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第24話 ユニーククエスト

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ユニーククエストとは、ATO内に存在するクエストの種類の1つで、ユニーククエスト1つにつき1人のプレイヤーしかクリアできず、誰か1人がクリアしたら2度と発生しないクエストである。

また、クエストが発生する条件が不明なためユニーククエストに巡り会えること自体がかなり幸運なことである。

(おぉ!会社で修斗からユニーククエストのことは聞いてたけどまさか出会えるとは!)

そう、会社で雑談していた時にたまたまその話題が出てきていたため、ATOを始めたばかりのトーシンもユニーククエストのことを知っていたのである。

「あの、ラリウスさん。」

トーシンは、期待に胸を膨らませながらラリウスに話しかける。

「おぉ、トーシン!待ってたぜ!」

ラリウスが、いつもと違いトーシンの名前を呼びながら返事をする。

「昨日預けてた、コボルトメタルはどうですか?」

「あぁ、それなんだがな。結果から言うと、全くダメだ。わかったことといえば普通の加工方法じゃあ、絶対加工できないってことだけだ。」

「なるほど。」

「そこでなんだがな、商業都市メルナに俺の恩人の賢者ディアスって人がいるんだが、その人にコボルトメタルについて聞いてきてくれないか?あの人なら、何か知っているとは思うんだがな。」

そうラリウスが言うと、トーシンの目の前に画面が現れる。

ーーーーーーーーーーーーーー
ユニーククエスト
コボルトメタルの加工せよ!
推奨Lv???

クエストを受けますか?
<YES>
<NO>
ーーーーーーーーーーーーーー

(推奨Lv???、こんな表示初めて見たな。まぁ、せっかくのユニーククエストだから受けないって選択肢はないけどね。)

そう考え、YESを選択する。

「おお!引き受けてくれるか!ありがとよ、トーシン!」

そう言って、ラリウスは大喜びする。

「それで、そのメルナってとこはどこにあるんですか?」

「あぁ、メルナはアルカドラ大平原を抜けた先にある街だよ。」

「それなら、ちょうど良かったです。これから、そこのが道中に出たモンスターを討伐しに行くとこなんです。」

「そうだったのか。それじゃあ、気をつけろよ。そいつは、毒攻撃して来るって噂だからな。」

「そうだったんですね。情報助かります。」

「ハハッ、いいってことよ!」

そう言って、ニカッとラリウスが笑う。そして、トーシンはそんなラリウスにお礼を言って武具屋を後にする。

その後、トーシンが向かったのは道具屋だった。

(回復薬を買い込まないといけないから来るつもりではいたけど、今回のターゲットが毒を使うなら解毒薬も買い足さなきゃだよな。)

「あの、すみません。」

「あぁ、探索者さんですか。今日は、どうしたんですか?」

「えっと、回復薬と解毒薬を購入したいんですけど、いくらですかね?」

「回復薬は、1つ50ルド。解毒薬は、1つ75ルドですね。それから、10個まとめて購入されると1個分値引きさせていただきます。おいくつ購入しますか?」

「じゃあ、回復薬を30個と解毒薬を20個でお願いします。」

「かしこまりました。それでは、合計で2700ルドでございます。」

トーシンは、道具屋に言われた通りの金額を支払い、商品を受け取る。そして、道具屋を後にしようとした時、ふとトーシンの頭に気になることが浮かぶ。

(そういえば、道具屋にもラリウスさんみたいな名前があるのかな?)

「あの、道具屋さんの名前ってなんて名前なんですか?」

トーシンは、気になったので聞いてみた。

「急に、どうしたんですか?」

道具屋は、少し驚いたような顔をしながら言う。

「あ、いやその、実はさっき武具屋の親父の名前がラリウスってのを知りまして、それで道具屋さんの名前も気になりまして。」

「それは、ラリウスが自分で名乗ったんですか!?」

道具屋が、さっきよりも驚いた顔で聞いてくる。

「えぇ、そうです。そういえば、まだ名乗ってなかったなって言って教えてくれました。」

「そうですか。ふふっ。まさか、彼が自分から名乗るとは…。わかりました。私の名前は、ルーメントです。これからもよろしくお願いします。」

そう言って、ルーメントはトーシンに握手を求める。

「はい!俺は、トーシンです。こちらこそこれからもよろしくお願いします。」

そう言って、トーシンは差し出された手を握り、握手を交した。
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