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15 皇女の絶叫
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「父上もお聞きになったはずです。あの子のどうにもならない盛大なやらかしを!!」
「そうだな」
父親の軽い返事に、セレスティアは激しい怒りを覚えた。
(父上は国のことを何も考えていない!!)
皇后たる母親が亡くなってから、皇帝たる父親は酒を飲む回数が増えた。愛が故に、先に逝かれた事が辛かったのだろう。2人は非常に仲睦まじい夫婦だった。互いが互いの事を常に考えて、依存して支え合っていた。
「あの子がこの国の頂に立てば、この帝国は滅びてしまいます!!」
「………お前はどうしても皇位に就くというのか?」
「何がおっしゃりたいのでしょうか」
「私はお前に皇位に就いてほしくない。ミシェルと結婚できれば位などどうでもいいのだろう?結婚させてやる。だから、皇位は諦めろ」
父親はグイッとアルコール濃度の高いウィスキーをなんの躊躇いもなく大量に煽った。
「お辞めください、父上!!」
セレスティアは父親の手を押さえて悲鳴のような声を上げた。
「もうお酒はお辞めください。これ以上はお命に関わります」
「フロンティアがいないこの世界にもう用なんてない」
投げやりに放った言葉に、セレスティアは父親の腕を握ったまま泣いて崩れ落ちた。
「………おとーさま、………お願いだから、セレスを置いて逝かないで………」
「………………………」
「おかーさまみたいにセレスを置いて逝かないで!!」
幼子のような絶叫に、父親は困ったような威厳も何もない表情を浮かべてセレスティアの頭を優しく撫でた。
「セレスは本当にフロンティアにそっくりだな」
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「そうだな」
父親の軽い返事に、セレスティアは激しい怒りを覚えた。
(父上は国のことを何も考えていない!!)
皇后たる母親が亡くなってから、皇帝たる父親は酒を飲む回数が増えた。愛が故に、先に逝かれた事が辛かったのだろう。2人は非常に仲睦まじい夫婦だった。互いが互いの事を常に考えて、依存して支え合っていた。
「あの子がこの国の頂に立てば、この帝国は滅びてしまいます!!」
「………お前はどうしても皇位に就くというのか?」
「何がおっしゃりたいのでしょうか」
「私はお前に皇位に就いてほしくない。ミシェルと結婚できれば位などどうでもいいのだろう?結婚させてやる。だから、皇位は諦めろ」
父親はグイッとアルコール濃度の高いウィスキーをなんの躊躇いもなく大量に煽った。
「お辞めください、父上!!」
セレスティアは父親の手を押さえて悲鳴のような声を上げた。
「もうお酒はお辞めください。これ以上はお命に関わります」
「フロンティアがいないこの世界にもう用なんてない」
投げやりに放った言葉に、セレスティアは父親の腕を握ったまま泣いて崩れ落ちた。
「………おとーさま、………お願いだから、セレスを置いて逝かないで………」
「………………………」
「おかーさまみたいにセレスを置いて逝かないで!!」
幼子のような絶叫に、父親は困ったような威厳も何もない表情を浮かべてセレスティアの頭を優しく撫でた。
「セレスは本当にフロンティアにそっくりだな」
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