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81 皇女は暴く
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「近年、麻薬の中毒者が多発するという案件があったのを皆はご存知か?」
セレスティアが表情を取り繕って聞いた質問に、貴族諸侯は揃って頷いた。
「ヴォランティアン伯爵、そなたの領はクスリの影響を大きく受けていたな」
「はい。近年の被害は類い稀なるもので、これ以上の被害者は出すまいと尽力していましたが、トカゲの尻尾切りでして捕まえても捕まえてもクスリにやられてまともな精神状態じゃないか、末端すぎて上が誰なのか全く知らなかったか、自害してしまってなかなか主犯に辿り着けないんのが悩みだったのですが………、まさかその者が主犯だというのですか?」
「あぁ、」
「ち、違う!!」
怒りの形相でヴォランティアン伯爵はグートハイル男爵を睨みつけた。グートハイル男爵はいい意味でも悪い意味でも正直なようだ。嘘をつく時に必ず目が泳ぎ、冷や汗を流し、言葉が少し裏返る。街中のガキ共の方がまだ上手に嘘をつくことができるだろう。
「諦めろ、男爵。麻薬の原材料を育てる畑も、加工する工場ももう差し押さえてある。これがその証だ」
セレスティアはピラリと皇帝の判子が大きく押された許可に関する書類2枚を前に突き出した。
「そして、男爵夫人に関しても先程保護するように命令を落とした」
「くそっ!!クソ、クソクソクソクソクソクソクソクソクソおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」
「………僕たちも連座なのですよね」
叫び声を上げる男爵の横から、弱々しそうな次男が聞いた。書類にも記載があったがこの男も虐待を受けていたらしい。顔に化粧で上手に隠してあったが痛々しいあざがあるし、腕にも手首には掴まれた跡が見える。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
セレスティアが表情を取り繕って聞いた質問に、貴族諸侯は揃って頷いた。
「ヴォランティアン伯爵、そなたの領はクスリの影響を大きく受けていたな」
「はい。近年の被害は類い稀なるもので、これ以上の被害者は出すまいと尽力していましたが、トカゲの尻尾切りでして捕まえても捕まえてもクスリにやられてまともな精神状態じゃないか、末端すぎて上が誰なのか全く知らなかったか、自害してしまってなかなか主犯に辿り着けないんのが悩みだったのですが………、まさかその者が主犯だというのですか?」
「あぁ、」
「ち、違う!!」
怒りの形相でヴォランティアン伯爵はグートハイル男爵を睨みつけた。グートハイル男爵はいい意味でも悪い意味でも正直なようだ。嘘をつく時に必ず目が泳ぎ、冷や汗を流し、言葉が少し裏返る。街中のガキ共の方がまだ上手に嘘をつくことができるだろう。
「諦めろ、男爵。麻薬の原材料を育てる畑も、加工する工場ももう差し押さえてある。これがその証だ」
セレスティアはピラリと皇帝の判子が大きく押された許可に関する書類2枚を前に突き出した。
「そして、男爵夫人に関しても先程保護するように命令を落とした」
「くそっ!!クソ、クソクソクソクソクソクソクソクソクソおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」
「………僕たちも連座なのですよね」
叫び声を上げる男爵の横から、弱々しそうな次男が聞いた。書類にも記載があったがこの男も虐待を受けていたらしい。顔に化粧で上手に隠してあったが痛々しいあざがあるし、腕にも手首には掴まれた跡が見える。
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