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84 ミーファの叫び
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それでも尚不信感を抱いている貴族の面々に気がついているミーファは兄を助けるために声を上げた。
「に、兄さまは、いつも父さまや他の兄さま方の事業に猛反対していました!!いくら蹴られても、殴られても、刃物で刺されても、鞭で打たれても、反対し続けました。ずっとお部屋に閉じ込められている母さまはそんな兄さまを心の支えにしていました。お願いします、そんな母さまから兄さまを奪わないで上げてください。まともに生活することすら難しい母さまから、兄さまをっ………!!」
ミーファは泣きながら訴え、最後の最後にむせて酷く咳き込んでしまった。
「………ここまでで多数決を取ろうと思います。彼に減刑を課すべきだと思う者は拍手をお願いします」
会場内には小さな拍手が起こったが、それは半数にも見たなかった。そして手を叩いた貴族は、今回の麻薬騒動の被害をあまり被っていない貴族だけだった。それくらいに、皆がグートハイル男爵家に対して大きな恨みを持っていたのだ。
「わたしに縁談を用意してくれたのも兄さまなのです!暗くて冷たくて痛くて辛くて仕方がないお部屋から出るために、決して父さまの魔の手が届かないお貴族さまのところに嫁がせるために、何ヶ月も睡眠時間を削って探し出してくださったのです!どうか、どうかお慈悲をください………!自らの命ではなく、妹の、レーファの命を懇願した兄に、お慈悲を………!!」
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「に、兄さまは、いつも父さまや他の兄さま方の事業に猛反対していました!!いくら蹴られても、殴られても、刃物で刺されても、鞭で打たれても、反対し続けました。ずっとお部屋に閉じ込められている母さまはそんな兄さまを心の支えにしていました。お願いします、そんな母さまから兄さまを奪わないで上げてください。まともに生活することすら難しい母さまから、兄さまをっ………!!」
ミーファは泣きながら訴え、最後の最後にむせて酷く咳き込んでしまった。
「………ここまでで多数決を取ろうと思います。彼に減刑を課すべきだと思う者は拍手をお願いします」
会場内には小さな拍手が起こったが、それは半数にも見たなかった。そして手を叩いた貴族は、今回の麻薬騒動の被害をあまり被っていない貴族だけだった。それくらいに、皆がグートハイル男爵家に対して大きな恨みを持っていたのだ。
「わたしに縁談を用意してくれたのも兄さまなのです!暗くて冷たくて痛くて辛くて仕方がないお部屋から出るために、決して父さまの魔の手が届かないお貴族さまのところに嫁がせるために、何ヶ月も睡眠時間を削って探し出してくださったのです!どうか、どうかお慈悲をください………!自らの命ではなく、妹の、レーファの命を懇願した兄に、お慈悲を………!!」
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