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ガトーショコラとローズクッキー!

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「それじゃ私はガトーショコラ、ミオはチョコクッキーね。」
「私は?」
「チョコ溶かして混ぜ混ぜしてて。」
「オッケー。」
「僕も手伝います!」
「コンってチョコ食べても大丈夫?」
「はい!すでにキツネとしての体とは違いますから!」
「そっか、それじゃ小麦粉とココアパウダーをふるいにかけてくれる?」
「はい!」
「サリナ、オーブンを180℃でお願い。」
「了解です。」
「ルプもチョコ大丈夫なのかな。」
 ふと頭をよぎりルプに聞きに行く。

「ルプー。」
「ん?手伝うか?」
「その体じゃ手伝えないでしょ。」
「フッ、ロイロ達に教えてもらってな、見てろ。」
 そう言うとルプが人形に変化する。

「うぉ!・・・・狼男じゃん。」
「完全な人型になる必要もないだろ。」
「なんで覚えたの?」
「・・・酒が呑みやすい様にな。」
「酒かい!」
「で?手伝うのか?」
「いや、手伝いはいいよ、それよりルプって犬じゃん?」
「狼だけどな。」
「似たようなもんじゃん、チョコ食べても大丈夫?」
「さぁ?大丈夫じゃ無いか?この前食べても大丈夫だったぞ。」
「え?!食べたっけ?」
「あぁ、千春が出したお菓子に入ってたぞ。」
「マジかごめん気をつけるわ。」
 千春はそれだけ聞くと厨房へ戻る。

「どうだった?」
「狼男だったわ。」
「へ?」
「うぉ?!狼男だ!」
「おー!狼の獣人じゃん。」
「カッコいいな。」
「お?ミオ浮気か?」
「ちがうもーん。」
 皆の反応を見て満足したのかルプはそのまま応接間に戻る。

「サフィー卵とグラニュー糖混ぜてー。」
「はい。」
「ヨリ、はいこれ、無塩バターと温めた牛乳。」
「オッケー、チョコに混ぜるのね。」
 手際良く皆が材料を混ぜて行く。

「ミオどう?」
「あ、チハル絞り袋ある?」
「あーローズクッキーにすんのか、あるよーん。」
「サンキュー。」
 ミオは順調に生地を作って行く。

「いい匂い!何が出来るのかしら?!」
「リリ、チョコのお菓子だよ。」
「チョコ?」
「うん、これだよ。」
 千春は砕いた板チョコを摘みリリに渡す。

「・・・美味しいわ!」
「こっちはカカオとかあんのかな。」
「カカオ・・・聞いたことないですわねー。」
「コレなんだけど。」
 千春はスマホで検索して画像を見せる。

「あ、ありますわ!エルフ達が薬として採ってましたわ!」
「あるんかーい。」
「千春カカオ豆からチョコ作れんの?」
 何気に頼子が千春へ聞くが

「・・・むり。」
「えー!作れませんのー?」
「うん、クッソめんどくさい。」
 嫌そうに千春は言いながらお菓子作りを続ける。

「チハルー、全部混ぜるよー。」
「ほーい、ホールとカップケーキ2種類作ろう。」
 アイテムボックスからケーキの型枠と百均で買ったカップケーキの容器を並べる。

「この中に流し込んでね。」
「りょー。」
 ミオも天板を置き準備が出来ている。

「チハル、クッキングシートない?」
「あるよん。」
「本当なんでも有るなぁ。」
 美桜はクッキングシートを天板に敷くと絞り袋からムニュムニュと生地を絞り形を作って行く。

「よし!あとは焼くだけ!」
「お疲れー。」
 ふと窓を見ると麗奈がアミと一緒にフヨフヨ浮きながら窓から見ていた。

「終わったー?」
「あとは焼くだけー、レナも出来た?」
「うん、MP足んなくてロイロさんに手伝ってもらったわ。」
「それじゃ焼けるまで箒に乗って遊ぶか。」
「おー!」
 モリアンが別の部屋から人数分の箒を持ってくるとみんなで魔石を付け跨る。

「こうしてー、浮く?」
「そうそう、ちょっと蹴ったら良いよ。」
 美桜に教えてもらいながら千春が地面を蹴ると空中で停止する。

「すっご!魔女じゃん!」
「だねー。」
「千春見て!浮いた!」
 頼子もフヨフヨと浮いている。

「桜の上まで行くよーん。」
 麗奈がリリとアミを引き連れグングンと上に登る。

「うわぁ怖っ。」
 千春と美桜はビビりつつも少しずつ高度をあげる、頼子はスイスイと蛇行しながら上に向かう。

「おー!良い眺め!」
「凄い高い!怖い!」
「王都一望出来るじゃん。」
「コン、落ちたら助けてね。」
「わかりました!」
 麗奈と頼子は眺めを堪能しているが、千春と美桜はビビりまくってそれどころじゃ無かった。

「ちょっと低い所で練習しよか。」
「そうして!」
「そっちが最初じゃね?!」
「チハルとミオビビりすぎじゃん。」
 景色どころでは無い2人を麗奈と頼子は笑いつつゆっくり高度を下げながら飛ぶ。

「コレくらい?」
「もうちょい下で!」
「まだ高い!」
 結局1階の天井より低い高さで練習する事になる。

「チハルさん、そろそろ焼けた様ですよ。」
 サリナが千春に声をかけてきた。

「どう?」
「ケーキが黒いので焼けているかどうか判断し難いのですが。」
 渡しておいたキッチンタイマーが鳴っている。

「みんなー焼けたみたいだよー!」
 皆は返事こそするものの降りてこない。

「まぁ良いや、どうせ冷やしてから食べるし。」
 千春は箒を立てかけ厨房に入りオーブンからガトーショコラを出す。

「焼けてますか?」
「待ってねー。」
 サフィーナとサリナが千春の手元にある真っ黒なガトーショコラを見ながら問いかける。

「この竹串で刺して生地が付かなければおっけー・・・・うん、出来てるね。」
「あとは冷えるのを待つんですよね、いつもの様に私が冷やしますか?」
 サフィーナが冷やす料理でいつも使う氷魔法を軽く手の中に発動させ聞く。

「いんや!自然に冷やす!まだ私も飛びたい!」
 そう言うと千春はガトーショコラとクッキーを置き、また庭に駆け出す、そして昼食の時間になるまで4人は空中散歩の練習を続けた。






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