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サーロインステーキ!
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「千春、ダンジョンで食べたのってポークチャップとハンバーガーだよね。」
「うん。」
頼子は食べた物を思い出し確認する。
「どうせなら手の込んだ物作る?」
「同じ事考えてたんだよね~、牛いっぱい有るから牛使いたいよね。」
千春はそう言うと解体の終わった黒毛牛を取り出す。
「えーっと、アレは肩ロースで、サーロインは腰肉だからココ。」
「何つくんのー?」
「ふっふっふー、皆んな大好き、すき焼きと、サーロインステーキ!」
「ヒャッフゥ!」
ステーキと聞き、美桜が喜ぶ。
「私も手伝うわよ。」
「アルデアさん料理出来るんです?」
後ろから肉を見ながら、アルデアが千春に声を掛けた。
「肉くらい焼けるわよ。」
「自炊してるんですか?」
「この300年くらいは街で食べてるわ。」
「あ、街行ってるんですね。」
「えぇ、血も飲みたいし。」
千春は肉を並べながらアルデアと話す。
「血を飲んだら飲まれた人もバンパイアになるの?」
「ならないわよ、そう簡単に種族は変えれるわけ無いわ、儀式やらなんやらと面倒なのよ。」
「そりゃそうだ、アルデアさん、血って誰から取ってるの?」
「アルデアで良いわよ、血は昔から知り合いの人から貰ってるわ、無闇矢鱈に血を奪って討伐されたバカは幾らでも見てきたもの。」
少し悲しげな顔で笑みを浮かべるアルデア。
「チハルさん!ハンバーガーも作りましょう!」
「それじゃモリー任せていい?」
「はい!」
「アルデア、街の食事美味しくないの?」
「食べれたら良いわって感じね。」
「前のジブラロールと一緒かぁ。」
「ジブラロールの食事は美味しいの?」
「不味くはないは、でも同じ味付けばかりで飽きるのよ。」
千春はサーロインを切りながら話す。
「そろそろこっちの食事も変わりそうだけどなぁ。」
「チハル、王国の領土は領主が広めてますが、他国にはまだ時間掛かりますよ。」
「サフィーがそう言うならそうなんだろうね。」
「ジブラロール・・・ね、ダンジョン有るわよね?」
「ありますよー。」
フライパンに油を入れ火をかけながら答える千春。
「あ!アルデア!ニンニク大丈夫!?」
「大丈夫よ?」
「おー、良かった。」
「何故?」
「私達の所じゃバンパイアはニンニクが嫌いって話なの。」
「ニンニクが嫌いな者も居るでしょうね、人間でも好き嫌いくらいあるでしょう。」
「・・・そりゃそうだ、あははは。」
油にニンニクをスライスし、弱火で炒める。
「十字架とかは大丈夫なの?」
「何それ、初めて聞いたわ。」
「宗教違うもんね、バンパイアって不死なの?」
「普通に死ぬわよ?」
「心臓に杭打たれたりしたら?」
「心臓に杭打たれて死なない生物って居るの?」
「・・・居ないね!」
火力を上げ、塩胡椒をかけたステーキをフライパンに入れる。
「良い匂いね。」
「うん、脂も乗って美味しそう、黒毛牛が居たのは嬉しい誤算だわ。」
両面に焦げ目が付くと、蓋を閉め蒸し焼きにする。
「アルデアは焼き具合はどんな感じが良い?」
「焼き具合?」
「うん、レアとかミディアムとか、ウェルダンとか。」
「分からないわ、どれが美味しいの?」
「好みかなぁ、バンパイアなら血の滴るくらいのレアが好きそう。」
「え!?生で食べたら危ないでしょう。」
「んー・・・鑑定!・・・うん、大丈夫だよ、それに生に見えても蒸らして低温殺菌するから問題ないし。」
千春は鑑定し、生食出来ることを確認するとアルデアに伝える。
「お任せするわ、私は何すれば良い?」
アルデアに言われ周りを見ると、サフィーナはすき焼きの肉を切り、ラルカは野菜を、サリナはモリアンとハンバーガーを作っている。
「ヨリ、そっちはどう?」
「割下の準備終わったよー、あとは肉と野菜入れるだけー。」
「ミオー。」
「なに?」
美桜はケチャップとマスタードを両手に持ち、ハンバーガーが出来るのを待っている。
「・・・レナー。」
「ほいよ~、焼けた?」
お皿を並べながら麗奈が千春の声に反応する。
「うん、お手伝い無いです、座って待ってて良いよ?」
フライパンの蓋を開け、皿に乗せる。
「それじゃぁ出来た料理を私が保管するわ、時間が止まるから出来立てで皆食べれるでしょう。」
「あ、やっぱり同じ仕様なんだね、アイテムボックス。」
「そう言えばあなたも使えるのよね。」
「チハルでいいよ、アルデアの他に使える人居るの?」
「数人居たわね、今は何処に居るか知らないけど。」
「へぇ、やっぱりおっぱい小さかった?」
「おっ?!・・・・そ、そうね・・・・そう言えばそうね。」
アルデアは目を虚に、アイテムボックスを使えた者を思い出しながら呟く。
「ハンバーガー出来ました!ハンバーグも作りました!」
モリアンが嬉しそうに報告すると、すき焼きも出来たと声が聞こえる。
「それじゃ食べよう、どうぞ、アルデア。」
「凄い・・・良い香り。」
アルデアは料理の匂いを嗅ぐと、うっとり目を細める、アルデアは焼いたステーキをテーブルに置くと、サフィーナ達が配膳して行く。
「飲み物はこれねー。」
お茶や、ジュースのペットボトルのままモリアンに渡す、そして皆が席に座るといつもの言葉を言う。
「いただきます(じゃー)!」
それぞれ好きな料理に手をつけて行く。
「美味しいわ!」
「そりゃ良かった。」
ステーキを行儀良く食べるアルデアは、目に涙を浮かべながら食べる。
「チハル、ジブラロールに行けばこの料理を食べれるのよね?」
「ハンバーガーと、すき焼き、ハンバーグはあったね。」
「・・・ジブラロールに行くわ私。」
「はぁ?!ダンジョンどうするの?ダンジョンマスターなんでしょ?」
「別にここに縛られてるわけじゃ無いもの、コアさえ有ればどうにかなるわよ。」
ステーキを食べながら千春に言うアルデア。
「えー、でも何処に住むの?」
「ダンジョンが有るならそこでも良いし、王国に屋敷でも買って住めば良いじゃない、お金ならあるわよ。」
「んーーー、エーデルさん大丈夫かな。」
「チハル様が了解するのでしたら問題は無いかと、見た所人族を敵視どころか友好的ですし。」
「当たり前じゃない、こんなか弱い乙女に何が出来るって言うのよ。」
「いやいや、バンパイアの真祖で、49階のカオスドラゴンをソロで倒せるんだよね?」
「・・・そうだったかしら?」
ぺろっと舌を出し誤魔化すアルデア。
「問題はこのダンジョンだよねぇ、今回の原因は戻って対策考えるけど、ダンマス居なくなったらどうなる事やら。」
「そんなに心配なら、分身置いておくわよ。」
「分身?」
千春が聞き返すと、アルデアは手のひらから黒いキリを出しコウモリが現れ、パタパタと飛び、人型に変化する。
「はい、この子にダンジョンを管理させるわ、思考は同期してるから何かあっても分かるし?」
「可愛いなぁ。」
幼女の姿の分身を見て千春達は思わずにっこり微笑む。
「イーナ、あとは任せたわよ。」
「イヤです!アルだけ行くのはズルです!イーナも行くです!」
「あなたも行ったら出した意味がないでしょう。」
「イーナも美味しい物食べるです!」
「味覚リンクしてるでしょう。」
「違うです!そうじゃないです!違うのです!」
アルデアはイーナと呼んだ幼女分身と喧嘩を始める。
「この子分身だよね?」
「そうよ。」
「なんで喧嘩出来るのよ。」
「私の別人格を移してるのよ、長く生きていると必要なスキルなの。」
「で、この子も行きたいと。」
「行きたいのです!」
「はい!振り出しにもどったぁ!・・・どうすんの?」
「まぁ、見てるだけなら眷属でもいいかぁ。」
アルデアの影から現れたのは、黒い狼だ。
「ギム、聞いてたわね、暫く留守にするわ、何かあれば呼びなさい。」
「ガゥ!」
「良い子ね、誰かさんと大違い。」
「イーナはアルなのです!自爆なのです!」
「うるさい!知ってるわよ!」
そしてイーナも加わり、昼食と言うには多すぎる料理を皆は堪能した。
「うまぁぁぁい!!!!イタァァァイ!」
「美味しいのですぅぅ!!!!イタァァァイ!」
「「静かに食べなさい。」」
モリアンとイーナはサフィーナとアルデアに頭を叩かれ、頭を摩りながら料理を味わった。
「うん。」
頼子は食べた物を思い出し確認する。
「どうせなら手の込んだ物作る?」
「同じ事考えてたんだよね~、牛いっぱい有るから牛使いたいよね。」
千春はそう言うと解体の終わった黒毛牛を取り出す。
「えーっと、アレは肩ロースで、サーロインは腰肉だからココ。」
「何つくんのー?」
「ふっふっふー、皆んな大好き、すき焼きと、サーロインステーキ!」
「ヒャッフゥ!」
ステーキと聞き、美桜が喜ぶ。
「私も手伝うわよ。」
「アルデアさん料理出来るんです?」
後ろから肉を見ながら、アルデアが千春に声を掛けた。
「肉くらい焼けるわよ。」
「自炊してるんですか?」
「この300年くらいは街で食べてるわ。」
「あ、街行ってるんですね。」
「えぇ、血も飲みたいし。」
千春は肉を並べながらアルデアと話す。
「血を飲んだら飲まれた人もバンパイアになるの?」
「ならないわよ、そう簡単に種族は変えれるわけ無いわ、儀式やらなんやらと面倒なのよ。」
「そりゃそうだ、アルデアさん、血って誰から取ってるの?」
「アルデアで良いわよ、血は昔から知り合いの人から貰ってるわ、無闇矢鱈に血を奪って討伐されたバカは幾らでも見てきたもの。」
少し悲しげな顔で笑みを浮かべるアルデア。
「チハルさん!ハンバーガーも作りましょう!」
「それじゃモリー任せていい?」
「はい!」
「アルデア、街の食事美味しくないの?」
「食べれたら良いわって感じね。」
「前のジブラロールと一緒かぁ。」
「ジブラロールの食事は美味しいの?」
「不味くはないは、でも同じ味付けばかりで飽きるのよ。」
千春はサーロインを切りながら話す。
「そろそろこっちの食事も変わりそうだけどなぁ。」
「チハル、王国の領土は領主が広めてますが、他国にはまだ時間掛かりますよ。」
「サフィーがそう言うならそうなんだろうね。」
「ジブラロール・・・ね、ダンジョン有るわよね?」
「ありますよー。」
フライパンに油を入れ火をかけながら答える千春。
「あ!アルデア!ニンニク大丈夫!?」
「大丈夫よ?」
「おー、良かった。」
「何故?」
「私達の所じゃバンパイアはニンニクが嫌いって話なの。」
「ニンニクが嫌いな者も居るでしょうね、人間でも好き嫌いくらいあるでしょう。」
「・・・そりゃそうだ、あははは。」
油にニンニクをスライスし、弱火で炒める。
「十字架とかは大丈夫なの?」
「何それ、初めて聞いたわ。」
「宗教違うもんね、バンパイアって不死なの?」
「普通に死ぬわよ?」
「心臓に杭打たれたりしたら?」
「心臓に杭打たれて死なない生物って居るの?」
「・・・居ないね!」
火力を上げ、塩胡椒をかけたステーキをフライパンに入れる。
「良い匂いね。」
「うん、脂も乗って美味しそう、黒毛牛が居たのは嬉しい誤算だわ。」
両面に焦げ目が付くと、蓋を閉め蒸し焼きにする。
「アルデアは焼き具合はどんな感じが良い?」
「焼き具合?」
「うん、レアとかミディアムとか、ウェルダンとか。」
「分からないわ、どれが美味しいの?」
「好みかなぁ、バンパイアなら血の滴るくらいのレアが好きそう。」
「え!?生で食べたら危ないでしょう。」
「んー・・・鑑定!・・・うん、大丈夫だよ、それに生に見えても蒸らして低温殺菌するから問題ないし。」
千春は鑑定し、生食出来ることを確認するとアルデアに伝える。
「お任せするわ、私は何すれば良い?」
アルデアに言われ周りを見ると、サフィーナはすき焼きの肉を切り、ラルカは野菜を、サリナはモリアンとハンバーガーを作っている。
「ヨリ、そっちはどう?」
「割下の準備終わったよー、あとは肉と野菜入れるだけー。」
「ミオー。」
「なに?」
美桜はケチャップとマスタードを両手に持ち、ハンバーガーが出来るのを待っている。
「・・・レナー。」
「ほいよ~、焼けた?」
お皿を並べながら麗奈が千春の声に反応する。
「うん、お手伝い無いです、座って待ってて良いよ?」
フライパンの蓋を開け、皿に乗せる。
「それじゃぁ出来た料理を私が保管するわ、時間が止まるから出来立てで皆食べれるでしょう。」
「あ、やっぱり同じ仕様なんだね、アイテムボックス。」
「そう言えばあなたも使えるのよね。」
「チハルでいいよ、アルデアの他に使える人居るの?」
「数人居たわね、今は何処に居るか知らないけど。」
「へぇ、やっぱりおっぱい小さかった?」
「おっ?!・・・・そ、そうね・・・・そう言えばそうね。」
アルデアは目を虚に、アイテムボックスを使えた者を思い出しながら呟く。
「ハンバーガー出来ました!ハンバーグも作りました!」
モリアンが嬉しそうに報告すると、すき焼きも出来たと声が聞こえる。
「それじゃ食べよう、どうぞ、アルデア。」
「凄い・・・良い香り。」
アルデアは料理の匂いを嗅ぐと、うっとり目を細める、アルデアは焼いたステーキをテーブルに置くと、サフィーナ達が配膳して行く。
「飲み物はこれねー。」
お茶や、ジュースのペットボトルのままモリアンに渡す、そして皆が席に座るといつもの言葉を言う。
「いただきます(じゃー)!」
それぞれ好きな料理に手をつけて行く。
「美味しいわ!」
「そりゃ良かった。」
ステーキを行儀良く食べるアルデアは、目に涙を浮かべながら食べる。
「チハル、ジブラロールに行けばこの料理を食べれるのよね?」
「ハンバーガーと、すき焼き、ハンバーグはあったね。」
「・・・ジブラロールに行くわ私。」
「はぁ?!ダンジョンどうするの?ダンジョンマスターなんでしょ?」
「別にここに縛られてるわけじゃ無いもの、コアさえ有ればどうにかなるわよ。」
ステーキを食べながら千春に言うアルデア。
「えー、でも何処に住むの?」
「ダンジョンが有るならそこでも良いし、王国に屋敷でも買って住めば良いじゃない、お金ならあるわよ。」
「んーーー、エーデルさん大丈夫かな。」
「チハル様が了解するのでしたら問題は無いかと、見た所人族を敵視どころか友好的ですし。」
「当たり前じゃない、こんなか弱い乙女に何が出来るって言うのよ。」
「いやいや、バンパイアの真祖で、49階のカオスドラゴンをソロで倒せるんだよね?」
「・・・そうだったかしら?」
ぺろっと舌を出し誤魔化すアルデア。
「問題はこのダンジョンだよねぇ、今回の原因は戻って対策考えるけど、ダンマス居なくなったらどうなる事やら。」
「そんなに心配なら、分身置いておくわよ。」
「分身?」
千春が聞き返すと、アルデアは手のひらから黒いキリを出しコウモリが現れ、パタパタと飛び、人型に変化する。
「はい、この子にダンジョンを管理させるわ、思考は同期してるから何かあっても分かるし?」
「可愛いなぁ。」
幼女の姿の分身を見て千春達は思わずにっこり微笑む。
「イーナ、あとは任せたわよ。」
「イヤです!アルだけ行くのはズルです!イーナも行くです!」
「あなたも行ったら出した意味がないでしょう。」
「イーナも美味しい物食べるです!」
「味覚リンクしてるでしょう。」
「違うです!そうじゃないです!違うのです!」
アルデアはイーナと呼んだ幼女分身と喧嘩を始める。
「この子分身だよね?」
「そうよ。」
「なんで喧嘩出来るのよ。」
「私の別人格を移してるのよ、長く生きていると必要なスキルなの。」
「で、この子も行きたいと。」
「行きたいのです!」
「はい!振り出しにもどったぁ!・・・どうすんの?」
「まぁ、見てるだけなら眷属でもいいかぁ。」
アルデアの影から現れたのは、黒い狼だ。
「ギム、聞いてたわね、暫く留守にするわ、何かあれば呼びなさい。」
「ガゥ!」
「良い子ね、誰かさんと大違い。」
「イーナはアルなのです!自爆なのです!」
「うるさい!知ってるわよ!」
そしてイーナも加わり、昼食と言うには多すぎる料理を皆は堪能した。
「うまぁぁぁい!!!!イタァァァイ!」
「美味しいのですぅぅ!!!!イタァァァイ!」
「「静かに食べなさい。」」
モリアンとイーナはサフィーナとアルデアに頭を叩かれ、頭を摩りながら料理を味わった。
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