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「ありがとう御座います、王女殿下。」
ベンと名乗る船長が千春にお礼を言う。
「気にしないでください、お父様のお願いですし、お礼はハース伯爵に言ってください。」
千春は肉を切りながら笑顔で答える。
「しかし、王女殿下自ら料理とは、あの噂は本当でしたか。」
「噂?」
「はい、ジブラロール王国の料理がここ数ヶ月で格段に美味しく、素晴らしい物になったと、その料理は王女殿下が開発したとの事で。」
ベンは千春にそう伝えると、千春は恥ずかしそうに笑みを浮かべる。
「千春、ロイロちゃん帰って来たよ。」
頼子が空を見上げながら指をさす。
『あっちは完了じゃ。』
「ロイロお疲れ様、ビェリー船もお願い出来る?」
「任せりー!」
頼子が箒に乗り、ビェリーを連れていく、そして座礁した船を回収する。
「あの船壊れてた?」
「んーにゃ、見たとこ穴も無さそうだし、浅瀬に乗り上げただけっぽいよ。」
「ベンさん、船どうします?」
「私も船員と確認しましたが、問題ない筈です、沖に出して頂ければ自走できる筈なので。」
頼子とビェリー、そしてロイロが船長と数人の船員を運び、沖に船を出す。
「オッケーかな。」
千春が呟くと、商人の男がお礼を言う。
「王女殿下ありがとう御座いました、後はこちらで対処出来ます。」
「分かりました、それでは私達は街に戻りますね。」
「お礼は後ほどさせていただきますので。」
「大丈夫ですよー、困った時はお互い様です!」
はぁ、と、商人は返事をすると呆ける、商人はどれだけの対価を払うか考えていたが、千春は断ったからだ。
「よーし!片付けて帰るよー!」
「おー!海が待ってるぜー!」
「泳げるよね?」
ミオとレナは既に遊びモードだ、そしてサフィーナは纏めてアイテムボックスに道具を入れると、皆箒に乗ってエンハルトの所へ戻った。
------------------
「静かになったな。」
「はい、終わったのでしょうか。」
エンハルトとナラーシャは島の方を見ながら呟く、ナラーシャは数人の戦士達に指示をし、偵察に行かせる。
「ナラーシャ、お前達の国はかなり北だが、何故この国の海域まで来たんだ?」
ふと疑問に思ったエンハルトはナラーシャに問いかける。
「女王様の指示です、マーメイドやセイレーン、他にも海で生活する種族の手助けをするのが私達の使命です。」
「確かに父上はフリエンツ王国が領内に入っても何も言わないが。」
「はい、昔の事ですが、フリエンツ王国はエイダン国王陛下、マルグリット王妃殿下に大きな借りが有ると言われていました、国王陛下、王妃殿下は見返りは要らないと言って帰ったそうですが。」
「父上と母上なら言いそうだなぁ。」
話しを聞きながら海を見るエンハルト、暫くするとロイロが見え、千春達も見えて来た。
「ただいま!ハルト!」
「おかえり、船はどうだった?」
「治療も終わったし、船も沖に移動したから自力で港に来るってさ。」
「そうか、お疲れ様、ロイロ達もありがとう。」
「大した事は無かったぞ、なぁルプ。」
「最後の1匹は面倒だったろ。」
「そうじゃったか?」
「ロイロ、わっちが持ってる魔物どうするん?」
ビェリーはロイロに言う。
「チハル、魔物いるかの?」
「いらなーい。」
「だそうじゃ、領主に押し付けるかの。」
港を後にし、領主邸に戻ると、ハース伯爵の庭に大量の魔物が並べられる。
「・・・・あの・・・殿下?」
「ん?」
「コレをどうしろと。」
「好きな様にして良いぞ。」
「いや、好きな様にと言われましても!」
庭に山積みにされたサーペントを見てハース伯爵は言葉に詰まる。
「ま、まずは解体だ!冒険者ギルド、商業ギルド、漁師ギルドに連絡しろ!」
ハース伯爵は執事に言うと、メイドや従者が街へ走っていった。
「さ、私達は海に行こう!」
「やっと泳げるね。」
千春と頼子が言うと、美桜と麗奈も笑顔で頷く、そして目を回す程忙しそうにするハース伯爵を放置し、千春達は海へ移動した。
「ルプー。」
「更衣室か?」
「わかってるぅ~♪」
以前と同じく、ルプは土魔法で囲いを作り、簡易更衣室を作る、そして着替え終わり更衣室から出ると、エーデルとホーキンは急いで後ろを向く。
「あ、懐かしい光景。」
「そりゃそうだろう、下着より少ない布で隠した所で、俺達からすれば裸を見てる感覚なんだぞ。」
「でもハルトとアリンは慣れたでしょ。」
「まぁな。」
エンハルトはそう言いつつも視線は千春から外している。
「お待たせー!」
頼子と美桜、麗奈も出てくる、そして男性陣は皆海だけを見ていた。
「なに?どうしたの?エーデルさん達。」
「こっちじゃ日本の水着は刺激が強いらしいよ。」
「えー、人魚さん達なんてもっと過激じゃん。」
「アレはアレ、コレはコレ、らしいよ。」
「ふーん、エーデルさーん!」
美桜は揶揄う様にエーデルの前に行き話しかける。
「どう?」
「はい!綺麗です!可愛いです!」
「海見てるじゃん。」
「いえ!・・・・はい、綺麗です!」
チラッと美桜を見る、そしてまた海を見るエーデル。
「ミオー、そのうち慣れるから海行くよー。」
「ほいほーい。」
千春に言われ美桜も皆の所に行き海へ入る、そして持って来たビーチボールで遊んだ。
「はぁー!ちょっと休憩!」
サフィーナの所に戻った千春は飲み物を受け取り砂浜に座る。
「楽しいですか?チハル。」
「うん、サフィーも海入る?」
「入りません。」
「もったいなーい、綺麗な海なのにー。」
サフィーナと話しをしていると、ロイロが立ち上がり海を見つめる。
「ロイロどうしたん?」
「何か来たな。」
「魔物?!」
「いや、セイレーン達だがナラーシャ達とは違うな。」
そして海を見ていると、人魚が先導し、海を滑る様に近寄る数人の人影が見えた。
「あ!イルカに乗ってる!」
「イルカにしてはデカくない?」
「シャチじゃん?」
「クジラっしょ。」
かなりの速度で近付く人影を見ながら話しをしていると、あっという間に砂浜までたどり着いた、そしてシャチ程の大きな動物から飛び降りると、1人の女性が千春の所まで駆け寄る。
「あの人の居場所を知っているのはどなた!?」
「あの人?」
「ガゥアンです!ドラゴンです!海神です!」
「あー、リバイアサンさん?」
「そうです!何処です?!何処にいるんですか?!」
グイグイと千春に詰め寄り、千春は一歩下がるが、下がれば詰めてくる女性。
「女王様!落ち着いてください!」
後から走って来た女性に言われ、一瞬我を取り戻すが、千春と目が合うとまた詰め寄る。
「私のダーリンは何処ですかぁ!」
ベンと名乗る船長が千春にお礼を言う。
「気にしないでください、お父様のお願いですし、お礼はハース伯爵に言ってください。」
千春は肉を切りながら笑顔で答える。
「しかし、王女殿下自ら料理とは、あの噂は本当でしたか。」
「噂?」
「はい、ジブラロール王国の料理がここ数ヶ月で格段に美味しく、素晴らしい物になったと、その料理は王女殿下が開発したとの事で。」
ベンは千春にそう伝えると、千春は恥ずかしそうに笑みを浮かべる。
「千春、ロイロちゃん帰って来たよ。」
頼子が空を見上げながら指をさす。
『あっちは完了じゃ。』
「ロイロお疲れ様、ビェリー船もお願い出来る?」
「任せりー!」
頼子が箒に乗り、ビェリーを連れていく、そして座礁した船を回収する。
「あの船壊れてた?」
「んーにゃ、見たとこ穴も無さそうだし、浅瀬に乗り上げただけっぽいよ。」
「ベンさん、船どうします?」
「私も船員と確認しましたが、問題ない筈です、沖に出して頂ければ自走できる筈なので。」
頼子とビェリー、そしてロイロが船長と数人の船員を運び、沖に船を出す。
「オッケーかな。」
千春が呟くと、商人の男がお礼を言う。
「王女殿下ありがとう御座いました、後はこちらで対処出来ます。」
「分かりました、それでは私達は街に戻りますね。」
「お礼は後ほどさせていただきますので。」
「大丈夫ですよー、困った時はお互い様です!」
はぁ、と、商人は返事をすると呆ける、商人はどれだけの対価を払うか考えていたが、千春は断ったからだ。
「よーし!片付けて帰るよー!」
「おー!海が待ってるぜー!」
「泳げるよね?」
ミオとレナは既に遊びモードだ、そしてサフィーナは纏めてアイテムボックスに道具を入れると、皆箒に乗ってエンハルトの所へ戻った。
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「静かになったな。」
「はい、終わったのでしょうか。」
エンハルトとナラーシャは島の方を見ながら呟く、ナラーシャは数人の戦士達に指示をし、偵察に行かせる。
「ナラーシャ、お前達の国はかなり北だが、何故この国の海域まで来たんだ?」
ふと疑問に思ったエンハルトはナラーシャに問いかける。
「女王様の指示です、マーメイドやセイレーン、他にも海で生活する種族の手助けをするのが私達の使命です。」
「確かに父上はフリエンツ王国が領内に入っても何も言わないが。」
「はい、昔の事ですが、フリエンツ王国はエイダン国王陛下、マルグリット王妃殿下に大きな借りが有ると言われていました、国王陛下、王妃殿下は見返りは要らないと言って帰ったそうですが。」
「父上と母上なら言いそうだなぁ。」
話しを聞きながら海を見るエンハルト、暫くするとロイロが見え、千春達も見えて来た。
「ただいま!ハルト!」
「おかえり、船はどうだった?」
「治療も終わったし、船も沖に移動したから自力で港に来るってさ。」
「そうか、お疲れ様、ロイロ達もありがとう。」
「大した事は無かったぞ、なぁルプ。」
「最後の1匹は面倒だったろ。」
「そうじゃったか?」
「ロイロ、わっちが持ってる魔物どうするん?」
ビェリーはロイロに言う。
「チハル、魔物いるかの?」
「いらなーい。」
「だそうじゃ、領主に押し付けるかの。」
港を後にし、領主邸に戻ると、ハース伯爵の庭に大量の魔物が並べられる。
「・・・・あの・・・殿下?」
「ん?」
「コレをどうしろと。」
「好きな様にして良いぞ。」
「いや、好きな様にと言われましても!」
庭に山積みにされたサーペントを見てハース伯爵は言葉に詰まる。
「ま、まずは解体だ!冒険者ギルド、商業ギルド、漁師ギルドに連絡しろ!」
ハース伯爵は執事に言うと、メイドや従者が街へ走っていった。
「さ、私達は海に行こう!」
「やっと泳げるね。」
千春と頼子が言うと、美桜と麗奈も笑顔で頷く、そして目を回す程忙しそうにするハース伯爵を放置し、千春達は海へ移動した。
「ルプー。」
「更衣室か?」
「わかってるぅ~♪」
以前と同じく、ルプは土魔法で囲いを作り、簡易更衣室を作る、そして着替え終わり更衣室から出ると、エーデルとホーキンは急いで後ろを向く。
「あ、懐かしい光景。」
「そりゃそうだろう、下着より少ない布で隠した所で、俺達からすれば裸を見てる感覚なんだぞ。」
「でもハルトとアリンは慣れたでしょ。」
「まぁな。」
エンハルトはそう言いつつも視線は千春から外している。
「お待たせー!」
頼子と美桜、麗奈も出てくる、そして男性陣は皆海だけを見ていた。
「なに?どうしたの?エーデルさん達。」
「こっちじゃ日本の水着は刺激が強いらしいよ。」
「えー、人魚さん達なんてもっと過激じゃん。」
「アレはアレ、コレはコレ、らしいよ。」
「ふーん、エーデルさーん!」
美桜は揶揄う様にエーデルの前に行き話しかける。
「どう?」
「はい!綺麗です!可愛いです!」
「海見てるじゃん。」
「いえ!・・・・はい、綺麗です!」
チラッと美桜を見る、そしてまた海を見るエーデル。
「ミオー、そのうち慣れるから海行くよー。」
「ほいほーい。」
千春に言われ美桜も皆の所に行き海へ入る、そして持って来たビーチボールで遊んだ。
「はぁー!ちょっと休憩!」
サフィーナの所に戻った千春は飲み物を受け取り砂浜に座る。
「楽しいですか?チハル。」
「うん、サフィーも海入る?」
「入りません。」
「もったいなーい、綺麗な海なのにー。」
サフィーナと話しをしていると、ロイロが立ち上がり海を見つめる。
「ロイロどうしたん?」
「何か来たな。」
「魔物?!」
「いや、セイレーン達だがナラーシャ達とは違うな。」
そして海を見ていると、人魚が先導し、海を滑る様に近寄る数人の人影が見えた。
「あ!イルカに乗ってる!」
「イルカにしてはデカくない?」
「シャチじゃん?」
「クジラっしょ。」
かなりの速度で近付く人影を見ながら話しをしていると、あっという間に砂浜までたどり着いた、そしてシャチ程の大きな動物から飛び降りると、1人の女性が千春の所まで駆け寄る。
「あの人の居場所を知っているのはどなた!?」
「あの人?」
「ガゥアンです!ドラゴンです!海神です!」
「あー、リバイアサンさん?」
「そうです!何処です?!何処にいるんですか?!」
グイグイと千春に詰め寄り、千春は一歩下がるが、下がれば詰めてくる女性。
「女王様!落ち着いてください!」
後から走って来た女性に言われ、一瞬我を取り戻すが、千春と目が合うとまた詰め寄る。
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