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05話
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「やはり送ってきましたか…」
アルベルティーナが座る椅子の傍に控えるサウロが呟いた。
常日頃から表情の無いサウロには珍しく眉間に皺を寄せている。
先程、王宮から使者が訪れアルベルティーナ宛に王妃から直々の招待状が届いたのだ。
アルベルティーナは思案する様に手の中の招待状を弄んだ。
(王妃様は悪い方では無いのだけれど…)
いくら王妃が請おうとも、婚約解消もしくは破棄の撤回をするつもりは無かった。
女王宛に「婚約解消か破棄」を望む手紙を出してしまったし。
(例え出してなかったとしても撤回はしないけど。)
「お茶会には参加されますか? 恐らく婚約の継続を望む話をする為のお茶会ですよ。」
「そうね。それ以外にこのタイミングでの王妃様直々のお茶の誘いなんて思いつかないわ。
あちらも、私がそれに気付く事を承知の上でこのタイミングでしょうしね。
――継続なんて有り得ない。けれど話だけは訊いてあげてもいいかなと思うのよ。
1年近くの間、将来の義母に成り得た方で懇意にして下さったわ。
息子の教育には失敗した様だけど、それ以外は聡明な方よ。」
「――それでしたら、私に否やはございません。それでは出国の準備をこのまま進めさせていただきます。
姫様、絆されないで下さいね? 必ず出国でいいですね?」
眉間の皺はそのままにサウロが念を押してくる。
「――信用ないのね…。出国一択ですわよ、サウロ。愛などないのに絆されもしないわ。
ルシアノ王子を婚約者にと選んだ理由をサウロなら知っているでしょうに。」
「…はい。存じております。しかし――姫様が情が深い方だという事も、このサウロ存じていますので。」
「その情とやらは、私の懐に入れた人間のみにしか湧かないから安心して頂戴。」
サウロをジト目で見た後、呆れた溜息をつくアルベルティーナ。
「サウロ、お茶会への参加を伝える手紙を出してきてくれる?」
手紙を渡すとサウロは一礼し退室した。
お茶会当日。
登城したアルベルティーナは、王宮にあるいくつかの庭園の1つ、王妃専用の庭へ案内された。
この庭へと足を踏み入れるのは二度目。
留学の為に入国した日に、挨拶に登城したアルベルティーナを王妃がお茶に誘った時以来だ。
王妃は薔薇を殊の外愛し、王妃専用の庭は様々な種類の薔薇で彩られている。
ピンクの蔓薔薇で出来たアーチを抜けると、お茶の用意がされた白いテーブルが見えた。
案内されるままに座り心地のいい椅子に腰を下ろす。
アルベルティーナの護衛が少しだけ距離を取り背後に控えた。
白いテーブル周辺には、白と赤とピンクの薔薇が咲き誇り、濃厚な花の香りが時折風に乗り漂う。
個人的には百合の方が好きだが、華やかな薔薇も悪くないなと思っていると、王妃の訪れを告げられる。
「お待たせしたわね。アルベルティーナ」
「いえ、先程来たばかりです。今、素晴らしい薔薇を眺めていた所です。
王妃様の素晴らしい庭園に、また招待して頂けるなんて、光栄です。
有難うございます。」
「ふふっ、季節問わず様々な薔薇を咲かせる事が出来る様に管理してはいるけれど、それでも季節の影響を全く受けない訳ではないのよ。
丁度今は薔薇の季節でしょう?競う様に咲き誇ってくれて、最近は毎日ここでお茶を頂いてるのよ。
アルベルティーナが喜んでくれたのなら、お誘いした甲斐がありましたね。」
「はい、とても癒やされました。花はいいですね。」
王妃専用のメイドが香り高いお茶を淹れ、王妃とアルベルティーナの前に完璧な所作で静かにお茶を置くと下がった。
王妃はお茶のカップを持ち、しばらく香りを楽しんだ後、そっと口をつけた。
王妃がお茶を口にするのを確認した後、アルベルティーナも口をつける。
目上の者からお茶もお菓子も先に口にするのが習わしである。
次期女王といえど、今は王女。アルベルティーナは大国の王女とはいえど、王妃の方が身分は上である。
「…今回のお茶にお呼びした理由は薄々分かっていると判断した上で本題というのかしら……
まわりくどい話は私も嫌いだから、単刀直入に聞くわね。
貴方と息子のルシアノの婚約を解消するというのは真実なのですか?
昨日受け取った者に相違はないということなのかしら。」
「はい。送った通りの事で相違ありません。」
アルベルティーナはきっぱりと言う。
アルベルティーナの決意に溢れた瞳を王妃は真っ直ぐに見つめた。
「そう…本気ですのね。
愚かな息子は貴方に見限られたのね。
学院内での貴方への振る舞いは報告されていました。さぞ不快な思いをさせた事でしょう。
愚息が申し訳ありませんでした……。」
憂いに満ちた顔になった王妃は言い終わるなり頭を下げようとしたのを慌てて止める。
「ま、待ってください!謝罪は受け取りますが、王妃が他国の王女に簡単に頭を下げないでくださいませ!」
王族は滅多に頭を下げてはいけない。他国の王女相手なら尚更に。
この場にいるのは王妃直属の使用人と私の護衛だけとはいえ、誰もいない訳ではない。
例え誰もいなくとも下げさせるつもりはないが。
「国としての謝罪はまた別にさせて貰うつもりよ。
今の謝罪は愚かな息子に育ててしまった親としての謝罪なの。
私が頭を下げた所で貴方に対する振る舞いが無くなる訳ではないけれど…気持ちの問題なのです。」
「充分に伝わりました! 親としての気持ちを受け取りました。頭を下げられるのはやり過ぎです…。
王子の振る舞いを厳しく諌めなかった私にも非はあります。
王配となればルシアノ王子に恋をする自由はありません。
ならば学生の間だけでも恋をさせてあげたいと許していた部分もあったのです。
想定外だったのは1人の方と恋を育むと思って見守るつもりが、多数だっただけで……」
あんな精力的な方だったとは想定外だっただけだ。
王妃は憂いを帯びた目を伏せた。
「私達も同じ様な理由でルシアノの事に口を挟みませんでした。
婚約候補では許せた事でも、婚約者だと許されない事だという事実を我が子可愛さに見ない様にしていたのです。
それがこんなことになろうとは――」
こんなことになろうとは…って解消の事だろうか。
何を言われたって婚約の継続はしない。
どのみち、もうあの男の耳にも入ってるに違いないので、婚約続行は絶対に無理だと思われる。
続行したら今度こそ何を仕掛けてくるか分かったものではない。
あの昏い瞳を思い出し、背筋がぶるりと震えた。
「縁が無かっただけのことです…。
婚姻による縁は結べませんでしたが、留学してこの国の事を学びました。
この国に住む人々を悲しませる事はしたくありません。
これからも両国関係は変わる事なく懇意にしたいと思っています。
ルシアノ王子は友人としてなら好ましく思っていますので、波風を立たせるつもりはないのです。」
「私は、実は貴方の事をとても好ましいと思っていたのですよ。
留学の為に入国して王宮のこの庭で2人でお茶をしたあの日から、未来の娘になることを喜んでいたのです。
こんなことになって……残念に思っています。
とても……とても残念に。」
胸がきゅうっと鳴った。
ルシアノ王子との婚約を解消する時には感じなかった寂しさを、王妃に対しては感じていた。
そこまで残念に思ってくれていたなら、愚息を早い段階で諌めて欲しかった気がしないでもないけれど。
私も同じ様なものだし何も言えない。
「私も、王妃様の娘になりたかった……です。
とても残念でなりません…が、ここまでだと自国の者も婚約の継続に反対するでしょう。
ルシアノ王子は、次期王配としての振る舞いの範疇を越えてしまった――
隠す事なく大っぴらだったので、女王である母にも伝わっているのは間違いありません。
私が婚約の継続を望んでも許されないでしょう。」
「そうですね…。
冷静になれば見えてくる事。ほんの少しだけ縋る気持ちはありましたけれど…
愚息は今謹慎させています。最後に会って行く事はしない方がいいでしょうね…」
「そうですね。お会いしない方がいいと思います。
王妃様、自国へ帰っても時々お手紙をお出ししてもいいでしょうか…?」
ハッとした顔でアルベルティーナを見た後、王妃は嬉しそうに微笑んだ。
「ええ! 勿論です。私も書きますわ。アルベルティーナの手紙を楽しみにしています。」
嬉しそうに微笑み合う姿は仲の良い親子の様だった。
後はこの国の王と、母との間に粛々と解消が進められるだろう。
王妃とのお茶に陛下は最後まで現れる事はなかった。
それから他愛のない事をたくさん語り合いお茶会は修了した。
見送る王妃に心からのお礼を述べ、行きよりは温かい気持ちで馬車に乗り、王城から学院の寮へ帰った。
アルベルティーナが座る椅子の傍に控えるサウロが呟いた。
常日頃から表情の無いサウロには珍しく眉間に皺を寄せている。
先程、王宮から使者が訪れアルベルティーナ宛に王妃から直々の招待状が届いたのだ。
アルベルティーナは思案する様に手の中の招待状を弄んだ。
(王妃様は悪い方では無いのだけれど…)
いくら王妃が請おうとも、婚約解消もしくは破棄の撤回をするつもりは無かった。
女王宛に「婚約解消か破棄」を望む手紙を出してしまったし。
(例え出してなかったとしても撤回はしないけど。)
「お茶会には参加されますか? 恐らく婚約の継続を望む話をする為のお茶会ですよ。」
「そうね。それ以外にこのタイミングでの王妃様直々のお茶の誘いなんて思いつかないわ。
あちらも、私がそれに気付く事を承知の上でこのタイミングでしょうしね。
――継続なんて有り得ない。けれど話だけは訊いてあげてもいいかなと思うのよ。
1年近くの間、将来の義母に成り得た方で懇意にして下さったわ。
息子の教育には失敗した様だけど、それ以外は聡明な方よ。」
「――それでしたら、私に否やはございません。それでは出国の準備をこのまま進めさせていただきます。
姫様、絆されないで下さいね? 必ず出国でいいですね?」
眉間の皺はそのままにサウロが念を押してくる。
「――信用ないのね…。出国一択ですわよ、サウロ。愛などないのに絆されもしないわ。
ルシアノ王子を婚約者にと選んだ理由をサウロなら知っているでしょうに。」
「…はい。存じております。しかし――姫様が情が深い方だという事も、このサウロ存じていますので。」
「その情とやらは、私の懐に入れた人間のみにしか湧かないから安心して頂戴。」
サウロをジト目で見た後、呆れた溜息をつくアルベルティーナ。
「サウロ、お茶会への参加を伝える手紙を出してきてくれる?」
手紙を渡すとサウロは一礼し退室した。
お茶会当日。
登城したアルベルティーナは、王宮にあるいくつかの庭園の1つ、王妃専用の庭へ案内された。
この庭へと足を踏み入れるのは二度目。
留学の為に入国した日に、挨拶に登城したアルベルティーナを王妃がお茶に誘った時以来だ。
王妃は薔薇を殊の外愛し、王妃専用の庭は様々な種類の薔薇で彩られている。
ピンクの蔓薔薇で出来たアーチを抜けると、お茶の用意がされた白いテーブルが見えた。
案内されるままに座り心地のいい椅子に腰を下ろす。
アルベルティーナの護衛が少しだけ距離を取り背後に控えた。
白いテーブル周辺には、白と赤とピンクの薔薇が咲き誇り、濃厚な花の香りが時折風に乗り漂う。
個人的には百合の方が好きだが、華やかな薔薇も悪くないなと思っていると、王妃の訪れを告げられる。
「お待たせしたわね。アルベルティーナ」
「いえ、先程来たばかりです。今、素晴らしい薔薇を眺めていた所です。
王妃様の素晴らしい庭園に、また招待して頂けるなんて、光栄です。
有難うございます。」
「ふふっ、季節問わず様々な薔薇を咲かせる事が出来る様に管理してはいるけれど、それでも季節の影響を全く受けない訳ではないのよ。
丁度今は薔薇の季節でしょう?競う様に咲き誇ってくれて、最近は毎日ここでお茶を頂いてるのよ。
アルベルティーナが喜んでくれたのなら、お誘いした甲斐がありましたね。」
「はい、とても癒やされました。花はいいですね。」
王妃専用のメイドが香り高いお茶を淹れ、王妃とアルベルティーナの前に完璧な所作で静かにお茶を置くと下がった。
王妃はお茶のカップを持ち、しばらく香りを楽しんだ後、そっと口をつけた。
王妃がお茶を口にするのを確認した後、アルベルティーナも口をつける。
目上の者からお茶もお菓子も先に口にするのが習わしである。
次期女王といえど、今は王女。アルベルティーナは大国の王女とはいえど、王妃の方が身分は上である。
「…今回のお茶にお呼びした理由は薄々分かっていると判断した上で本題というのかしら……
まわりくどい話は私も嫌いだから、単刀直入に聞くわね。
貴方と息子のルシアノの婚約を解消するというのは真実なのですか?
昨日受け取った者に相違はないということなのかしら。」
「はい。送った通りの事で相違ありません。」
アルベルティーナはきっぱりと言う。
アルベルティーナの決意に溢れた瞳を王妃は真っ直ぐに見つめた。
「そう…本気ですのね。
愚かな息子は貴方に見限られたのね。
学院内での貴方への振る舞いは報告されていました。さぞ不快な思いをさせた事でしょう。
愚息が申し訳ありませんでした……。」
憂いに満ちた顔になった王妃は言い終わるなり頭を下げようとしたのを慌てて止める。
「ま、待ってください!謝罪は受け取りますが、王妃が他国の王女に簡単に頭を下げないでくださいませ!」
王族は滅多に頭を下げてはいけない。他国の王女相手なら尚更に。
この場にいるのは王妃直属の使用人と私の護衛だけとはいえ、誰もいない訳ではない。
例え誰もいなくとも下げさせるつもりはないが。
「国としての謝罪はまた別にさせて貰うつもりよ。
今の謝罪は愚かな息子に育ててしまった親としての謝罪なの。
私が頭を下げた所で貴方に対する振る舞いが無くなる訳ではないけれど…気持ちの問題なのです。」
「充分に伝わりました! 親としての気持ちを受け取りました。頭を下げられるのはやり過ぎです…。
王子の振る舞いを厳しく諌めなかった私にも非はあります。
王配となればルシアノ王子に恋をする自由はありません。
ならば学生の間だけでも恋をさせてあげたいと許していた部分もあったのです。
想定外だったのは1人の方と恋を育むと思って見守るつもりが、多数だっただけで……」
あんな精力的な方だったとは想定外だっただけだ。
王妃は憂いを帯びた目を伏せた。
「私達も同じ様な理由でルシアノの事に口を挟みませんでした。
婚約候補では許せた事でも、婚約者だと許されない事だという事実を我が子可愛さに見ない様にしていたのです。
それがこんなことになろうとは――」
こんなことになろうとは…って解消の事だろうか。
何を言われたって婚約の継続はしない。
どのみち、もうあの男の耳にも入ってるに違いないので、婚約続行は絶対に無理だと思われる。
続行したら今度こそ何を仕掛けてくるか分かったものではない。
あの昏い瞳を思い出し、背筋がぶるりと震えた。
「縁が無かっただけのことです…。
婚姻による縁は結べませんでしたが、留学してこの国の事を学びました。
この国に住む人々を悲しませる事はしたくありません。
これからも両国関係は変わる事なく懇意にしたいと思っています。
ルシアノ王子は友人としてなら好ましく思っていますので、波風を立たせるつもりはないのです。」
「私は、実は貴方の事をとても好ましいと思っていたのですよ。
留学の為に入国して王宮のこの庭で2人でお茶をしたあの日から、未来の娘になることを喜んでいたのです。
こんなことになって……残念に思っています。
とても……とても残念に。」
胸がきゅうっと鳴った。
ルシアノ王子との婚約を解消する時には感じなかった寂しさを、王妃に対しては感じていた。
そこまで残念に思ってくれていたなら、愚息を早い段階で諌めて欲しかった気がしないでもないけれど。
私も同じ様なものだし何も言えない。
「私も、王妃様の娘になりたかった……です。
とても残念でなりません…が、ここまでだと自国の者も婚約の継続に反対するでしょう。
ルシアノ王子は、次期王配としての振る舞いの範疇を越えてしまった――
隠す事なく大っぴらだったので、女王である母にも伝わっているのは間違いありません。
私が婚約の継続を望んでも許されないでしょう。」
「そうですね…。
冷静になれば見えてくる事。ほんの少しだけ縋る気持ちはありましたけれど…
愚息は今謹慎させています。最後に会って行く事はしない方がいいでしょうね…」
「そうですね。お会いしない方がいいと思います。
王妃様、自国へ帰っても時々お手紙をお出ししてもいいでしょうか…?」
ハッとした顔でアルベルティーナを見た後、王妃は嬉しそうに微笑んだ。
「ええ! 勿論です。私も書きますわ。アルベルティーナの手紙を楽しみにしています。」
嬉しそうに微笑み合う姿は仲の良い親子の様だった。
後はこの国の王と、母との間に粛々と解消が進められるだろう。
王妃とのお茶に陛下は最後まで現れる事はなかった。
それから他愛のない事をたくさん語り合いお茶会は修了した。
見送る王妃に心からのお礼を述べ、行きよりは温かい気持ちで馬車に乗り、王城から学院の寮へ帰った。
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