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27. 幼子の扱いは難しい

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「……はぁー、お嬢様、幼い子供だけでも何人か救出しますか?」

 唐突にジェフリーに戻ったジェフがわたしに尋ねた。

「……そうね。流石にあの子たちが可哀想ね。」

 わたしはジェフリーに合わせてお嬢様に雰囲気を戻し、クルリと5歳未満の泣きじゃくる子供たちに目線を向けて言った。

「ジェフリー、子供たちを助けてあげて。彼らには罪はないもの。」
「仰せのままに。」

 ジェフリーは1度頭を下げた後、音も無く消え、子供を次々と助け始めた。

 わたしはジェフリーによって、わたしの元に送られてきた子供たちの応急手当てをし始めた。
 もちろん、魔法は使っていない。
 わたしは一生わたしの魔法についてジェフリーとフレイアさまを除いた全員に隠し通す気だ。

「うぅー、いたいよー。」
「ままー、ぱぱー。」
「こわいよ、こわいよー。」
「うわぁぁぁん、うわぁぁぁん。」
「ひっく、ひっく、ぼくはへーきだもん、ひっく。」

 助けてられた5人の幼子たちはそれぞれ全く違う反応を見せた。
 けれど、みんな泣いていた。
 昔の弱すぎて何も知らなかった頃のわたしのように無垢な涙を流して泣いていた。

「大丈夫だよ。君たち大丈夫。お姉ちゃんたちとお兄ちゃんが君達だけは守ってあげるから。」

 わたしは子供たちと目線を合わせるためにしゃがみ込んだ状態でジェフリーを見上げて笑いかけた。
 彼は穏やかな人好きのする優しい笑みを浮かべてわたしと同じように子供たちの前にしゃがみ込んだ。

「お兄ちゃん、こう見えても強いんだぞー。」
「……!
 そ、そうそう、ジェフリーはとっても最強なのよ。わたしたちを傷一つ付けずに守り切れるくらいに強いのよー。」

 力拳を作ってニカっと笑ったジェフリーに一瞬見惚れてしまったわたしは慌ててジェフリーの強さをアピールした。

「ひっく、でも、ぼくたちはきずだらけだよ?」
「うぅー、しょ、しょうだよー。」
「ままー、ぱぱー。」
「こわいよー、いたいよー。」
「うわぁぁぁん、うわぁぁぁん。」

 ………傷一つ付けずには傷ついた子供たちの前では言うべきではなかったかもしれない。
 というか、お返事から言って、お話を聞いてくれていたのは2人だけではないのだろうか………?

「………ねぇジェフリー、どうやれば幼子は泣き止むの……?」
「……私に聞かれてもお答えしかねます。」
「………どうしましょう。」
「どういたしましょうね。」

 泣きじゃくり続ける幼子たちを前に、わたしとジェフリーは遠い目をした。

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読んでいただきありがとうございます♪♪♪

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