58 / 112
Chapter 1
55*双子の恋バナ①
しおりを挟む
会話の流れなど関係無く、由佳より突然放たれた言葉に由希は一瞬たじろいだ。
『ところで、由希じゃなくてナタリー的に彼とはどうなの?』
この、彼に当てはまる人なんて、今のところ1人しかいない。
マルクス侯爵家当主【セザール・マルクス】
この人だ。
実は、あの夜会の日、ナタリーはセザールと共に会場を後にしていた。
当初の予定では、入場時と同じく全員で会場を出るつもりだったのだが、あまりにも露骨に獲物を狙うような視線がずっと付き纏っていた為、2人は少し早めに切り上げることにしたのだ。
そう、セザールとナタリーの方が早く会場を出たはずなのだ。
しかし、アシュリーが兄ダニエルと共に戻った時点では、ナタリーはまだ帰ってきていなかった。
結局、ナタリーはアシュリー達よりも少し遅くれて帰ってきたのである。
胸元を抑え、頬を上気させる姿は、正直色気とフェロモンが全開だった。そんな、ナタリーの姿を見たアシュリーは、これは何かあったなと、すぐにピンときていた。
アレキサンダーの衣装のこともあり、すぐに問い詰めたかったが何とか今日まで抑えていたのだ。
「で、本当のところ彼とはどうなの?」
アシュリーも、これで思う存分聞き出せると思ったのか、ストレートに言葉を繋げた。
「あー、実はね…」
そう言って、ナタリーが教えてくれた話は、前世の恋愛観に引っ張られたことが良く分かる内容だった。
「___ほら、あの2人のやり取り聞いた後、お兄様に止められるまで結構ガッツリ聞いたでしょ?根掘り葉掘り…
そうしたら、なんか向こうが気まずくなってしまったみたくて…何度も謝られるし、『未婚のレディに対して…』みたいになっちゃったから、思わずキスしちゃった!」
「おっ!やったじゃん♡」
「フフッ♡」
「で、どこまでしたのかなぁ~?」
嬉しそうに笑うナタリーに対して、アシュリーがニヤニヤしながら"続きが聞きたい!"と促した。
「どこまでって、キスしただけでめっちゃ怒られたわ…」
「…は?
…え?
…なんで?」
「ねー!!そう思うよね!?自分、散々食い散らかしてんじゃん!!って言いたかったわー」
そう言って、ぷんぷんと怒っているナタリーは、アシュリーにセザールが怒った内容を話し始めた。
なんでも、こちら側の世界の常識では、未婚の女性からキスやハグをする事は非常識なことで、恥ずべきことらしいのだ。
もちろん、婚約さえしていればそのような行為をしても問題ないらしい…
ちなみに『え、相手の事が好きでもですか?』と、ナタリーが聞いたところセザールは困った顔をしながら『好きならば婚約すればいい』と答えたらしい。
・・・矛盾しすぎていないだろうか?
アシュリーも、その話に驚きを隠せなかった。
「意味がわからない!」とナタリーに訴えれば、ナタリーも「本当にね…」と呆れ気味に答えた。
「だから、私聞いたのよ?
『先ほどの女性との様な関係を、セザール様と結びたい場合はどうすれば宜しいですか?』って!」
「えっ!?それ、セザール様はなんで答えたの!?」
「驚いた顔をして…
『君は、何を考えている?』って目をまんまるに見開いてたわ~!
だから、わざと首に腕を回して唇を舌で舐め上げながら『こんな関係です』って言ったら、唖然としてた」
「ははっ!そりゃそうでしょ!」
ナタリーの話に、アシュリーは思わず吹き出してしまった。
だって、そうだろう?お互い、中身は30代なのだから…
自分から誘っても、双子としては何も不思議じゃ無い。
寧ろ、それを拒まれる方が正直辛い。
しかし、セザールからすればそうもいかないだろう。
誘われる相手が違うのだ。
今までの様な、後腐れのない相手や未亡人などではない。
セザールよりも若くて…
初々しく(見た目だけは)…
可憐な(見た目だけは)…
乙女なのだ!
(見た目はね!!!)
『ところで、由希じゃなくてナタリー的に彼とはどうなの?』
この、彼に当てはまる人なんて、今のところ1人しかいない。
マルクス侯爵家当主【セザール・マルクス】
この人だ。
実は、あの夜会の日、ナタリーはセザールと共に会場を後にしていた。
当初の予定では、入場時と同じく全員で会場を出るつもりだったのだが、あまりにも露骨に獲物を狙うような視線がずっと付き纏っていた為、2人は少し早めに切り上げることにしたのだ。
そう、セザールとナタリーの方が早く会場を出たはずなのだ。
しかし、アシュリーが兄ダニエルと共に戻った時点では、ナタリーはまだ帰ってきていなかった。
結局、ナタリーはアシュリー達よりも少し遅くれて帰ってきたのである。
胸元を抑え、頬を上気させる姿は、正直色気とフェロモンが全開だった。そんな、ナタリーの姿を見たアシュリーは、これは何かあったなと、すぐにピンときていた。
アレキサンダーの衣装のこともあり、すぐに問い詰めたかったが何とか今日まで抑えていたのだ。
「で、本当のところ彼とはどうなの?」
アシュリーも、これで思う存分聞き出せると思ったのか、ストレートに言葉を繋げた。
「あー、実はね…」
そう言って、ナタリーが教えてくれた話は、前世の恋愛観に引っ張られたことが良く分かる内容だった。
「___ほら、あの2人のやり取り聞いた後、お兄様に止められるまで結構ガッツリ聞いたでしょ?根掘り葉掘り…
そうしたら、なんか向こうが気まずくなってしまったみたくて…何度も謝られるし、『未婚のレディに対して…』みたいになっちゃったから、思わずキスしちゃった!」
「おっ!やったじゃん♡」
「フフッ♡」
「で、どこまでしたのかなぁ~?」
嬉しそうに笑うナタリーに対して、アシュリーがニヤニヤしながら"続きが聞きたい!"と促した。
「どこまでって、キスしただけでめっちゃ怒られたわ…」
「…は?
…え?
…なんで?」
「ねー!!そう思うよね!?自分、散々食い散らかしてんじゃん!!って言いたかったわー」
そう言って、ぷんぷんと怒っているナタリーは、アシュリーにセザールが怒った内容を話し始めた。
なんでも、こちら側の世界の常識では、未婚の女性からキスやハグをする事は非常識なことで、恥ずべきことらしいのだ。
もちろん、婚約さえしていればそのような行為をしても問題ないらしい…
ちなみに『え、相手の事が好きでもですか?』と、ナタリーが聞いたところセザールは困った顔をしながら『好きならば婚約すればいい』と答えたらしい。
・・・矛盾しすぎていないだろうか?
アシュリーも、その話に驚きを隠せなかった。
「意味がわからない!」とナタリーに訴えれば、ナタリーも「本当にね…」と呆れ気味に答えた。
「だから、私聞いたのよ?
『先ほどの女性との様な関係を、セザール様と結びたい場合はどうすれば宜しいですか?』って!」
「えっ!?それ、セザール様はなんで答えたの!?」
「驚いた顔をして…
『君は、何を考えている?』って目をまんまるに見開いてたわ~!
だから、わざと首に腕を回して唇を舌で舐め上げながら『こんな関係です』って言ったら、唖然としてた」
「ははっ!そりゃそうでしょ!」
ナタリーの話に、アシュリーは思わず吹き出してしまった。
だって、そうだろう?お互い、中身は30代なのだから…
自分から誘っても、双子としては何も不思議じゃ無い。
寧ろ、それを拒まれる方が正直辛い。
しかし、セザールからすればそうもいかないだろう。
誘われる相手が違うのだ。
今までの様な、後腐れのない相手や未亡人などではない。
セザールよりも若くて…
初々しく(見た目だけは)…
可憐な(見た目だけは)…
乙女なのだ!
(見た目はね!!!)
17
あなたにおすすめの小説
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる