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69 双子は向かう
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「貴様ら!俺の可愛いちびっ子になにしやがんだ!!貴様らの家なんか!俺が今から行って、全部ぶっ壊してやる!!」
『ひいぃっ!!』
((え………?))
意気揚々と述べた“自称お兄さま”の叫びに、双子は目をぱちくりとさせた。まさかの展開に、思考がショートしてしまい、双子はお互いの思考を補うように心の中で会話をし始める。
(ぶ、)
(ぶっ壊すの………?)
(お家への謝罪とか、爵位関係じゃなくて、)
(ぶ、)
(ぶっ壊すの………?)
((ええええぇぇぇぇ!?ぶっ壊すのおおおぉぉぉ!?))
まさかの脳筋王子発言に、頭が理解すればするほどに、どんどん思考の渦がどん底にすっ転んでいく状況に、アキレスは頭を抱え、アイリスは放心状態に陥った。
(………これ、もしかしなくとも、)
(やばい系よね?)
(僕、ちょっと頑張った方がいい系?)
(そう思う)
アキレスはぐっと唾を飲み込んで、ちょんちょんと“自称お兄さま”のお洋服の袖を引っ張る。
「ぼく、もうこいつらの相手するのめんどーになったから、お茶がしたいです」
「わ、わたしも!!」
ニコニコと引き攣った笑いを浮かべる双子に気が付かず、第3王子は嬉しそうに微笑んだ。
「そうだね!!俺も一緒にお茶がしたいって思ってたんだ!!なんだって、俺はお兄さまなんだからっ!!」
「「………………」」
(ねえ、この面倒臭いやつどう処分したらいいと思う?)
(………わたしに聞かないで、アキレス)
双子は心の中で話し合うと、顔面蒼白な子どもたちを置き去りにして第3王子に連れられるがままに、お茶のできる花がたくさん咲き誇っている温室へと向かった。
薔薇、水仙、牡丹、百合、椿、竜胆、桜、金木犀。全てが乱雑に咲き誇る季節はずれも甚だしい、けれど不可思議な輝きが漂う幻想的な空間。双子はそんな温室の中に入った瞬間に、ぶわっと目を見開いた。ありえないくらいに美しい光景。この世のものとは到底考えられない光景。
(………きれー、)
(………そうだね、)
双子はふわっと笑って手を繋ぐ。
この世のものとは思えない美しい光景の世界。この世界が2人だけのものであることを望むかのように、双子は意識の中から第3王子のことを捨て去った。
********************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
『ひいぃっ!!』
((え………?))
意気揚々と述べた“自称お兄さま”の叫びに、双子は目をぱちくりとさせた。まさかの展開に、思考がショートしてしまい、双子はお互いの思考を補うように心の中で会話をし始める。
(ぶ、)
(ぶっ壊すの………?)
(お家への謝罪とか、爵位関係じゃなくて、)
(ぶ、)
(ぶっ壊すの………?)
((ええええぇぇぇぇ!?ぶっ壊すのおおおぉぉぉ!?))
まさかの脳筋王子発言に、頭が理解すればするほどに、どんどん思考の渦がどん底にすっ転んでいく状況に、アキレスは頭を抱え、アイリスは放心状態に陥った。
(………これ、もしかしなくとも、)
(やばい系よね?)
(僕、ちょっと頑張った方がいい系?)
(そう思う)
アキレスはぐっと唾を飲み込んで、ちょんちょんと“自称お兄さま”のお洋服の袖を引っ張る。
「ぼく、もうこいつらの相手するのめんどーになったから、お茶がしたいです」
「わ、わたしも!!」
ニコニコと引き攣った笑いを浮かべる双子に気が付かず、第3王子は嬉しそうに微笑んだ。
「そうだね!!俺も一緒にお茶がしたいって思ってたんだ!!なんだって、俺はお兄さまなんだからっ!!」
「「………………」」
(ねえ、この面倒臭いやつどう処分したらいいと思う?)
(………わたしに聞かないで、アキレス)
双子は心の中で話し合うと、顔面蒼白な子どもたちを置き去りにして第3王子に連れられるがままに、お茶のできる花がたくさん咲き誇っている温室へと向かった。
薔薇、水仙、牡丹、百合、椿、竜胆、桜、金木犀。全てが乱雑に咲き誇る季節はずれも甚だしい、けれど不可思議な輝きが漂う幻想的な空間。双子はそんな温室の中に入った瞬間に、ぶわっと目を見開いた。ありえないくらいに美しい光景。この世のものとは到底考えられない光景。
(………きれー、)
(………そうだね、)
双子はふわっと笑って手を繋ぐ。
この世のものとは思えない美しい光景の世界。この世界が2人だけのものであることを望むかのように、双子は意識の中から第3王子のことを捨て去った。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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