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最下層!

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「49階層!」
「うぇーぃ。」
「わーい。」
「ひゃっほぉ。」
「テンション低く無い?」
「だってほぼ何もしてないもん。」
「それなー、1番動いたのがさっきの朝ごはん準備じゃね?」
「マジそれ。」
 休憩した後49階層に降りてきた千春達はテンション低めにダンジョンに入る。

「・・・・ロイロ、魔力感知はどうだ?」
「おらんのぅ。」
「熱感知も無いばい。」
「お出かけかしら?」
「何処にですか、リリさん。」
「知らないわよー、でも魔物居ないんでしょ?」
 ロイロ達は魔法や感知で探索するが、魔物が居なかった。

「ふむ、他のエリアと違って狭いのぅ、尚更怪しいのぅ。」
「ロイロ、このエリアは気を付けなさい。」
「母は分かるのか?」
「魔物は分からないけど、魔力吸収発動型の魔法陣が有るわ。」
 ママドラはドラゴニュートの姿で前を見ている、目がうっすらと光り、中央を見ている。

「どんな魔法陣かわかるのか?」
「さぁ、発動させないと分からないわねぇ。」
「ふむ、魔力吸収か、面倒じゃのう。」
 ロイロとママドラは中央を見ながら呟く。

「魔力吸収って事は、人が行けば発動するの?」
「魔物でも発動するじゃろ、魔石に魔力が溜まっておるからのぅ。」
「んじゃ魔石投げてみる?」
 千春が言うとロイロは首を傾げながら答える。

「魔石で効果が分かれば良いが、ろくな罠じゃ無いじゃろうな。」
「チハルさん!ゴーレム置いたらどうです?」
 モリアンが話を聞きながら言う。

「ゴーレム?」
「はい、ビェリーちゃんがアイアンゴーレム捕獲してますよね?まだ、動いてますよね、あれ。」
「ビェリー、アイアンゴーレム生きてる?」
「生きとーか知らんけど、動いとーよ。」
「それ中央に出せる?」
「出せるばい。」
「んじゃお願い。」
「皆んな固まって、保護掛けるわ。」
 ビェリーが前に出ると、ママドラは魔法を掛ける。

「出すばーい、ほい。」

ガシャ!

「・・・何も起きないね。」
 中央に出されたアイアンゴーレムはムクリと立ち上がると、千春達の方を向きゆっくり歩き出す、すると地面と天井に魔法陣が浮かび上がる。

ドォゥゥン!

「うぁぁ!耳痛い!」
「何今の!雷?!」
 アイアンゴーレムを見ると黄色く発光しながら溶けて行く。

「ヤバ、溶けてるよ!?」
「これ連続で来るのかな。」
「それは無いじゃろ、今は溜まった魔力が解放されたんじゃ、相当溜めてたんじゃろうなぁ。」
「ビェリー試しにもう一匹出してー。」
 千春が言うと、ビェリーはもう一体のアイアンゴーレムを中央に置く。

ドォゥン!

「溶けてないけど壊れたね。」
 アイアンゴーレムは溶けず崩れ落ちる。

「ビェリー、もう一体あったろ。」
 ルプは面白そうに言うと、ビェリーは再度アイアンゴーレムを中央に出す。

バチッ!

「魔力尽きた?」
「みたいじゃな、時間を置けば龍脈からまた魔力が補充されるじゃろ、行くなら今のうちにじゃな。」
 まだ動けるアイアンゴーレムはビェリーが収納、壊れたゴーレムも回収すると、ロイロが結界魔法を上書きする。

「よし、行くぞ。」
 皆はドラゴンの背中に乗ると、一気に出口まで飛んでいく。

「これ気付かずに通ったら全滅だったよね。」
「アイアンゴーレムが溶けたからのぅ、ドラゴンでも危ういわ。」
 最下層の階段を降りながら話をする千春とロイロ、そして最下層の部屋に到着する。

「あら、いらっしゃい、ダンジョンを暴れ回ってたのはあなた達ね。」
 台座に真っ黒な石が有り、玉座に座る女性が千春達に声を掛ける。

「・・・え?」
 千春は思考が追いつかずロイロを見るが、ロイロもキョトンとした顔で女性を見ていた。

「そんな所に立ってないでお座りなさいな。」
 女性が手を翳すと、地面から洒落たテーブルと椅子が出てくる。

「えー・・あのー。」
「何かしら?」
「ここってダンジョンの最下層ですよね?」
「えぇそうよ、コレがダンジョンコア、私はダンジョンマスターをやっているわ。」
 ニコニコと返答する女性は手を椅子に向け、座る様に促す。

「あなた達が一通り魔物を倒してくれたから助かったわ、いえ、ダンジョンを破壊しないでくれて有り難うと言うべきかしら?」
「見てたんです?」
「勿論よ。あー、自己紹介してなかったわね、私はアルデア・ド・ルシー、真祖のバンパイアよ。」
「私はチハル・アル・ジブラロールです・・・バンパイアァァ?!」
「ジブラロール・・・聞いた事あるわね、貴女王族なの?」
「一応?」
 自己紹介をすると、アルデアは微笑む。

「フフッ面白い子ね、っと、話が逸れたわね、最近魔力の流れが変わったのか、異常に魔力が溜まってダンジョンの魔力がオーバーフローしてたの、無駄に消費させても追いつかなくて困ってたのよ。」
「その原因は見当が付いてますので、地上に戻って対策する予定なんです。」
「そうなの!?はぁぁぁ助かるわぁ、それじゃぁお礼しなくちゃいけないわね♪」
「お礼ですか?」
「えぇ、50階層到達した報酬も一緒にあげるわね。」
 そう言うとアルデアは空間から大きな魔石を10個取り出す。

「でかっ!え?!アイテムボックス?!」
「あら、貴女この魔法知ってるの?珍しいわね。」
 千春は超絶美女の胸元を見て納得する。

「私も使えるので、それで、それは?」
「コレは49階層のカオスドラゴンの魔石よ。」
「え?49階層居ませんでしたよ?」
「あー、まだ沸いてないわね、私が狩ったり、バカだから魔法陣に自分で突っ込んで死ぬのよ。」
「何で狩るんです?」
「溜まった魔力の消費ね、今の所これが一番効率良いの、追いついてないから他の階層でも魔物が増え過ぎちゃってるけど。」
 ため息を吐きながらアルデアは呟く。

「はい、持っていってね。」
「はぁ、ありがとう。」
「あと、個人的なお願いが有るんだけど・・・。」
「何ですか?」
「あなた達が食べてた食事って私も食べれない?」
「バンパイアって血じゃ無いんです?」
「血なんて10日に一回、一滴でも良いのよ、血ばっかり飲んでられないわ・・・で、ダメ?」
 上目遣いで、胸は残念だが超絶美女のアルデアが千春に言う。

「んーーー、おっけー!ちょっと早いけどお昼にしよう!」
 千春はそう言うと立ち上がり、腕まくりする、そして頼子達、サフィーナ達を見ると皆は笑いながら頷いていた。







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