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温泉旅館作ろう!

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「メイソンさーん!」
「どうされましたか?チハル様。」
「宿屋建てたいんだけど。」
「はぃ?」
 突拍子もない事を言い出す千春に思わず聞き返すメイソン。

「えっと、お金の使い道考えてて、宿屋建てて孤児院の子達が孤児院出る時に仕事有れば良いなって思いまして。」
「あぁ、そう言う事ですか、子供達の事は心配されなくても大丈夫で御座いますよ、文字や計算の勉強が出来るようになり、商業ギルドからの斡旋も視野に入れておりますので。」
「そうなんですか?!」
「はい、聖女様の孤児院という事、教養も有り、食生活も良くなり健康、粗暴な事も無く礼儀正しい子供達ですから。」
 メイソンは誇らしく、そして嬉しそうに千春へ説明する。

「そんなに?!」
「はい、院長と話しをしまして、聖女様の孤児院を出る子供達が犯罪者や、路頭に迷う事がないように徹底しております。」
「子供達無理してないです?」
「してませんよ、皆楽しく勉強も遊びもやっております、子供達も聖女様へ恩返しをしたいのでしょう。」
「そっかぁ・・・宿屋は良い案だと思ったのになぁ。」
 残念そうに千春が言うと、メイソンが答える。

「宿屋は建てれますよ、今王都では宿の需要が増えておりますから。」
「そうなんです?それじゃぁ。」
「はい、何軒ほど建てられますか?」
「え?いや、何軒も建てるつもりは無かったんですけど。」
「そうなんですか?チハル様の預金ですと何軒でも建てれますが。」
「何軒建てても管理出来ませんし!」
「管理の方は大丈夫です、こちらで管理者を付けますので、孤児院の子供達にも声をかけ、働きたい者を募集しましょう。」
「はい、食事なんかも色々と考えてて、子供達に料理人希望の子がいたら教えたいんですけど。」
「それは・・・子供達だけですか?」
「はい、そうですけど?」
「チハル様がよろしければ大人にも修行という形で構いませんので厨房に入れる事は可能でしょうか。」
「良いですけど、いるんですか?料理人希望の人。」
「それはもう沢山居ます、チハル様のレシピこそ出回るようになりましたが、一部の料理人、あとは大衆的な料理が屋台等で出回ってる程度です、応募すれば殺到するでしょうね。」
 自信満々にメイソンが言うと、千春もフムフムと考える。

「分りました!それじゃぁまずは1軒宿屋を作って様子を見ると言う事で!」
「了解しました、すぐに土地の確保と見積をお持ちしますので。」
「あ、良く分かんないのでお任せで!」
「了解しました、お任せください。」
 メイソンはそう言うと解体現場に戻り、指示をするとギルド本部へ戻って行った。

「チハルって本当に丸投げ好きよね。」
 サフィーナはクスクス笑いながら千春に言う。

「だって聞いても分かんないし、お金の使い道だけしか考えてなかったんだもん。」
「多分ですけど・・・増えますよ?」
「そうなの?」
「当たり前じゃないですか、メイソンさんは商業ギルドのギルドマスターですよ、損をする事業に手を付ける事は有りません、採算が取れると確信している顔してました。」
「そりゃそうか、まぁその時は従業員に還元と孤児院に温泉でも付けるよ。」
「温泉は良いですねぇ、宿に温泉が付けばお客も増えるでしょうねぇ。」
「それだ!温泉宿!ついでに浴衣で露天風呂!良いねぇ夢がひろがりんぐ!」
「一回戻って細かい詳細を詰めましょうか、私が詳細を書き留めますので。」
「りょ~か~~い♪」
 サフィーナに言われ、千春は部屋に戻る、そしてトランプで遊ぶ頼子達と一緒に温泉旅館経営計画を練る。

「畳ほしくね?」
 美桜は旅館ならと無茶ぶりをする。

「畳無いじゃん、それに靴を脱ぐ文化じゃないから無理じゃん。」
 麗奈は速攻で却下する。

「浴衣は広めれるかもしれないけどさー、浴衣に靴ってどうなの?」
 青空が突っ込む。

「え~っと畳の素材は・・・い草、あ、でも今は樹脂とか和紙とか色々あるよ?作れんじゃね?」
 大愛はスマホを弄りながら検索した事を伝える。

「チハル誰か作れそうな人知らないの?」
 日葵は千春に問いかける。

「ダーサンさんに言ってみれば?丈夫な素材とかあんじゃないの?」
 頼子も千春へ問いかける。

「ん-・・・なんかあったっけかなぁ。」
 丈夫・・・丈夫・・・と千春は考える、そして思い出す。

「あ!!!!トレント!!!!」
「トレント?あの木の魔物?」
「うん、ダンジョンに居たじゃん、大量の木の魔物、あと上位って言ってたエルダートレント。」
「居たねぇ、40階層だっけ?降りたら終わってた奴だよね。」
「うんうん、ママドラがトレントは使えるから燃やさなかったっていってたよね、ビェリー、トレントって解体に出した?」
「んにゃー、トレントは解体しても木しか無いけん出しとらんよ。」
「どれくらいある?」
 頼子がビェリーに確認すると、ビェリーが影の中にあるトレントを数えだす。

「トレントが50、エルダーが3やねぇ。」
「結構あるね。」
 数を聞いて千春が呟く。

「トレントって丈夫なの?」
「うん、紙にすると丈夫らしいよ、その代わり高いんだ、トランプの紙探してるときに聞いたんだよね。」
「紙に出来るなら和紙みたいな感じで使えそうだね。」
「よし、トレントは生産ギルドに卸して畳作ってもらえば良いね!」
「あとは浴衣?」
「お風呂もじゃん、露天風呂にするの?」
「ヒノキ風呂とか良いんじゃない?」
「ヒノキってあんの?こっち。」
「エルダートレントの木で作ればいんじゃね?」
「ナイス!ダイア!それで聞いてみよう!」
「浴衣も生産ギルドっぽいし、明日ダーサン来てもらおうか。」
「呼べるの?」
「サフィー、ダーサン呼べる?」
「はい、呼べば直ぐに来られると思いますよ。」
「お願いして良いかな。」
「了解しました。」
 サフィーナは千春部隊の1人を呼び伝言するとすぐに出て行く。

「あと必要なものはなんじゃらほい?」
「旅館で検索して調べるかぁ。」
 千春の言葉に頼子はそう答えると、皆は一斉にスマホで検索を始める、そしてサフィーナはそれを書き留め、明日の商談に備えた。








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