ?」
始まってしまったようだ。
ローウェルはからかうような笑みでキースのことを見出して、キースは手入れしていた剣を意味ありげに構えた。
「まあまあ、2人とも。じゃれあうのは、後にしてくださいッス。ローウェルは料理できないのに、料理担当の主担当を務めるということでいいんッスよね?」
「ああ、そうだぜ。誰も料理できないと思って、しっかりと本を読みこんできたんだ。」
あー、なるほどそういうことか。
俺達はそろって、半目でローウェルのことを見つけた。
ま、まあ何も知らない俺達よりはローウェルが適任なことは確かだ。ここは、ローウェルにお願いすることにしよう。
「えーと、じゃあローウェルにお願いするな。副担当の希望はあるか?」
「そうですね……。主でお願いします。住居づくりは、ジールが主担当で進めた方が良いですからね。余ったキースは、しっかりと肉体労働に励めよ。」
ローウェルがそういうと、キースは冷たい視線をローウェルに送った後、大樹に向かって歩き出した。
ジールは大きなため息をついた後に、キースを追いかけていった。
「さてと、早速始めましょうか。」
「お、おう……。」
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