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50 皇后が飲んだ毒

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「話しを戻すけれど、お母様はそんなぽややんな感じだから、毒薬を自分で作るのは不可能。そして、お母様の服毒事件の起こる前の2年の間にお母様が毒になり得る商品の購入はなかった。あぁ、それはお母様の付近に控える侍女にもね。ねぇ、ここまで言えば、お母様が自ら望んで服毒が不可能までとはいかないけれどとても難しいことは明白よね?」

 会場内の人間は、再びアリスティアの断罪という名の名演説に夢中になった。引き込まれる声、仕草、間の開け方、全てにおいて彼女は1度霧散した注意を引き戻すことにおいて完璧だった。

「そこまで行ったところで、セレスは違うところに目を向けたの。そう、それはお母様が飲んだ毒について」
「母上の亡くなり方は不思議だった。何故ならお母様が煽ったとされている毒がボツリヌストキシンだったからだ。ボツリヌストキシンは最低でも服毒から亡くなるまでに8時間かかるんだ」

 セレスティアとアリスティアの言葉に、グランハイム公爵の顔色はどんどん悪くなっていく。

「確かに亡くなったお母様のお身体から検出された毒はボツリヌストキシンだったわ。これは色々な国に検体を回して調べてもらっているから間違いない。でも、さっきも言った通りこの毒は服毒してから亡くなるまでに時間がかかるはずなのよ」

 アリスティアはにっこりと笑って首をこてんと傾げた。

「でもあなたはその矛盾に気が付かなかった。だって、元々あなたが用意していた毒はトリカブトだったもの」
「っ!?お、2人は先程から、な、何をおっしゃられているのですか!!」

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読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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