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火の国【アレース】
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今日も、朝から元気いっぱいの声が王女宮に響き渡った。
そして、何故か不思議なことに、その声は何度聞いても男性の声にしか聞こえない。
それが、何故不思議なのかって…
それは、ここが王女宮だから。
王子宮と違い、王女宮でに関しては基本的に護衛騎士を含めた全員が女性だからだ。
では、この声の主は一体…誰なのか!?
まぁ、その答えは容易に想像できるだろう。
こんな朝早くから王女宮前で叫ぶ男なんて、彼しかいない。
第二王子のゼイン様だ。
シエル王女による最新の双子情報によると…
治癒力の研究の為に、是非ともココを引き入れたい2人は作戦を考えたらしい。
なんでも、夜の弱いゼインが朝にアプローチを!
そして、朝の弱いリアンが夜にアプローチをかける!というもののようだ。
どっちもどっちな気がするのだが、本人達は至って真剣である。
しかし、この作戦…
どうしても、成功しない理由があった。
それは…我らメイドの中、トップ・オブ・トップ!!
総統括様だ。
ここ2~3日、毎朝王女宮の前にて大声を上げている!と報告がなされれば、それは直ぐさま王女宮筆頭から総統括へと報告があがる。
となれば…、王族への対応として出てくる他ない。
そして、総統括の手にかかれば第二王子はもはや赤子をあやすかのように速攻で連れて行かれる。
抵抗する暇も無く、見事なほど一瞬だった。
そして、その様子を影からのぞいていた人物…
双子の片割れであるリアン王女も、顔を真っ青にして「やばい、やばい、やばい…」と、ひたすら連呼を繰り返していた。
そして、翌日からココを呼ぶ声はピタリと止んだ。
他のメイド達の話しによると、なんでも事情を聞いた総統括が怒り狂い王へ直々に交渉しに行かれたらしい。
そして今後二人は…
しばらく総統括預かりとし、次の夜会には二人とも強制参加を義務づけられたそうだ。
その為、現在二人は研究室を立ち入り禁止とされ、他社との交流を育む訓練と称し、総統括の決めたお茶会に参加させられている。元より人見知りの二人にとっては、さぞかし辛い訓練だろう。
ただ、今まで何度も社交をさせようとした結果、引き籠もりに拍車をかけさせてしまったと半分諦めかけていた王と王妃様は、総統括の話しを聞きすぐに二つ返事で喜んで許可を出したそうだ。
更に、王妃様に至っては「そうすれば良かったのね」と言わんばかりに、2人に対し念を押していた。
「王族として、そんなことは無いと信じております。が!!!万が一、当日姿が見当たらなければ、双方の研究所は取り壊します」
「「…‥は?」」
「お、おおおおお、お母様…そ、それは、あまりにも、やっ、やり過ぎではないでしょうか‥?」
「そ、そそそうですわ!そ、そんな何も…壊さなくても良いのではないでしょうか??」
「私はね、今まで貴方たちの人見知りについても理解をしていましたし、そんなに人前に出るのが嫌ならば…と、寛容な心で受け止めてきたのです。
し・か・し!!
何ですか!研究となれば、自ら宮を出て朝早くから周りの迷惑も省みず、大声を出し王女宮の前に居座り近衛兵を困らせる者!
そして、夜遅くに周りが止めるのも聞かず、使用人の棟にまで足を運びメイドに変装までして接触をはかろうとする者!
貴方たちに、そこまでの行動力が備わっているとは想いも致しませんでした。
これだけ動けるのならば、もうこちらが気を遣わなくても十分ですね。
全ての権限を、総統括に委ねます!
一言でも、総統括に逆らえば…研究所は即刻取り壊します。
以上!!後は任せましたよ、総統括!」
「かしこまりました。全ては、王妃様の仰せのままに‥お任せ下さい!」
こうして、双子の地獄の特訓の日々が始まったそうだ。
そして、何故か不思議なことに、その声は何度聞いても男性の声にしか聞こえない。
それが、何故不思議なのかって…
それは、ここが王女宮だから。
王子宮と違い、王女宮でに関しては基本的に護衛騎士を含めた全員が女性だからだ。
では、この声の主は一体…誰なのか!?
まぁ、その答えは容易に想像できるだろう。
こんな朝早くから王女宮前で叫ぶ男なんて、彼しかいない。
第二王子のゼイン様だ。
シエル王女による最新の双子情報によると…
治癒力の研究の為に、是非ともココを引き入れたい2人は作戦を考えたらしい。
なんでも、夜の弱いゼインが朝にアプローチを!
そして、朝の弱いリアンが夜にアプローチをかける!というもののようだ。
どっちもどっちな気がするのだが、本人達は至って真剣である。
しかし、この作戦…
どうしても、成功しない理由があった。
それは…我らメイドの中、トップ・オブ・トップ!!
総統括様だ。
ここ2~3日、毎朝王女宮の前にて大声を上げている!と報告がなされれば、それは直ぐさま王女宮筆頭から総統括へと報告があがる。
となれば…、王族への対応として出てくる他ない。
そして、総統括の手にかかれば第二王子はもはや赤子をあやすかのように速攻で連れて行かれる。
抵抗する暇も無く、見事なほど一瞬だった。
そして、その様子を影からのぞいていた人物…
双子の片割れであるリアン王女も、顔を真っ青にして「やばい、やばい、やばい…」と、ひたすら連呼を繰り返していた。
そして、翌日からココを呼ぶ声はピタリと止んだ。
他のメイド達の話しによると、なんでも事情を聞いた総統括が怒り狂い王へ直々に交渉しに行かれたらしい。
そして今後二人は…
しばらく総統括預かりとし、次の夜会には二人とも強制参加を義務づけられたそうだ。
その為、現在二人は研究室を立ち入り禁止とされ、他社との交流を育む訓練と称し、総統括の決めたお茶会に参加させられている。元より人見知りの二人にとっては、さぞかし辛い訓練だろう。
ただ、今まで何度も社交をさせようとした結果、引き籠もりに拍車をかけさせてしまったと半分諦めかけていた王と王妃様は、総統括の話しを聞きすぐに二つ返事で喜んで許可を出したそうだ。
更に、王妃様に至っては「そうすれば良かったのね」と言わんばかりに、2人に対し念を押していた。
「王族として、そんなことは無いと信じております。が!!!万が一、当日姿が見当たらなければ、双方の研究所は取り壊します」
「「…‥は?」」
「お、おおおおお、お母様…そ、それは、あまりにも、やっ、やり過ぎではないでしょうか‥?」
「そ、そそそうですわ!そ、そんな何も…壊さなくても良いのではないでしょうか??」
「私はね、今まで貴方たちの人見知りについても理解をしていましたし、そんなに人前に出るのが嫌ならば…と、寛容な心で受け止めてきたのです。
し・か・し!!
何ですか!研究となれば、自ら宮を出て朝早くから周りの迷惑も省みず、大声を出し王女宮の前に居座り近衛兵を困らせる者!
そして、夜遅くに周りが止めるのも聞かず、使用人の棟にまで足を運びメイドに変装までして接触をはかろうとする者!
貴方たちに、そこまでの行動力が備わっているとは想いも致しませんでした。
これだけ動けるのならば、もうこちらが気を遣わなくても十分ですね。
全ての権限を、総統括に委ねます!
一言でも、総統括に逆らえば…研究所は即刻取り壊します。
以上!!後は任せましたよ、総統括!」
「かしこまりました。全ては、王妃様の仰せのままに‥お任せ下さい!」
こうして、双子の地獄の特訓の日々が始まったそうだ。
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