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第四十六話
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昨日の誕生パーティーは大盛況だった。
初めての試みとしては大成功だったと言えるだろう。
パーティーが終わってから、ユキを抱かせてもらった。
正常位と騎乗位で合計四発中出しした後、後背位で攻めてたらユキが失神してしまった。
回復魔法を施した所でサナが来てくれたので、サナに正常位で一発付き合ってもらった。
本当はサナとユキとの3Pを期待したところだったけど
「お誕生日のセックスを楽しまれてるお二人の邪魔はしたくなかったんです」
と言っていた。サナらしい遠慮の仕方だな。
起床時は、今日もサナのフェラチオで目覚める。
「おはよう、サナ。今日もありがとう。気持ちいいよ」
「じゅっぽ♡ ダーリン、おはようございます。今日も気持ち良くなってくださいね♡」
右手で肉棒をシコシコと扱いて左手で袋を優しくニギニギしながら、とってもいい笑顔で応えてくれる。本当に幸せだ。
今日も可愛いお口にたっぷりと射精する。
その精液をサナは今朝も変わらず全て飲み干してくれる。
「美味しかったです♡ おかげさまで、今日も元気いっぱいです!♡♥」
また可愛らしい『フンスッ』を見せてくれる。本当にどちゃくそ可愛いなぁ。
今朝も美味しい朝食を済ませて、エリスたちに同行してキオトの街に向かう。
一昨日エリスが到達した場所まで転移魔法で行くのだが、高機動車も一緒に転移できるか実験してみることにした。
「馬車も一緒に転移することはよくあることなので、大丈夫だと思いますよ」
とユキもミクも言ってくれていたのだが、本当に上手く転移できた。
キオトに続く街道を走らせる。『街道』と言うだけあってちゃんと整備されているが、魔物や魔獣も出現する。
その魔物どもを、その度に車を止めてエリスたちの射撃訓練も兼ねて撃破して行く。
遠くに離れている魔物も、小銃を使用して狙撃する。
手本を示してあげてエリスにも挑戦してもらう。
最初は何発か外したが、ユキが支援魔法で幸運値を底上げすることを提案してくれて、試してみたら一発で当たる様になった。
ミクも素早さを底上げする強化魔法をエリスや自分自身に使って、近接戦に挑んでくれている。
本当に『魔法戦士』の様相になって来たが、銃に頼る攻撃ではなく、体術も加えた方が良いだろう。今後の鍛錬の日に教えてあげよう。
生理中なのであまり無理はしないで欲しいところだが、いつもの動き難い生理用品に比べると楽に動けるらしくて感謝してくれた。
休憩中に一度日本の自宅に戻る。
電話を一本掛けたかったからだ。
電話の相手は以前の店の常連客だった人物で、宝石商を営んでいる。
その人に採れたダイヤの原石を買い取ってくれる人物を紹介してもらおうかと思ったんだ。
携帯に電話をするとすぐに応対してくれて「私で良ければ拝見しますよ」と言ってもらえた上に、「今日はヒマなので、いつでもどうぞ」とまで言ってくれた。
後ほどお伺いしてみようと思う。
遠くにキオトの街が見える丘の上まで到達して、今日の同行を終了する。
「強い魔物や敵の数が多すぎる時は、いつでも召喚するんだよ」
車が有ると異界の窓での移動が困難なので、屋敷まで転移魔法で送ってもらって再び送り出した。
屋敷に入るとサナの熱烈なお出迎えが待っていた。
「おかえりなさいませ♡ お疲れ様でした♥」
とキスをしてくれたので、暫しディープなキスを堪能させてもらったが、何度キスを繰り返しても飽きないなぁ。
「サナ、これから向こうの世界に行って、商売をしてくるよ。お昼には一度戻るから、昼ご飯は一緒に食べよう」
「はい♡ お昼ご飯の準備をしておきますね。その後はまたお出掛けですか?」
「うん。あっちの世界で人に会わないといけないんだ。あっちの世界で俺に連絡が付かなくて困ってるって言うから」
「そうなんですね。ずっとこちらにいらっしゃいますもんね」
「死んだと思われかねないし、たまには顔だけでも出しておくよ」
「それがよろしいですね。ダーリン…、まさかと思いますが、女性ではないですよね?」
ギクリ…。サナ、なかなか鋭いな。
屋敷内の女性とは恋愛や結婚をしたりエッチしたりするのは構わないけれど、屋敷の外に女を作らない約束だからな。
でも、これから会うのは元従業員なだけで、女として会うわけではない。
決して邪な感情で会うわけではないから心配しないで欲しい。
その旨を有らん限りのボキャブラリーを用いて説明した。
「解りました。そのようなご事情が有られるのなら仕方ないですね。でもダーリン、もしも浮気なんてなさったら…」
「なさったら…?」
「暫く口を聞いてあげません!」
俺の頬を軽く抓りながら、揶揄うような口調で言う。可愛い。
でも、浮気の代償が口を聞いてくれないだけだなんて、優しすぎるぞ。
「安心して。俺はサナを裏切らない」
そう言ってもう一度サナとのディープなキスを堪能した。
「じゃあサナ、ちょっと出掛けて来るよ」
いつものようにサナに着替えさせてもらって『異界渡航』の窓を開く。
今日は商売で出向くので、一応用意しておいた私服のグレーのスーツだ。
「いつもの正装とはまた違う雰囲気で素敵ですね♡」
俺の背中にそっと抱き付いて、そんな嬉しいことを言ってくれる。
「誰に褒められるより、サナが褒めてくれるのが一番嬉しい」
振り返ってキスをして
「行ってくるね」と言って、自宅のリビングに入った。
サナから貰った巾着袋にダイヤモンドの原石を入れて持って来たけれど、流石にこの量の原石を持ち込むのは無茶だろう。
家に有った袋に幾つか移して持って行くことにしよう。
約束した相手の店は自宅から車で十分ほどの場所だけど、早々に用事を済ませて戻って来よう。
その方がサナとゆっくり食事を楽しめるだろうから。
店に入って挨拶をして、店主に取り次いでもらう。
店内の商品を眺めて待っていたが数分も待つことなく部屋に呼ばれたので、世間話をしてから原石を見せた。
「これは…なかなか質の良い原石ですね」
じっくりとルーペで眺めた後、店主はおもむろに口を開いた。
「そうですか。それは良かったです」
「安田さん。この原石を当店にお譲りいただくことは出来ますか?」
おっ、これは感触良さそうだぞ♪
「勿論です。こちらも商売ですので、適正な値付けをしていただけるのなら喜んで。ただ、暫くの間は現金取引でお願いします。」
「お持ちいただけるのは今回限りではない…、ということしょうか?」
「ええ。ご要望いただければ、今後も安定して供給することが可能ですよ」
ミコトさんと契約することになってるし、基本的に庭で拾って来るだけだからな。
「なるほど…。では、今回はこのお値段でいかがでしょう?」
店主が示した電卓には四百五十万円の数字が表示されていた。
一瞬吹き出しそうになったが、ここは努めて冷静に振舞う。
持って来た原石はほんの一握り分くらいでしかない。
自宅にはその数十倍以上の量が巾着袋に入れて保管してある。それでこの値段かよ。
「そうですか…。私も今回は少々無理をしてこの原石を手に入れたのですが…」
そりゃもう。『拾い上げる』という重労働をしましたとも。
「わかりました!では、こちらでいかがですか?」
店主が再度示した電卓の表示は五百万円に訂正されていた。
「よろしいのですか?」
「品質、色あい、大きさ、全て文句の付けようがありません。その上この量ですから…。今後もお取引いただきたいので、頑張らせていただきます。どうか宜しくお願い致します!」
正直に言ってダイヤモンドの相場なんて知らないが、拾って来た物に値段を付けてもらうんだ。
あんまり無茶を言って嫌われる必要もあるまい。
「解りました。では、お取引成立ということで」
ここでガッチリと握手を交わす。
「実はこんなにお持ち込みいただけるとは思っていなかったので、現金が四百五十万円しかないのです。銀行に下ろしに行く時間をいただければご用意致しますが、いかがしましょうか?」
なるほど。手持ち金の全てだったわけか。それでもこれは商売だ。甘い顔はしない。
「では、次のお取引の時に残りの分を一緒にお願いできますか?」
「はい。それでよろしければ助かります」
契約書を交わした際に、残り金額のことも記載してもらった。
「次はいつ頃お持ちいただけそうですか?」
全く…欲しがりだな。店主さんよ。
「そうですね。明後日には今日の倍くらいの量の原石をお持ちできますよ」
そう言ったら、店主の目の色が変わった。
その様子からこの原石の質は本当に相当高いことが窺える。
「畏まりました。明後日、今度は現金をキチンとご用意してお待ちしております」
スタッフ全員に見送られて店を後にする。
思いのほか取引がスムーズに進んだし現金が手に入ったので、少しだけ寄り道をしよう。
午後からは未希と会う予定が有るし、ゴネられて出掛けられなくなると困るからな。
まず立ち寄ったのは和菓子屋だ。今日のデザートのどら焼きを買おうと思う。
色々な種類が有って少し悩んだが、通常のどら焼きとクリームどら焼き、抹茶どら焼きを五つずつ買って持ち帰ることにした。
その次に業務用スーパーにも立ち寄る。サナのためにケーキを作る材料を買うためだ。
必要そうなのや思い付く材料を片っ端からカゴに入れ、他にもあちらの世界には無いチョコレートなどもカゴに入れる。
あちらの世界にはイチゴも無いようなので、買っておこう。
ショートケーキを作れるだけの材料が有れば、サナほどの腕前が有れば一度食べたショートケーキの再現くらいは簡単にやってくれそうに思う。
レジに行くとそこそこの金額にはなったけど、問題ない。
自宅に戻って、まずは残りの原石と現金を書斎の金庫に入れておく。
セキュリティー付きの家とは言え、泥棒が入る可能性もあるしな。
飲食店舗跡の厨房に行って、ダンボール箱に調味料などをポンポンと入れて行く。
サナが欲しがっていたケチャップや、あちらには無かった便利な物を詰める。
使い方なんかは後々教えてあげればいい。サナと料理をするのは楽しいし。
そのダンボール箱を『異界渡航』の窓から屋敷の自室に運び込み、ガレージに行って愛車の中に置いたままの買って来た品物を持って行けるようにしてあちらの世界に行く。
「サナ、ただいま」
窓から上半身だけを出して、キッチンにいたサナを後ろから抱き締める。
「おかえりなさいませ。ダーリン」
振り返って激しめのキスをしてくれる。
「淋しかったかい?」
「はい。ダーリンがいらっしゃらないと、やっぱり淋しいです」
俺の頭をギュッと大きなおっぱいに抱きかかえてくれる。
柔らかい…。そしていい香りだ。
窓を抜け出してそのおっぱいに顔を埋めたまま、両方のたわわを揉み、服の上からキスの雨を降らせる。
「あん…♡ ダーリン…♡ エッチしたくなっちゃいます…♡」
望むところと言いたいが、昼食を済ませたら日本に戻らなくてはならない。
「俺が帰えるまでに夕食の準備を済ませておいてよ。出来るだけ早く帰るから、それからセックスしよう」
「解りました…。約束ですよ♡」
エッチの代わりに舌を絡め合ってお互いの唇を舐め回しまくった。
今日の昼ごはんは、昨日のバーベキューで残った食材を使って作ってくれた焼きそばだ。
「昨日と同じ物で申し訳ないんですが、ダーリンの世界のお料理に挑戦したくって…」
なんて可愛いんだ!!
「そんな可愛い理由なら大歓迎だよ。同じ料理が続いたって全然気にしないよ。どんどん作ってくれて構わない」
実際、毎日続いても問題無いレベルで焼きそばが好きだから、気にならない。
サナは昨日、俺が焼きそばを焼いているのを横で見ていた。
でも、俺が作っていたのはバーベキューコンロの上に置いた鉄板で、サナはフライパンで作ってくれた。
勝手が全然違うのによく頑張ってくれたと思う。
皿に盛られた焼きそばは、見た目も素晴らしいし香りも良い。
作りながら「適度にソースを焦がすのがポイントだ」と教えたが、忠実に再現してある。
「お肉も『本来は豚肉』とのことでしたけど、今日は昨日と同じ牛肉を使わせていただきました。お野菜は新たに切ったもので、キャベツは炒め過ぎないように気を付けてみたんですけど、お味はいかがですか?」
青のりや削り節、紅しょうがもちゃんと入っているし、実にポイントが高い。
麺を俺が持ち込んだ料理酒でキチンと解してあるようで、モチモチした食感も有りながら喉ごしも滑らかだ。
油の量もバッチリだし、見よう見まねで初めての挑戦にしては上出来だと思う。
「とっても美味しいよ。でも、一つだけ言うのなら、もう少しソースを入れても良かったかも知れないね。それにしても、初めて作ってこの出来栄えなら上出来だよ」
変にウソを言うのはサナの成長の妨げになるし、サナも感じたことを正直に言ってもらうことを望むタイプだ。
だから思ったことは隠さず伝えてあげるのが思い遣りだと思う。
「たぶん、野菜が新鮮で量も多めだから、水分が多くなったんだと思うよ。昨日は麺の量に対してちょっと野菜が少なかったからね。ソースをほんの少しだけ多めに入れてもいいけど、あまりたくさん入れるとべちゃべちゃになってしまうんだ。そこがこの料理の難しいところなんだけど、そういう時に役立つのが、これだよ」
そう言ってダンボール箱から取り出したのはオイスターソースだ。
「これは何の調味料ですか?」
「こっちの世界にも魚介類の牡蠣って有るかい?」
「はい。牡蠣はありますよ。海辺の町の特産品で、とっても美味しいと聞いてます」
なるほど。こっちの世界にも鯖が存在してるし、畜産品だけでなく海産品もあまり違いは無さそうだな。
「それは良かった。これは牡蠣のエキスを煮詰めて作ったソースなんだ。これを焼きそばを焼くときに一回しほど入れるだけで、すごくコクが出るんだ」
サナの手の甲に少しだけ垂らしてあげると、ペロリと可愛い舌で舐め取る。
「とっても旨味が凝縮されて濃厚ですね。ほんの少しだけで良いコクが出そうです」
サナは本当に研究熱心だ。こういう『学ぼう』という姿勢は素直に尊敬できる。
サナのそういう研究熱心な所に惚れ込んで、ノートとシャーペンをプレゼントした。
今もそのノートの焼きそばの項目に、オイスターソースのことを書き込んでいる。
「でもサナ、今日の焼きそばは本当に美味しいよ。水っぽくないし、十分合格点を出して良いレベルだよ」
サナの初めての異世界料理には太鼓判を押してあげる。
「嬉しい!お口に合ったなら、本当に良かったです!」
そう喜ぶサナの頭の上に、グリーンのランプのような物が点灯する。
何かと思ってサナのステータスを見ると
『サナの調理スキルとレベルが上がりました』
と表示された。
なんか、俺の謎スキルの中に『パーティーメンバーのステータスを更新できる』みたいなのが有ったような気がする。どうやらスキルアップをお知らせするスキルみたいだな。
サナのレベルも見てみると
『サナ LV:32 Job:メイド兼神の妻 十七歳』
と出た後、ズラズラっと『調理スキル66』や『清掃スキル63』などの家事スキルがたくさん表示された。
比較する対象がないので高いのか低いのか解らないけど、優秀なメイドであるサナのスキルは間違いなく高ランクだろう。
初めての試みとしては大成功だったと言えるだろう。
パーティーが終わってから、ユキを抱かせてもらった。
正常位と騎乗位で合計四発中出しした後、後背位で攻めてたらユキが失神してしまった。
回復魔法を施した所でサナが来てくれたので、サナに正常位で一発付き合ってもらった。
本当はサナとユキとの3Pを期待したところだったけど
「お誕生日のセックスを楽しまれてるお二人の邪魔はしたくなかったんです」
と言っていた。サナらしい遠慮の仕方だな。
起床時は、今日もサナのフェラチオで目覚める。
「おはよう、サナ。今日もありがとう。気持ちいいよ」
「じゅっぽ♡ ダーリン、おはようございます。今日も気持ち良くなってくださいね♡」
右手で肉棒をシコシコと扱いて左手で袋を優しくニギニギしながら、とってもいい笑顔で応えてくれる。本当に幸せだ。
今日も可愛いお口にたっぷりと射精する。
その精液をサナは今朝も変わらず全て飲み干してくれる。
「美味しかったです♡ おかげさまで、今日も元気いっぱいです!♡♥」
また可愛らしい『フンスッ』を見せてくれる。本当にどちゃくそ可愛いなぁ。
今朝も美味しい朝食を済ませて、エリスたちに同行してキオトの街に向かう。
一昨日エリスが到達した場所まで転移魔法で行くのだが、高機動車も一緒に転移できるか実験してみることにした。
「馬車も一緒に転移することはよくあることなので、大丈夫だと思いますよ」
とユキもミクも言ってくれていたのだが、本当に上手く転移できた。
キオトに続く街道を走らせる。『街道』と言うだけあってちゃんと整備されているが、魔物や魔獣も出現する。
その魔物どもを、その度に車を止めてエリスたちの射撃訓練も兼ねて撃破して行く。
遠くに離れている魔物も、小銃を使用して狙撃する。
手本を示してあげてエリスにも挑戦してもらう。
最初は何発か外したが、ユキが支援魔法で幸運値を底上げすることを提案してくれて、試してみたら一発で当たる様になった。
ミクも素早さを底上げする強化魔法をエリスや自分自身に使って、近接戦に挑んでくれている。
本当に『魔法戦士』の様相になって来たが、銃に頼る攻撃ではなく、体術も加えた方が良いだろう。今後の鍛錬の日に教えてあげよう。
生理中なのであまり無理はしないで欲しいところだが、いつもの動き難い生理用品に比べると楽に動けるらしくて感謝してくれた。
休憩中に一度日本の自宅に戻る。
電話を一本掛けたかったからだ。
電話の相手は以前の店の常連客だった人物で、宝石商を営んでいる。
その人に採れたダイヤの原石を買い取ってくれる人物を紹介してもらおうかと思ったんだ。
携帯に電話をするとすぐに応対してくれて「私で良ければ拝見しますよ」と言ってもらえた上に、「今日はヒマなので、いつでもどうぞ」とまで言ってくれた。
後ほどお伺いしてみようと思う。
遠くにキオトの街が見える丘の上まで到達して、今日の同行を終了する。
「強い魔物や敵の数が多すぎる時は、いつでも召喚するんだよ」
車が有ると異界の窓での移動が困難なので、屋敷まで転移魔法で送ってもらって再び送り出した。
屋敷に入るとサナの熱烈なお出迎えが待っていた。
「おかえりなさいませ♡ お疲れ様でした♥」
とキスをしてくれたので、暫しディープなキスを堪能させてもらったが、何度キスを繰り返しても飽きないなぁ。
「サナ、これから向こうの世界に行って、商売をしてくるよ。お昼には一度戻るから、昼ご飯は一緒に食べよう」
「はい♡ お昼ご飯の準備をしておきますね。その後はまたお出掛けですか?」
「うん。あっちの世界で人に会わないといけないんだ。あっちの世界で俺に連絡が付かなくて困ってるって言うから」
「そうなんですね。ずっとこちらにいらっしゃいますもんね」
「死んだと思われかねないし、たまには顔だけでも出しておくよ」
「それがよろしいですね。ダーリン…、まさかと思いますが、女性ではないですよね?」
ギクリ…。サナ、なかなか鋭いな。
屋敷内の女性とは恋愛や結婚をしたりエッチしたりするのは構わないけれど、屋敷の外に女を作らない約束だからな。
でも、これから会うのは元従業員なだけで、女として会うわけではない。
決して邪な感情で会うわけではないから心配しないで欲しい。
その旨を有らん限りのボキャブラリーを用いて説明した。
「解りました。そのようなご事情が有られるのなら仕方ないですね。でもダーリン、もしも浮気なんてなさったら…」
「なさったら…?」
「暫く口を聞いてあげません!」
俺の頬を軽く抓りながら、揶揄うような口調で言う。可愛い。
でも、浮気の代償が口を聞いてくれないだけだなんて、優しすぎるぞ。
「安心して。俺はサナを裏切らない」
そう言ってもう一度サナとのディープなキスを堪能した。
「じゃあサナ、ちょっと出掛けて来るよ」
いつものようにサナに着替えさせてもらって『異界渡航』の窓を開く。
今日は商売で出向くので、一応用意しておいた私服のグレーのスーツだ。
「いつもの正装とはまた違う雰囲気で素敵ですね♡」
俺の背中にそっと抱き付いて、そんな嬉しいことを言ってくれる。
「誰に褒められるより、サナが褒めてくれるのが一番嬉しい」
振り返ってキスをして
「行ってくるね」と言って、自宅のリビングに入った。
サナから貰った巾着袋にダイヤモンドの原石を入れて持って来たけれど、流石にこの量の原石を持ち込むのは無茶だろう。
家に有った袋に幾つか移して持って行くことにしよう。
約束した相手の店は自宅から車で十分ほどの場所だけど、早々に用事を済ませて戻って来よう。
その方がサナとゆっくり食事を楽しめるだろうから。
店に入って挨拶をして、店主に取り次いでもらう。
店内の商品を眺めて待っていたが数分も待つことなく部屋に呼ばれたので、世間話をしてから原石を見せた。
「これは…なかなか質の良い原石ですね」
じっくりとルーペで眺めた後、店主はおもむろに口を開いた。
「そうですか。それは良かったです」
「安田さん。この原石を当店にお譲りいただくことは出来ますか?」
おっ、これは感触良さそうだぞ♪
「勿論です。こちらも商売ですので、適正な値付けをしていただけるのなら喜んで。ただ、暫くの間は現金取引でお願いします。」
「お持ちいただけるのは今回限りではない…、ということしょうか?」
「ええ。ご要望いただければ、今後も安定して供給することが可能ですよ」
ミコトさんと契約することになってるし、基本的に庭で拾って来るだけだからな。
「なるほど…。では、今回はこのお値段でいかがでしょう?」
店主が示した電卓には四百五十万円の数字が表示されていた。
一瞬吹き出しそうになったが、ここは努めて冷静に振舞う。
持って来た原石はほんの一握り分くらいでしかない。
自宅にはその数十倍以上の量が巾着袋に入れて保管してある。それでこの値段かよ。
「そうですか…。私も今回は少々無理をしてこの原石を手に入れたのですが…」
そりゃもう。『拾い上げる』という重労働をしましたとも。
「わかりました!では、こちらでいかがですか?」
店主が再度示した電卓の表示は五百万円に訂正されていた。
「よろしいのですか?」
「品質、色あい、大きさ、全て文句の付けようがありません。その上この量ですから…。今後もお取引いただきたいので、頑張らせていただきます。どうか宜しくお願い致します!」
正直に言ってダイヤモンドの相場なんて知らないが、拾って来た物に値段を付けてもらうんだ。
あんまり無茶を言って嫌われる必要もあるまい。
「解りました。では、お取引成立ということで」
ここでガッチリと握手を交わす。
「実はこんなにお持ち込みいただけるとは思っていなかったので、現金が四百五十万円しかないのです。銀行に下ろしに行く時間をいただければご用意致しますが、いかがしましょうか?」
なるほど。手持ち金の全てだったわけか。それでもこれは商売だ。甘い顔はしない。
「では、次のお取引の時に残りの分を一緒にお願いできますか?」
「はい。それでよろしければ助かります」
契約書を交わした際に、残り金額のことも記載してもらった。
「次はいつ頃お持ちいただけそうですか?」
全く…欲しがりだな。店主さんよ。
「そうですね。明後日には今日の倍くらいの量の原石をお持ちできますよ」
そう言ったら、店主の目の色が変わった。
その様子からこの原石の質は本当に相当高いことが窺える。
「畏まりました。明後日、今度は現金をキチンとご用意してお待ちしております」
スタッフ全員に見送られて店を後にする。
思いのほか取引がスムーズに進んだし現金が手に入ったので、少しだけ寄り道をしよう。
午後からは未希と会う予定が有るし、ゴネられて出掛けられなくなると困るからな。
まず立ち寄ったのは和菓子屋だ。今日のデザートのどら焼きを買おうと思う。
色々な種類が有って少し悩んだが、通常のどら焼きとクリームどら焼き、抹茶どら焼きを五つずつ買って持ち帰ることにした。
その次に業務用スーパーにも立ち寄る。サナのためにケーキを作る材料を買うためだ。
必要そうなのや思い付く材料を片っ端からカゴに入れ、他にもあちらの世界には無いチョコレートなどもカゴに入れる。
あちらの世界にはイチゴも無いようなので、買っておこう。
ショートケーキを作れるだけの材料が有れば、サナほどの腕前が有れば一度食べたショートケーキの再現くらいは簡単にやってくれそうに思う。
レジに行くとそこそこの金額にはなったけど、問題ない。
自宅に戻って、まずは残りの原石と現金を書斎の金庫に入れておく。
セキュリティー付きの家とは言え、泥棒が入る可能性もあるしな。
飲食店舗跡の厨房に行って、ダンボール箱に調味料などをポンポンと入れて行く。
サナが欲しがっていたケチャップや、あちらには無かった便利な物を詰める。
使い方なんかは後々教えてあげればいい。サナと料理をするのは楽しいし。
そのダンボール箱を『異界渡航』の窓から屋敷の自室に運び込み、ガレージに行って愛車の中に置いたままの買って来た品物を持って行けるようにしてあちらの世界に行く。
「サナ、ただいま」
窓から上半身だけを出して、キッチンにいたサナを後ろから抱き締める。
「おかえりなさいませ。ダーリン」
振り返って激しめのキスをしてくれる。
「淋しかったかい?」
「はい。ダーリンがいらっしゃらないと、やっぱり淋しいです」
俺の頭をギュッと大きなおっぱいに抱きかかえてくれる。
柔らかい…。そしていい香りだ。
窓を抜け出してそのおっぱいに顔を埋めたまま、両方のたわわを揉み、服の上からキスの雨を降らせる。
「あん…♡ ダーリン…♡ エッチしたくなっちゃいます…♡」
望むところと言いたいが、昼食を済ませたら日本に戻らなくてはならない。
「俺が帰えるまでに夕食の準備を済ませておいてよ。出来るだけ早く帰るから、それからセックスしよう」
「解りました…。約束ですよ♡」
エッチの代わりに舌を絡め合ってお互いの唇を舐め回しまくった。
今日の昼ごはんは、昨日のバーベキューで残った食材を使って作ってくれた焼きそばだ。
「昨日と同じ物で申し訳ないんですが、ダーリンの世界のお料理に挑戦したくって…」
なんて可愛いんだ!!
「そんな可愛い理由なら大歓迎だよ。同じ料理が続いたって全然気にしないよ。どんどん作ってくれて構わない」
実際、毎日続いても問題無いレベルで焼きそばが好きだから、気にならない。
サナは昨日、俺が焼きそばを焼いているのを横で見ていた。
でも、俺が作っていたのはバーベキューコンロの上に置いた鉄板で、サナはフライパンで作ってくれた。
勝手が全然違うのによく頑張ってくれたと思う。
皿に盛られた焼きそばは、見た目も素晴らしいし香りも良い。
作りながら「適度にソースを焦がすのがポイントだ」と教えたが、忠実に再現してある。
「お肉も『本来は豚肉』とのことでしたけど、今日は昨日と同じ牛肉を使わせていただきました。お野菜は新たに切ったもので、キャベツは炒め過ぎないように気を付けてみたんですけど、お味はいかがですか?」
青のりや削り節、紅しょうがもちゃんと入っているし、実にポイントが高い。
麺を俺が持ち込んだ料理酒でキチンと解してあるようで、モチモチした食感も有りながら喉ごしも滑らかだ。
油の量もバッチリだし、見よう見まねで初めての挑戦にしては上出来だと思う。
「とっても美味しいよ。でも、一つだけ言うのなら、もう少しソースを入れても良かったかも知れないね。それにしても、初めて作ってこの出来栄えなら上出来だよ」
変にウソを言うのはサナの成長の妨げになるし、サナも感じたことを正直に言ってもらうことを望むタイプだ。
だから思ったことは隠さず伝えてあげるのが思い遣りだと思う。
「たぶん、野菜が新鮮で量も多めだから、水分が多くなったんだと思うよ。昨日は麺の量に対してちょっと野菜が少なかったからね。ソースをほんの少しだけ多めに入れてもいいけど、あまりたくさん入れるとべちゃべちゃになってしまうんだ。そこがこの料理の難しいところなんだけど、そういう時に役立つのが、これだよ」
そう言ってダンボール箱から取り出したのはオイスターソースだ。
「これは何の調味料ですか?」
「こっちの世界にも魚介類の牡蠣って有るかい?」
「はい。牡蠣はありますよ。海辺の町の特産品で、とっても美味しいと聞いてます」
なるほど。こっちの世界にも鯖が存在してるし、畜産品だけでなく海産品もあまり違いは無さそうだな。
「それは良かった。これは牡蠣のエキスを煮詰めて作ったソースなんだ。これを焼きそばを焼くときに一回しほど入れるだけで、すごくコクが出るんだ」
サナの手の甲に少しだけ垂らしてあげると、ペロリと可愛い舌で舐め取る。
「とっても旨味が凝縮されて濃厚ですね。ほんの少しだけで良いコクが出そうです」
サナは本当に研究熱心だ。こういう『学ぼう』という姿勢は素直に尊敬できる。
サナのそういう研究熱心な所に惚れ込んで、ノートとシャーペンをプレゼントした。
今もそのノートの焼きそばの項目に、オイスターソースのことを書き込んでいる。
「でもサナ、今日の焼きそばは本当に美味しいよ。水っぽくないし、十分合格点を出して良いレベルだよ」
サナの初めての異世界料理には太鼓判を押してあげる。
「嬉しい!お口に合ったなら、本当に良かったです!」
そう喜ぶサナの頭の上に、グリーンのランプのような物が点灯する。
何かと思ってサナのステータスを見ると
『サナの調理スキルとレベルが上がりました』
と表示された。
なんか、俺の謎スキルの中に『パーティーメンバーのステータスを更新できる』みたいなのが有ったような気がする。どうやらスキルアップをお知らせするスキルみたいだな。
サナのレベルも見てみると
『サナ LV:32 Job:メイド兼神の妻 十七歳』
と出た後、ズラズラっと『調理スキル66』や『清掃スキル63』などの家事スキルがたくさん表示された。
比較する対象がないので高いのか低いのか解らないけど、優秀なメイドであるサナのスキルは間違いなく高ランクだろう。
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特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
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スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
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そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
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