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第二章 初学院編

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やむを得なく、罰の形にしたか、、、、。
そう考えると、罰の中身自体が目的ということか。罰の中身というと、貴族院入学までの領地謹慎だ。
、、、、、俺を王都から引き剥がすことが目的なのか? それとも、キルから引き剥がすことが目的なのか?
そうだとしたら、その目的はなんだろうか、、、、、。
いや、この考えがあっているのかわからないし、そもそも考えたところで結果が変わるわけではない。今は、自分にできる事を考えよう。


「何か、国王陛下やアルベルト殿下にはお考えがあるのかもしれないけど、いま考えても分かりそうにないね、、、、、、。だから、俺たちにできることを精一杯考えよう。ほら、ナレハテたちはまだ生きているみたいだしさ、その捜索とかさ!」


「確かにそうッスね。ただ、アースが今やるべきことは、体調を万全にすることッスよ。」


「うっ、、、、、。確かにそのとおりだね。」


「そうッスよ。アースが元気にならないと、殿下も安心できないッスからね。、、、、、っと、そろそろ夕食の時間ッスね。まだ動けそうにないなら、またこの部屋に準備してもらうッスけど、どうッスか?」


「大丈夫、動けそうだよ。リハビリだと思って、がんばるよ。」


「了解ッス。殿下たちもくると思うッスから、早速行くッスよ!」




それから俺たちは、夕食会場へと向かった。キルたちはまで来ていないようで少し待っていると、キースとローウェルの2人だけが会場にやって来た。キルはというと、しばらく頭を冷やしたいから、自室で食事を取るとのことらしい。
キルの意思は尊重したいけど、あまり長引いてしまうと、埋まらない溝ができてしまうように思える。明日とは言わないから、明後日くらいには様子を見に行きたいと思う。







ーー








その夜。
うーん、眠れないな。考えることがありすぎて、なかなか眠りにつくことができない。少し、夜風にあたろうかな。
俺は、ゆっくりとバルコニーに向かった。


今日は満月か、、、。この世界の月は、元の世界から見た月とあまり違いがない。だから、月をみると安心するのだ。こうして、ゆっくりと月を見上げるのも久しぶりな気がするな。


「邪魔するぞ、アース。」



俺が黄昏ていると、ふと、上の方から声が聞こえてきた。上というと、空か上の階のバルコニーしかないと思うけど、誰だろうか?
上のバルコニーの方を見ると、そこには、手すりの上に立っているアルベルト殿下の姿があった。



「ア、アルベルト殿下! そんなところに、、、危険です! すぐに降りて下さい!」


「まあ、落ち着け。ちょうど、お前の部屋を訪ねようと思っていたんだ。ちょうどよかった、今からそっちにいくから待っていろ。」



アルベルト殿下はそういうと、軽い足取りでしたの下の階の俺がいるところに飛び降りてきた。この人は、なぜバルコニーから入ろうとしていたのだろうか? まあ、俺の部屋の前には不審番が立っているから、見つかると色々と厄介だとでも考えたのだろう。前の
アルフォンスさんの口ぶりかして、この王子様は1人で出歩くのがお好きのようだ。



「アルベルト殿下、一体どうされたのですか? 側近の皆さんもつけないで、、、、。」


「お前と少し話したいと思ってな。俺の側近は気づいた上で、俺の好きにさせているのだろう。」



俺は、無礼にならない程度の温かい目でアルベルト殿下のことを見つめた。側近の皆さんは本当に大変だな。弟殿下たちを見習った方がいいと思う。



「その温かい目の意味が気になるが、今はまあいい。それよりもアース。俺のことを、いや、王族やこの国の判断を恨んでいるか? 本来は褒め称えられるべきお前を、罰する形になってしまって。」



アルベルト殿下は、若干、後ろめたさを感じる雰囲気でそう問いかけてきた。昼間は飄々としていたけど、内心ではそうではなかったらしい。 

恨んでいるか、、、、。正直に言って、悔しいという思いでいっぱいだ。キルを危険に晒したことは事実だし、ナレハテたちをとり逃している。なんらかの罰があっても仕方がないと思う。


「恨んではいませんよ。何かお考えあってのことだと思いますし、それに、原因は俺たちの未熟さによるものですからね。」


「そうか、、、、。相変わらず、見かけによらず妙に落ち着いているな。」


アルベルト殿下は、優しい笑みを浮かべてそういった。
見かけによらずとは、一体どういうことだろうか?


「見かけは、騙されやすそうな子供ということだ。」


、、、、、。また思考を読まれてしまった。今でもなお、この人の固有魔法か何かだと思っている。



「まあ、それは置いておくとして、、、、。今日はすまなかったな。今夜ここに来たのは、お前を罰して領地謹慎を命じることになった理由を話すためだ。このことは、国の上層部で決まったことだ。キルに話すかどうかは、お前自身が決めてくれ。」


「わかりました。」



やはり、何か事情があったようだ。話してくれるということは、反した方が都合がいいということなのか、それともアルベルト殿下の優しなのか、、、、。どちらにしろ、心して聞いた方が良さそうだ。

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