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エンタメ充実編

浮かれ気分

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僕の年中から小3までの鼓笛隊と三か月のピアノ、そして中学の必須活動で入ってた三年間の音楽部。
これだけの記憶でどれほどの音楽的知識が伝えられるだろう…
全て口伝えで何とかするしかないけど…いつも入り浸ってたカラオケで鍛えた僕の歌唱力(上手いとは言ってない)でちゃんと伝えられるかな?それに振りコピやコールで鍛えたからね。リズムの正確さにはちょっと自信がある。

ハミングだけで伝えるマーチングソング。鼓笛隊でも音楽部でも演奏した曲は刷り込まれたように覚えてる。
太鼓も笛もやってみたら意外と覚えててびっくりした。だからってパーカッションまで出来る気はしない…


前王の時代、この国の名は【リーガル神王国】と言ったけどクリフト陛下は神を取っちゃった。
あの神の文字は王家を指していたんだって。人間ごときが不遜だからって言って。
生まれ変わったこの国とこのバーガンディの最初のエンタメに、式典の華ともいえるマーチングバンドはぴったりでしょ?


ふふふふっふ~ん、んふふふふふ~ん

今日も僕の気の抜けたハミングがこだまする…バンさんに五線譜と音符を教えて必死で書き写してもらってる。
耳コピから覚えたての五線譜て…バンさんゴメンね。

ざわ…ざわ…ん?何この人垣?

「な、何見てるの…カナ?」

「…天使の歌声…」
「愛らしい…」
「アデル様…俺はっ…俺はっ…」

「ひぃぃっ」

マカフィーさんがあっと言う間に蹴散らしてくれた。

「な、何あれ?」
「募集で来た面接希望者どもですよ。ったく…ここへは近づくなと言ったのに…」
「アデル様の歌声にフラフラと引き寄せられてきた羽虫みたいなもんですよ。そのうち閣下に締められて大人しくなるんで少々お待ちを」

僕を見てナニが楽しいんだろう。はぁ、アデルって、ほんとうに大変。

「マジな話、狙われないよう気を付けてくださいよ。アデル様、黙ってたら相当美人さんなんだから。俺たち置いて勝手に町行くとか、そういうの勘弁してくださいよ」
「本当に。それにアデル様の魔道具や魔力の高さに余計な色気出してる馬鹿湧いてるらしいんで。」
「グ、グラナダ様の妻でも…?」
「妻でも。隙をついて攫おうとする奴なんてどんな手だって使ってくるんですからね」
「ちょ、変なフラグやめて。え、立ってないよね?セーフだよね?」



不穏な話を聞いてしまった…何か久々に魔法の特訓でもしておくべきだろうか…。





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