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要石の穴!
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「ご馳走様でした!」
「それは何処の国の挨拶かしら?」
「あー、えー、んーっと、遠いとこ。」
「食べる時も言ってたわね。」
「作った人に、食物に感謝、食べ終わって感謝する言葉だよ。」
「へぇ~そうなのね。」
千春とサフィーナ、頼子とビェリーで片付けをさっと終わらせると、帰る準備をする。
「アルデア、外に簡単に出れる方法ある?」
「コウモリになれる?」
「なれるわけないよ。」
「霧には?」
「無理!こう、脱出用魔法陣とか無いの?」
「無いわよ?」
「来た道戻るのかぁ、最終手段だすかぁ。」
「ちょっと待ってちょうだい。」
アルデアはダンジョンコアに手を触れると、何かを操作する。
「んー、コレね、何処に転移したいの?」
「え?出来るの?」
「コアのメニュー見たら有ったわ、転移先何処にする?」
「ダンジョンの出口でいんじゃ無いかな?」
「そう、転移先用の部屋を1階に作りましょう、出口を一方通行にしておけば良いわよね。」
コアがうっすら光ると玉座の後方に魔法陣が浮かび上がる。
「さ、行きましょうか。」
「あーい。」
千春達は魔法陣に入ると、薄暗い部屋に移動した。
「えーっと、コレね。」
アルデアが壁を触ると岩の扉が両方スライドし外が見えた。
「お、冒険者の視線が。」
「兵士も見てますやん。」
「そりゃ見るっしょ、作りたての部屋で見たことないでしょ、この出口。」
岩の扉を抜けると、兵士が走り、部隊長のダキルが、その後ろから筋肉ダルマのギルマス、アラシュが走ってきた。
「王女殿下!これは!?」
「あー、ダンジョン攻略したらココから帰れるらしいよー。」
「こ、攻略したのですか!?」
「うん、魔物もまた湧くだろうけど、大方殲滅しといたよー。」
ダキルとアラシュは目を見開きポカンとしている。
「1日で・・・50階層を攻略・・・。」
「そ、それで王女殿下、何か原因は分かりましたか?」
アラシュは本題を聞いてくる。
「うん、あ、ダキルさん、最近国内で大きな石とか、昔からある物撤去しました?」
「石ですか?石・・・どうでしょうか、私の耳には入っておりませんが。」
「それが何か関係があるので?」
アラシュは千春に問いかける。
「はい、龍脈・・・地脈?こっちだと何だろう、魔力の通る道が変わって、ダンジョンがそれを吸収しちゃってるみたいなんです、その流れが要石・・・その石とかが原因らしいんです。」
上手く説明が出来ず、悩みながら説明をする千春。
「ふむ、国土管理省の者なら把握しているかもしれんなぁ・・・あ、しれません。」
「普通に話してくれて良いですよ、で、その国土何ちゃらはお城です?」
「はい。」
「よし!王様に報告も有るし戻ろう!」
千春が言うと、ママドラ達はドラゴンになり、チハルもロイロの背に乗り王城へ向かった。
-----------------
「到着!」
「王女殿下!どうされました?!」
王国騎士団団長のフォインがドラゴンを見つけ走り寄ってくる。
「ダンジョン攻略終わったので。」
「え!?もうですか?!1日しか経っておりませんが!」
「うん、過剰戦力だから、あ、国土ぉ・・・。」
「国土管理省です(ボソッ)」
「国土管理省の人とお話ししたいんですけどー。」
「はっ!呼びますので此方へどうぞ!」
フォインに連れられ、応接間の方へ案内され移動する。
「フォインさん。」
「はい!」
「めっちゃ虫居ましたよ。」
「・・・虫の魔物も増えてましたか。」
「増えてたとか言うレベルじゃ無かったです、もう発狂するかと思いました。」
「・・・申し訳ありません。」
謝罪をしつつ、部屋に案内すると、兵士に声をかけ人を呼びに行かせる、そして直ぐに数人の貴族が部屋に入ってきた。
「お待たせ致しました、国土管理をしておりますムダンラと申します。」
「どうも、チハルです。」
挨拶も程々に話を進める千春。
「最近大きな石とかを壊したり撤去しました?」
「・・・えー・・・!はい!王都の拡張工事で西の穀倉地帯の大岩を撤去致しました・・・何故それを?」
「今回のダンジョンの魔物氾濫はそれが原因らしいんです、調査したいのですが。」
「はい、直ぐに馬車の手配を致しますので!」
「いえ、飛んで行きますから大丈夫です、その石はどうなりました?」
「砕いて大方撤去しましたが。」
「んー、無いのかー、ルプどうする?」
「一度行ってみないと分かんねーな。」
「おっけー、行ってみよう!」
方角と距離を聞くと、千春達は外に出る。
「そういえばアルデア、日光大丈夫なの?」
「私は大丈夫よ、眷属は苦手にしてる子が多いけど。」
「イーナは?」
「あの子は私だもの、大丈夫よ。」
「・・・あれ?イーナどこ行った?」
「戻したわよ、食事の時は出してって念押しされたわ。」
困った顔をしながらも口元は笑いながら千春に答えるアルデア。
「それじゃ行くよーん。」
箒に跨る千春達、アルデアはコウモリに変わる、ビェリー、コンは頼子と美桜の肩に乗ると皆は飛び立つ。
「んー、あっちやね。」
「そうですね、龍脈は向こうから通ってるようです。」
「コン分かるの?」
「はい、やはり魔力と言うよりも龍脈に近いようですね。」
そして教えてもらった場所へ到着すると、大きな岩のかけらと掘り起こした穴が空いていた。
「穴デカいな。」
「この穴に岩があったんだよね・・・大きすぎでしょ。」
「結構深いよ?ここにまた岩置くの?」
「こりゃぁひと仕事あるなぁ。」
千春達は穴の横に来ると、下を恐る恐るのぞき込みながら、どうしたものかと呟いた。
「それは何処の国の挨拶かしら?」
「あー、えー、んーっと、遠いとこ。」
「食べる時も言ってたわね。」
「作った人に、食物に感謝、食べ終わって感謝する言葉だよ。」
「へぇ~そうなのね。」
千春とサフィーナ、頼子とビェリーで片付けをさっと終わらせると、帰る準備をする。
「アルデア、外に簡単に出れる方法ある?」
「コウモリになれる?」
「なれるわけないよ。」
「霧には?」
「無理!こう、脱出用魔法陣とか無いの?」
「無いわよ?」
「来た道戻るのかぁ、最終手段だすかぁ。」
「ちょっと待ってちょうだい。」
アルデアはダンジョンコアに手を触れると、何かを操作する。
「んー、コレね、何処に転移したいの?」
「え?出来るの?」
「コアのメニュー見たら有ったわ、転移先何処にする?」
「ダンジョンの出口でいんじゃ無いかな?」
「そう、転移先用の部屋を1階に作りましょう、出口を一方通行にしておけば良いわよね。」
コアがうっすら光ると玉座の後方に魔法陣が浮かび上がる。
「さ、行きましょうか。」
「あーい。」
千春達は魔法陣に入ると、薄暗い部屋に移動した。
「えーっと、コレね。」
アルデアが壁を触ると岩の扉が両方スライドし外が見えた。
「お、冒険者の視線が。」
「兵士も見てますやん。」
「そりゃ見るっしょ、作りたての部屋で見たことないでしょ、この出口。」
岩の扉を抜けると、兵士が走り、部隊長のダキルが、その後ろから筋肉ダルマのギルマス、アラシュが走ってきた。
「王女殿下!これは!?」
「あー、ダンジョン攻略したらココから帰れるらしいよー。」
「こ、攻略したのですか!?」
「うん、魔物もまた湧くだろうけど、大方殲滅しといたよー。」
ダキルとアラシュは目を見開きポカンとしている。
「1日で・・・50階層を攻略・・・。」
「そ、それで王女殿下、何か原因は分かりましたか?」
アラシュは本題を聞いてくる。
「うん、あ、ダキルさん、最近国内で大きな石とか、昔からある物撤去しました?」
「石ですか?石・・・どうでしょうか、私の耳には入っておりませんが。」
「それが何か関係があるので?」
アラシュは千春に問いかける。
「はい、龍脈・・・地脈?こっちだと何だろう、魔力の通る道が変わって、ダンジョンがそれを吸収しちゃってるみたいなんです、その流れが要石・・・その石とかが原因らしいんです。」
上手く説明が出来ず、悩みながら説明をする千春。
「ふむ、国土管理省の者なら把握しているかもしれんなぁ・・・あ、しれません。」
「普通に話してくれて良いですよ、で、その国土何ちゃらはお城です?」
「はい。」
「よし!王様に報告も有るし戻ろう!」
千春が言うと、ママドラ達はドラゴンになり、チハルもロイロの背に乗り王城へ向かった。
-----------------
「到着!」
「王女殿下!どうされました?!」
王国騎士団団長のフォインがドラゴンを見つけ走り寄ってくる。
「ダンジョン攻略終わったので。」
「え!?もうですか?!1日しか経っておりませんが!」
「うん、過剰戦力だから、あ、国土ぉ・・・。」
「国土管理省です(ボソッ)」
「国土管理省の人とお話ししたいんですけどー。」
「はっ!呼びますので此方へどうぞ!」
フォインに連れられ、応接間の方へ案内され移動する。
「フォインさん。」
「はい!」
「めっちゃ虫居ましたよ。」
「・・・虫の魔物も増えてましたか。」
「増えてたとか言うレベルじゃ無かったです、もう発狂するかと思いました。」
「・・・申し訳ありません。」
謝罪をしつつ、部屋に案内すると、兵士に声をかけ人を呼びに行かせる、そして直ぐに数人の貴族が部屋に入ってきた。
「お待たせ致しました、国土管理をしておりますムダンラと申します。」
「どうも、チハルです。」
挨拶も程々に話を進める千春。
「最近大きな石とかを壊したり撤去しました?」
「・・・えー・・・!はい!王都の拡張工事で西の穀倉地帯の大岩を撤去致しました・・・何故それを?」
「今回のダンジョンの魔物氾濫はそれが原因らしいんです、調査したいのですが。」
「はい、直ぐに馬車の手配を致しますので!」
「いえ、飛んで行きますから大丈夫です、その石はどうなりました?」
「砕いて大方撤去しましたが。」
「んー、無いのかー、ルプどうする?」
「一度行ってみないと分かんねーな。」
「おっけー、行ってみよう!」
方角と距離を聞くと、千春達は外に出る。
「そういえばアルデア、日光大丈夫なの?」
「私は大丈夫よ、眷属は苦手にしてる子が多いけど。」
「イーナは?」
「あの子は私だもの、大丈夫よ。」
「・・・あれ?イーナどこ行った?」
「戻したわよ、食事の時は出してって念押しされたわ。」
困った顔をしながらも口元は笑いながら千春に答えるアルデア。
「それじゃ行くよーん。」
箒に跨る千春達、アルデアはコウモリに変わる、ビェリー、コンは頼子と美桜の肩に乗ると皆は飛び立つ。
「んー、あっちやね。」
「そうですね、龍脈は向こうから通ってるようです。」
「コン分かるの?」
「はい、やはり魔力と言うよりも龍脈に近いようですね。」
そして教えてもらった場所へ到着すると、大きな岩のかけらと掘り起こした穴が空いていた。
「穴デカいな。」
「この穴に岩があったんだよね・・・大きすぎでしょ。」
「結構深いよ?ここにまた岩置くの?」
「こりゃぁひと仕事あるなぁ。」
千春達は穴の横に来ると、下を恐る恐るのぞき込みながら、どうしたものかと呟いた。
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