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推し活満喫編

狂気の部屋①

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「アデルッあぁどれだけ探したことか!」

僕は責められるより先に土下座した。

「ごめんなさい!本当にごめんなさい。もうしません。もうしませんからぁ~。出禁はっ、出禁は許してください~。」

号泣である。
もう自分でも何を言ってるのかわかんないし、グラナダ様が何言ってるのかもよくわかんない。
あっという間に僕の顔は鼻水と涙でぐしゃぐしゃになった。

「アデルっアデルッ、顔をあげてくれ。悪いのは私のほうだ。詫びねばならぬのも私だ。頼む。もうあやまらないでくれ!」
「うぅ…でもぉ…ぅええ~ん」
「それよりもアデル、聞いておきたいことがあるのだ。それを聞かねば私の心のおりはなくならぬ。ここにきた日、付き添いのメイドが話していた…その、お前が入水を、…湖に身を投げて儚くなろうとしたのは本当のことなのか?どうなのだ?」
「ひっく、何?何のこと?湖?ぼ、僕が池にはまった時の事?じゅ、入水?自殺しようとしたってこと?ひっく、僕そんなことしないぃ、うぇぇ、す、水面覗き込んでたらいつの間にか水にはまってたん…~ぅわぁぁ~ん。」
「何故水面に近づいたのだ。嫁ぐのを憂い思い煩っていたのか?」
「何?何?あれは水面になんか白い顔が見えて…ズズッ……びっくりして覗き込んで、それからそれから必死に、グス」

気が付いたら溺れてた。覗きこんだ顔こそ今の僕、そうアデルだよ。
…混乱して新太がおぼれた時の話をしちゃったけど…アデルがほんとうはどうして湖に入ったのかはわからない…
残った脳内記憶で想像はつくけど…そんなのグラナダ様は知らなくていいことだよね。

だって真実を知ることがいつだって正しいとは限らない…誰にとっても悲しい真実ならなかったことにしてもいいよね。
だって今ここに居るアデルの中身はグラナダ様のことが大好きな新太なんだから!

「な、ならば何故メイドたちは…身を投げた…などと」
「め、メイドさん?あ、あの人達は湖岸にたどり着いて咳き込んだり叫んだりしてた声を聞きつけて馬車から走ってきたんだよ、なんにも見てるわけがない…」
「なっ、に!そうか………、そうであったか……私はっ、私は大バカ者だ!」
「…メイドさんたち、あの、すごく…僕の事大切にしてくれていたから…多分その…噂とかいろいろあって…あまりヨクナイ…そう思い込んでたのかな…僕が、その嫌がって…るって…ゴメンナサイこんな…」
「いや、構わぬ…」
「っでっ、でも僕は、僕は、嫌だなんて一度も思わなかったよ、知らない場所いせかいで不安だったけど、住む場所があることにも、独りぼっちにならないことにもほっとしてた。えへへ、グラナダ様がかっこよすぎて坂下クンにそっくりでびっくりしたけどっ…て!」

ふぉぉぉっ!

グラナダ様に抱きしめられてる!何?何?ぇえっ何が起きてるの?
おどろきすぎてちょっと残ってた涙まで全部引っ込んだ。

「すまない!本当にすまない…どうやっておまえに詫びればいいのか…頼む、私に償いの機会を与えてはくれないか…」
「償いって…」
「邸に戻ろう、一緒に。そしてはじめからやり直させてくれ。大切にする本当に。今度は間違えない。一生かかってもお前を幸せにすると誓う!」


ぷ、プロポーズの台詞みたいな言葉を聞いて恥ずか死しかけたその時、あってはならないとんでもない光景が目に入った。






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