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第三章 ウェルカムキャンプ編
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その後は、もう1匹のホーンラビットをオルト様が狩ったり、食用の野草を採集したりして、食料調達を終えた。
オルト様は植物の蔓を器用に編んで籠をつくり、採集した食料をすべて入れて運んでくれた。とても万能で有能で、感心しまくりだ。
オルト様の実家のことは詳しく聞いていないが、もし跡取りでなければキルの側近にスカウトしたいところだ。最近少し思うのだけど、キルの側近にはもう1人くらい護衛騎士がいた方が良いと思う。
「アース様、オルト、お帰りなさい!」
野営ポイントに戻ると、すっかりテントが張り終えられ、焚火が用意されていた。
それに、マルタをぶつ切りにしたイスを用意されている。素晴らしい心遣いである。
「ただいま、ドール、ケラト。もう、野営の準備はばっちりだな。流石の手際の良さだ。」
「当たり前だ。これくらいなら、たいして時間もかからない。食料調達の方は、問題ないだろうな?」
「ああ、恙なく。アース様のおかげで、短時間で肉を確保することができたんだ。」
「いえいえ、そんなことはありませんよ。オルト様の観察力と知識、そして的確な指示があったからです。大変勉強になりました、ありがとうございます。」
俺がオルト様にお礼を言うと、一瞬の硬直を見せた後、笑顔で「とんでもございません」とオルト様は言った。
とても謙虚である。
「では、完全に日が暮れる前に料理をしてしまいましょうか。……アース様は、お疲れでしょうからそちらでお休みください。」
なるほど。
上位貴族の俺が、料理なんてできるわけがないと思われているのだろう。というか、上位貴族に料理をさせたらまずいと思っているのかもしれない。
しかし、俺には独身男性の教養の1つである料理スキルが備わっている。野菜を石鹸で洗ったり、手を切りそうな危険な包丁さばき見せたりというような典型的なあるあるをかますなど、まずあり得ないのだ。
「いえ、オルト様。ただ見ているだけでは申し訳ないので、俺も料理に参加します!」
俺がそういうと、オルト様たちは一瞬視線を交わし合って、対応策を考えだした。
とても面倒な上位貴族だと思われているかもしれない。
「………で、では、果物の皮むきをお願いします。」
「ええ、わかりました。それともう1つ、俺にも1品作らせてください。今回、色々と勉強させていただいたお礼です。」
「………1品ですか。承知しました。では、お願いいたします。」
オルト様は、素晴らしい貴族スマイルを浮かべて了承してくれた。
1品くらいなら激マズだろうが、何とかなると思っているかもしれない。しかし、俺には上位貴族の特権があるのだ。
ーー
それから、各々の料理タイムが始まった。
オルト様たちは、果物の皮をむいたり、ホーンラビットの肉を塩焼きにしたりしていた。
素材の味が感じられ、シンプルで十分おいしい料理にはなるだろう。しかし、悪く言うとそのまますぎるともいえる。
俺は上級貴族のたしなみの1つである、どこでも簡単調味料&スパイスセットを荷物から取り出した。
こういうたぐいのものは、やはり結構値段が張る。しかし、俺には王族の側近に支払われる結構な額の給金がある。生活にかかるお金は、家やキルが負担してくれるから、給金の使い道があまりないということで、こういう嗜好品を買うことができる。
先程採集したものには、香草の類があった。
ウサギの肉と合わせて、香草焼きでも作ろうか。あとは、簡単にスープをつくろう。明日の朝にも食べられるしな。
「わーー! アース様、すごいですね!」
気が付くと、ドール様がお腹をさすりながら隣に来ていた。
ドール様の声につられて、オルト様たちもそばに寄ってきた。果実の皮をむき終わり、塩焼きも放置状態に入ったから時間を持て余しているのだろう。
「………アース様は、料理までできるのですか? いったい、どこでこのような技術を?」
「それは……領地で療養中に学んだのですよ。2年間という時間は思ったより長くて、趣味をつくりたいと思いまして。戦闘訓練の気分転換となって、とても満足しております。」
俺がそういうと、3人は少し間を空けた後、納得の表情でうなずいてくれた。
……最近思うけど、俺って、領地に引きこもっていた2年間を結構都合のいい言い訳に使っているよな。
「アース様は、殿下にもご自身の手料理をふるまっているんですか?」
「うーん、ないですね。というよりも、殿下は俺が料理をできること自体知らないと思いますよ。普段は、プロの料理人の料理を食べた方が満足度は高いですからですね。こういう機会でないと、貴族の子女が料理をする必要はあまりないですからね。」
「確かにそうですね! 僕の家も、普段は料理人が料理を作りますからね!」
ドール様の家は、有力商人の家系から順当に成り上がった家だ。そこらへんの下級・中級貴族よりも、よほど裕福だろう。
彼自身の天真爛漫な人柄を見ても、裕福で円満な家庭環境であることが推測される。
「アース様がいれば、快適な野営になりますね。キルヴェスター殿下がお知りになったら。さぞかしお喜びになられるのではないですか?」
「ええ。そうだと嬉しいですね。その時にはジールが一緒にいると思うで、俺が料理に集中しても索敵等を任せられるので安心です。」
「それは、安心できそうですね。今回も、キルヴェスター殿下のお側をアース様がお譲りになっていることからもうかがえます。」
「同じ役割の側近仲間がいることは、本当に心強いです。」
っと、香草焼きからとてもいい匂いが漂ってきた。そろそろ、完成だな。
昼から何も食べていないから、本当にお腹がペコペコだ。
「そろそろいい感じですね。日も完全に落ちてしまいましたし、早速夕食にしましょうか。」
「「「賛成です!」」」
早速俺たちは、完成した料理を切り株の上に並べた。
俺はもちろん、料理だけではなく、疲労回復効果のある清属性飲料水と氷も用意した。
「さてと、準備完了ですので早速いただきましょうか。……では、いただ」
「イタダキマス」
オルト様は植物の蔓を器用に編んで籠をつくり、採集した食料をすべて入れて運んでくれた。とても万能で有能で、感心しまくりだ。
オルト様の実家のことは詳しく聞いていないが、もし跡取りでなければキルの側近にスカウトしたいところだ。最近少し思うのだけど、キルの側近にはもう1人くらい護衛騎士がいた方が良いと思う。
「アース様、オルト、お帰りなさい!」
野営ポイントに戻ると、すっかりテントが張り終えられ、焚火が用意されていた。
それに、マルタをぶつ切りにしたイスを用意されている。素晴らしい心遣いである。
「ただいま、ドール、ケラト。もう、野営の準備はばっちりだな。流石の手際の良さだ。」
「当たり前だ。これくらいなら、たいして時間もかからない。食料調達の方は、問題ないだろうな?」
「ああ、恙なく。アース様のおかげで、短時間で肉を確保することができたんだ。」
「いえいえ、そんなことはありませんよ。オルト様の観察力と知識、そして的確な指示があったからです。大変勉強になりました、ありがとうございます。」
俺がオルト様にお礼を言うと、一瞬の硬直を見せた後、笑顔で「とんでもございません」とオルト様は言った。
とても謙虚である。
「では、完全に日が暮れる前に料理をしてしまいましょうか。……アース様は、お疲れでしょうからそちらでお休みください。」
なるほど。
上位貴族の俺が、料理なんてできるわけがないと思われているのだろう。というか、上位貴族に料理をさせたらまずいと思っているのかもしれない。
しかし、俺には独身男性の教養の1つである料理スキルが備わっている。野菜を石鹸で洗ったり、手を切りそうな危険な包丁さばき見せたりというような典型的なあるあるをかますなど、まずあり得ないのだ。
「いえ、オルト様。ただ見ているだけでは申し訳ないので、俺も料理に参加します!」
俺がそういうと、オルト様たちは一瞬視線を交わし合って、対応策を考えだした。
とても面倒な上位貴族だと思われているかもしれない。
「………で、では、果物の皮むきをお願いします。」
「ええ、わかりました。それともう1つ、俺にも1品作らせてください。今回、色々と勉強させていただいたお礼です。」
「………1品ですか。承知しました。では、お願いいたします。」
オルト様は、素晴らしい貴族スマイルを浮かべて了承してくれた。
1品くらいなら激マズだろうが、何とかなると思っているかもしれない。しかし、俺には上位貴族の特権があるのだ。
ーー
それから、各々の料理タイムが始まった。
オルト様たちは、果物の皮をむいたり、ホーンラビットの肉を塩焼きにしたりしていた。
素材の味が感じられ、シンプルで十分おいしい料理にはなるだろう。しかし、悪く言うとそのまますぎるともいえる。
俺は上級貴族のたしなみの1つである、どこでも簡単調味料&スパイスセットを荷物から取り出した。
こういうたぐいのものは、やはり結構値段が張る。しかし、俺には王族の側近に支払われる結構な額の給金がある。生活にかかるお金は、家やキルが負担してくれるから、給金の使い道があまりないということで、こういう嗜好品を買うことができる。
先程採集したものには、香草の類があった。
ウサギの肉と合わせて、香草焼きでも作ろうか。あとは、簡単にスープをつくろう。明日の朝にも食べられるしな。
「わーー! アース様、すごいですね!」
気が付くと、ドール様がお腹をさすりながら隣に来ていた。
ドール様の声につられて、オルト様たちもそばに寄ってきた。果実の皮をむき終わり、塩焼きも放置状態に入ったから時間を持て余しているのだろう。
「………アース様は、料理までできるのですか? いったい、どこでこのような技術を?」
「それは……領地で療養中に学んだのですよ。2年間という時間は思ったより長くて、趣味をつくりたいと思いまして。戦闘訓練の気分転換となって、とても満足しております。」
俺がそういうと、3人は少し間を空けた後、納得の表情でうなずいてくれた。
……最近思うけど、俺って、領地に引きこもっていた2年間を結構都合のいい言い訳に使っているよな。
「アース様は、殿下にもご自身の手料理をふるまっているんですか?」
「うーん、ないですね。というよりも、殿下は俺が料理をできること自体知らないと思いますよ。普段は、プロの料理人の料理を食べた方が満足度は高いですからですね。こういう機会でないと、貴族の子女が料理をする必要はあまりないですからね。」
「確かにそうですね! 僕の家も、普段は料理人が料理を作りますからね!」
ドール様の家は、有力商人の家系から順当に成り上がった家だ。そこらへんの下級・中級貴族よりも、よほど裕福だろう。
彼自身の天真爛漫な人柄を見ても、裕福で円満な家庭環境であることが推測される。
「アース様がいれば、快適な野営になりますね。キルヴェスター殿下がお知りになったら。さぞかしお喜びになられるのではないですか?」
「ええ。そうだと嬉しいですね。その時にはジールが一緒にいると思うで、俺が料理に集中しても索敵等を任せられるので安心です。」
「それは、安心できそうですね。今回も、キルヴェスター殿下のお側をアース様がお譲りになっていることからもうかがえます。」
「同じ役割の側近仲間がいることは、本当に心強いです。」
っと、香草焼きからとてもいい匂いが漂ってきた。そろそろ、完成だな。
昼から何も食べていないから、本当にお腹がペコペコだ。
「そろそろいい感じですね。日も完全に落ちてしまいましたし、早速夕食にしましょうか。」
「「「賛成です!」」」
早速俺たちは、完成した料理を切り株の上に並べた。
俺はもちろん、料理だけではなく、疲労回復効果のある清属性飲料水と氷も用意した。
「さてと、準備完了ですので早速いただきましょうか。……では、いただ」
「イタダキマス」
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