仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪

桐生桜月姫

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82 双子は宣言する

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「では、ひとまずは僕からの授業で構いませんか?父上。今日は母上も兄上もアンドリューも皆用事が詰まっているでしょうしーーー………、」

 双子が少し放心している隙に、教師役どころか時間までもが決まり始めてしまっていた。あまりの事態に眩暈がしてきそうだ。というか、実際にアイリスは話について行けていない。どうにかこうにかついていっているアキレスに至っても、話に割り込む隙を見失ってしまっていた。

(これはやばいな………)
(どうして?)
(簡単に言えば、1日中王族の連中が僕たちの周りにはっつく日常に変化するという事だ)
(えっ、………確かにやばいかも)
(だろう?でもどうしたら………)

 アイリスとアキレスは手持ち無沙汰なのが寂しくて、お皿に残っていた葡萄をいじいじと触りながら、必死になって考え込んだ。けれど、考えれば考えるほどに思考は堂々巡りをしていい案なんてまったく思い浮かばない。

「ーーーでは任せたぞ、ルーカス」
「承知いたしました、父上」

 穏やかに微笑んだルーカスは今日も今日とて顔色が絶不調だ。よろよろと立ち上がって双子の前に膝を折って座った彼は真っ青な顔色でにこりと微笑んだ。

「今日からは僕が君たちに魔法を教えるね。空き部屋でこのまま授業に入ってもいいかな?」

 優しく安心させるような笑みに声音、そして目線を合わせるという気遣いを受けて、双子は申し訳なさに顔を見合わせた。

(こんな顔色になっていてまで僕たちに授業をしてくれようとしているんだし、1回は受けた方がバチが当たらないよな)
(そ、そうよね。よし。そうと決まったら、ばっちり魔法が使えるようになりましょう!)
(あぁ)

 ぎゅっと手を繋いで椅子からぴょんと飛び降りたアイリスとアキレスは、にこっと笑って彼の昨日出会った際にされた“お願い”を聞いてあげることにした。

「すぐに授業でいいよ」
「ばっちり学んで第2おーじ殿下を」
「「びっくりさせてあげるんだから」」

 ビシッと指差して、にかっと歯を出して笑った。
 それを受け、ルーカスは一瞬だけ驚いたような表情をした後、ふわっと穏やかに微笑んだ。

「出来るといいね」

 絶対的な自信に満ち溢れているルーカスは、よっぽど魔法が得意らしい。頼もしい先生だと頬が緩むのを抑えられないアイリスは、ぎゅっと痛いくらいに強く手を握ってきたアキレスに不満の視線を向けながら、ルーカスとアキレスと共に空き部屋へと入ったのだった。

******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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