仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪

83 双子は読める

「まず魔法とはっていうところなんだけど………。アイリスとアキレスって文字読める？」

　アイリスはできる？とアキレスに首をこてんと傾げたが、アキレスも同じことを考えていたのかアイリスに向けて首を傾げてアイリスのことを見つめていた。2人してそんな状況なことに苦笑したルーカスは、おっとりとした仕草で革の丁装の本を取り出した。

「ひとまずだけど、これは読めるかな？」

　じっと本の表紙見つめていると、アイリスの視界に映っていた筆記体のようなすらすらと綴られた印象の文字がぐにゃぐにゃと歪み始め、やがては見慣れた日本語のような感じがした。そして、視界に『魔法学入門書』という文字が表れているような気がした。それはアキレスも同様だったようで、彼は目をキョトンと見開いてぱちぱちと瞬きをした後、ごしごしと目を擦ってから凝視していた。
　アイリスとアキレスは目を合わせてからこくんと1つ頷き合った。

「「まほーがくにゅーもんしょ」」

　声はピタッと揃っていて、アイリスとアキレスの視界に同じものが写っていたことを示していた。ルーカスはそんなアイリスとアキレスに驚いたような表情をしたあと、穏やかに微笑んだ。

「すごいね。5歳でこんなに難しい文章まで読解できるんだ。この調子だったら古語や異国語も問題なさそうだね。幼少期の頭が柔らかいうちにさっさと学んでしまった方が良さそうだ」
「？」
「これってそんな難しいの？」

　率直に疑問を解決したいアキレスは、ルーカスに向けて怖気付くことなく質問をする。前世でもアキレスは先生によく質問をしに職員室に行っていた。アイリスは職員室という場所が苦手でよく逃げていたのだが、アキレスはそういう大人と討論できる場所こそが得意だった。双子なのにも関わらず大きな違いで、アイリスはとても悔しかったのを覚えている。

　ーーーアキレスばっかり強くてずるい。

　ぷくぅーっと頬を膨らませながらも、アイリスは疑問を答えてくれるルーカスに耳を向ける。

「この本はだいたい普通よりも賢い子が8歳くらいから四苦八苦しながら使う本かな。………僕は3歳の時には絵本代わりにしてたけど」
(………第2王子ってもしかしなくとも変態？)
(ただの魔法狂なんじゃないか？もしくは………、)

　ーーー圧倒的な天才

　お互いに決して心の声にすら出さなかった。けれど、しっかりと理解していた。彼が本物の身震いするくらいの天才であると。

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