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第4章
第13話
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第13話
夜が明けて、昨夜あった出来事が無かったかのように、冒険者達はシオンや姐さんに当たり前に接してきた。
それもその筈で、デスワーム食べた後、姐さんに手足の骨を折られるまで記憶がないんだから当たり前っちゃあ、当たり前だった。
表に出てきた商人は昨夜に起きた出来事なんて、知る由もなく、今日中に着くであろう町に向かう事になった。
移動中いつもの様に馬車内をゴロゴロとしていると、急に馬車の振動が激しくなって、慌てて飛び起きて何が起きたか御者席から外を見ると、道が大量の魔物の足跡でボコボコになっていた。
俺が驚いて見渡していると、俺達の前を行っていた商人の馬車も停止していて、馬車と並走していたシオンに冒険者達も止まって話し合っていた。
俺はこの大量の足跡も気になるが、シオン達が止まった理由を聞きに馬車から降りて、シオン達の元に向かった。
「どうしたんだよ。
何で止まった?」
「あ、ミーツさん、私の馬車がこの道の所為で壊れてしまったんですよ。それに加えて馬達もこれ以上前に進もうとしないんです。
もうすぐ町なのに、どうしたんでしょうかね。困ったものです」
シオンに話しかけたつもりが、俺の質問に商人が答えた。
「じゃあ、俺が先に一走りして町まで行って人手を連れて来ますよ。シオン達は商人さんをこのまま待機して護衛をしていてくれ」
「先に行って貰えるのでしたらお願いします」
正直、俺が力任せで商人の馬車を引っ張り持って行くことは可能だけど、それだとこの先々馬が居ない状況で俺がずっと引っ張り続けなければいけない状況になってしまうから、この提案をしたのだけれど、商人は普通に頭を下げてお願いしてきたから良かった。
一応、後方の馬車で待機している姐さんに事情を説明して、いざ行こうとすると姐さんも付いて来た。
「緊急時じゃ、この世界の事よく分からないミーツちゃんじゃ対応できないでしょ?
だから、あたしが付いて行ってあげる。
あたし達の馬車と護衛対象はソルトちゃんに任せたら良いと思うわ。
ソルトちゃんの魔法はとても役に立つと思うし、シオンちゃん達もいるからね」
姐さんの言う事も、もっともだと思った俺は姐さんに付いてきて貰って、少し小走り程度に飛ばしたら、様々な形の足跡がずっと先々まで続いて、この先に町があるならば段々不安になっていった。
そんな足跡だらけの道を走っていると、人影が見えて急停止して、目を凝らしたらフラフラと女性らしき人がこちらに向かって歩いていた。
そんな姿に俺はダッシュして、女性に近寄ると女性は血だらけで、血が固まって髪がカピカピな状態だ。
俺は女性の肩に手を置いた瞬間、姐さんが女性を蹴り飛ばしてしまった。
俺は咄嗟に手を伸ばしたが、姐さんに蹴りと同時に止められてしまった。
「ミーツちゃん、もうそれは人じゃないわ!
腐人(くされびと)よ!」
「腐人?腐人ってなんだ?」
姐さんが蹴り飛ばして腐人と呼んだものは、ゆっくりと立ち上がった。
そして、姐さんの蹴ったであろう胴体の部分がぽっかりと穴が開いている状態で、それでも尚、手を伸ばして俺たちに近づいて来る姿はまるでゾンビだ。
「姐さん、これはアンデッドってやつじゃないのか?」
「そうね。国によってはそうとも呼ばれているわ。アレは死んだ人の死体にレイスやゴーストが入り込んで動き回ると言われているわ。
でも、本当に霊体系の魔物が入ってるかが分かってないわ。
それも腐人に噛まれたり、腐人の体液が身体に入っちゃうと、噛まれた箇所から次第に腐っていって、最終的に同じ腐人になっちゃうのよ」
「俺の知ってるゾンビの倒し方は頭を潰すのが正式な倒し方だけど、腐人もそうなのかい?」
「そうね。そういう倒し方が一番有力ね。
後は、神聖魔法使える人が魔法を使って浄化しちゃうとかかしらね」
「それはシオンの光の魔法じゃ、ダメなのかい?」
「光の種類にもよるわ。多分、シオンちゃんの魔法ではダメだと思うわ」
ゆっくりした動きで近寄ってくる腐人のお陰で、姐さんと腐人に対する対策を立てる事ができたが、ほとんどゾンビ映画の対策と一緒なくらいと、神聖魔法を使うって事だけど神聖魔法なんてあるんだな。
「ミーツちゃん、槍出して、持ってたでしょ?」
俺は刃先が歪み折れて、持ち手もグニャグニャな槍を出して姐さんに渡すと、そんな槍を見た姐さんは腐人に向かって槍を投げた。
槍は見事に腐人の頭に直撃して、頭が吹っ飛び槍もそのままどこかに飛んで行った。
「ミーツちゃん、あの槍は何なのよ。
ボロボロだったじゃない!
思わず投げちゃったじゃない」
「あー、別にいいよ。
黄金のダンジョンでゴーレム相手に使って壊しちゃったんだよね。
でも何処かで使う時があるかなって思って仕舞ってたんだ」
「そうなのね。じゃあ投げても良かったのかしら?」
「いいよ、いいよ。何処かの大きな町で買えたら買うからさ」
「ミーツちゃん前から思ってたけど、ミーツちゃんの魔法で、そういった武器や服は出せないのかしら?」
あー、いつか聞かれるだろうと思っていた事をここで聞いて来たか。
でも、ここは正直に言おう。
「正直に言えば出せるよ。
でも、武器は性能から形に材料まで、事細かに想像しなければいけないし、想像して出しても恐らく、見習い鍛治師が作る簡単なロングソードより劣る物が出来上がるよ。
だから、魔法で出すより自分の手で作った方が性能が良い物が出来上がると思うんだ。
服についても同じで、俺が考えた物を想像して出して着れば良いんだけど、俺が考えつくのは元の世界の服ばかりで、この世界で元の世界の服を着ると、とても浮くと思うんだ。
ていうか、服も武器と同じでリアルに物質から性能と色々想像しないといけないし、例え出せても素材とか考え無しで出した物だったら、ボロボロで着ると直ぐ破れたり、あまり長持ちしない物が出来上がるよ。
お金やミスリル等は中身から、どういった金属でどういった成分で出来ているかを知っておかないと、出せない事も分かっている」
「へぇ、ミーツちゃんの魔法も万能じゃないのね」
姐さんと俺の魔法について話していると、少し遠くから大勢の人影が見えて来た。
「ミーツちゃん、撤退しましょう。
腐人が沢山来たわ。
きっと、さっきあたしが投げた槍の所為で来たのね。この先の町は壊滅したと思っていいと思うわ」
姐さんの言う通りだと俺も思っていたところで、大勢の腐人は先程の腐人より歩く速度が速い気がする。
少し急ぎめで俺と姐さんは、商人達が待つ馬車まで撤退する事にした。
夜が明けて、昨夜あった出来事が無かったかのように、冒険者達はシオンや姐さんに当たり前に接してきた。
それもその筈で、デスワーム食べた後、姐さんに手足の骨を折られるまで記憶がないんだから当たり前っちゃあ、当たり前だった。
表に出てきた商人は昨夜に起きた出来事なんて、知る由もなく、今日中に着くであろう町に向かう事になった。
移動中いつもの様に馬車内をゴロゴロとしていると、急に馬車の振動が激しくなって、慌てて飛び起きて何が起きたか御者席から外を見ると、道が大量の魔物の足跡でボコボコになっていた。
俺が驚いて見渡していると、俺達の前を行っていた商人の馬車も停止していて、馬車と並走していたシオンに冒険者達も止まって話し合っていた。
俺はこの大量の足跡も気になるが、シオン達が止まった理由を聞きに馬車から降りて、シオン達の元に向かった。
「どうしたんだよ。
何で止まった?」
「あ、ミーツさん、私の馬車がこの道の所為で壊れてしまったんですよ。それに加えて馬達もこれ以上前に進もうとしないんです。
もうすぐ町なのに、どうしたんでしょうかね。困ったものです」
シオンに話しかけたつもりが、俺の質問に商人が答えた。
「じゃあ、俺が先に一走りして町まで行って人手を連れて来ますよ。シオン達は商人さんをこのまま待機して護衛をしていてくれ」
「先に行って貰えるのでしたらお願いします」
正直、俺が力任せで商人の馬車を引っ張り持って行くことは可能だけど、それだとこの先々馬が居ない状況で俺がずっと引っ張り続けなければいけない状況になってしまうから、この提案をしたのだけれど、商人は普通に頭を下げてお願いしてきたから良かった。
一応、後方の馬車で待機している姐さんに事情を説明して、いざ行こうとすると姐さんも付いて来た。
「緊急時じゃ、この世界の事よく分からないミーツちゃんじゃ対応できないでしょ?
だから、あたしが付いて行ってあげる。
あたし達の馬車と護衛対象はソルトちゃんに任せたら良いと思うわ。
ソルトちゃんの魔法はとても役に立つと思うし、シオンちゃん達もいるからね」
姐さんの言う事も、もっともだと思った俺は姐さんに付いてきて貰って、少し小走り程度に飛ばしたら、様々な形の足跡がずっと先々まで続いて、この先に町があるならば段々不安になっていった。
そんな足跡だらけの道を走っていると、人影が見えて急停止して、目を凝らしたらフラフラと女性らしき人がこちらに向かって歩いていた。
そんな姿に俺はダッシュして、女性に近寄ると女性は血だらけで、血が固まって髪がカピカピな状態だ。
俺は女性の肩に手を置いた瞬間、姐さんが女性を蹴り飛ばしてしまった。
俺は咄嗟に手を伸ばしたが、姐さんに蹴りと同時に止められてしまった。
「ミーツちゃん、もうそれは人じゃないわ!
腐人(くされびと)よ!」
「腐人?腐人ってなんだ?」
姐さんが蹴り飛ばして腐人と呼んだものは、ゆっくりと立ち上がった。
そして、姐さんの蹴ったであろう胴体の部分がぽっかりと穴が開いている状態で、それでも尚、手を伸ばして俺たちに近づいて来る姿はまるでゾンビだ。
「姐さん、これはアンデッドってやつじゃないのか?」
「そうね。国によってはそうとも呼ばれているわ。アレは死んだ人の死体にレイスやゴーストが入り込んで動き回ると言われているわ。
でも、本当に霊体系の魔物が入ってるかが分かってないわ。
それも腐人に噛まれたり、腐人の体液が身体に入っちゃうと、噛まれた箇所から次第に腐っていって、最終的に同じ腐人になっちゃうのよ」
「俺の知ってるゾンビの倒し方は頭を潰すのが正式な倒し方だけど、腐人もそうなのかい?」
「そうね。そういう倒し方が一番有力ね。
後は、神聖魔法使える人が魔法を使って浄化しちゃうとかかしらね」
「それはシオンの光の魔法じゃ、ダメなのかい?」
「光の種類にもよるわ。多分、シオンちゃんの魔法ではダメだと思うわ」
ゆっくりした動きで近寄ってくる腐人のお陰で、姐さんと腐人に対する対策を立てる事ができたが、ほとんどゾンビ映画の対策と一緒なくらいと、神聖魔法を使うって事だけど神聖魔法なんてあるんだな。
「ミーツちゃん、槍出して、持ってたでしょ?」
俺は刃先が歪み折れて、持ち手もグニャグニャな槍を出して姐さんに渡すと、そんな槍を見た姐さんは腐人に向かって槍を投げた。
槍は見事に腐人の頭に直撃して、頭が吹っ飛び槍もそのままどこかに飛んで行った。
「ミーツちゃん、あの槍は何なのよ。
ボロボロだったじゃない!
思わず投げちゃったじゃない」
「あー、別にいいよ。
黄金のダンジョンでゴーレム相手に使って壊しちゃったんだよね。
でも何処かで使う時があるかなって思って仕舞ってたんだ」
「そうなのね。じゃあ投げても良かったのかしら?」
「いいよ、いいよ。何処かの大きな町で買えたら買うからさ」
「ミーツちゃん前から思ってたけど、ミーツちゃんの魔法で、そういった武器や服は出せないのかしら?」
あー、いつか聞かれるだろうと思っていた事をここで聞いて来たか。
でも、ここは正直に言おう。
「正直に言えば出せるよ。
でも、武器は性能から形に材料まで、事細かに想像しなければいけないし、想像して出しても恐らく、見習い鍛治師が作る簡単なロングソードより劣る物が出来上がるよ。
だから、魔法で出すより自分の手で作った方が性能が良い物が出来上がると思うんだ。
服についても同じで、俺が考えた物を想像して出して着れば良いんだけど、俺が考えつくのは元の世界の服ばかりで、この世界で元の世界の服を着ると、とても浮くと思うんだ。
ていうか、服も武器と同じでリアルに物質から性能と色々想像しないといけないし、例え出せても素材とか考え無しで出した物だったら、ボロボロで着ると直ぐ破れたり、あまり長持ちしない物が出来上がるよ。
お金やミスリル等は中身から、どういった金属でどういった成分で出来ているかを知っておかないと、出せない事も分かっている」
「へぇ、ミーツちゃんの魔法も万能じゃないのね」
姐さんと俺の魔法について話していると、少し遠くから大勢の人影が見えて来た。
「ミーツちゃん、撤退しましょう。
腐人が沢山来たわ。
きっと、さっきあたしが投げた槍の所為で来たのね。この先の町は壊滅したと思っていいと思うわ」
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カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
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