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箒に乗って街までごはん!

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「チハルーそろそろお昼ですよー。」
 サフィーナが箒に乗って飛んでいる千春に声をかける。

「えーもうそんな時間?」
「はい、食堂から持ってきましょうか。」
「んー、ヨリお昼ご飯どうする?」
「なにー?お昼?」
「うん、お昼ご飯食堂行く?」
「このまま街に食べに行くとか。」
「飛んでいくって事?」
「そ、楽しそうじゃん。」
 そういうとサフィーナが待ったをかける。

「それですと私たちが護衛出来ません。」
「えー護衛いるのー?」
「もちろんです。」
「レナ、サフィーちゃんの魔道具は?」
「まだ出来てないよ。」
「んじゃしゃーないねぇ。」
 麗奈と美桜がサフィーナに言われ諦める。

「ロイロさーん、私とサフィーさんとサリナさん乗せて飛べます?」
「3人くらいなら余裕じゃぞ、なんじゃ街に繰り出すのか。」
「お昼にチハルさんたちが街に箒で行きたいみたいなんですよー。」
 モリアンがロイロに聞くと問題ないと返事をする。

「はぁ、それじゃぁ皆さん着替えましょうか。」
「あー、それがあったか、簡単なのでお願い!」
「はい、それじゃ街娘風で行きましょう。」
 千春達4人とサフィーナ達侍女3人は街用の服に着替える。

「モリー、街にお出かけするって伝言してほしいんだけどー。」
「了解です、ほかの侍女に伝言させて来ますので準備しておいてください!」
 モリアンは待機している侍女へ伝言に走らせる。

「王妃殿下とハルト殿下で良いんですよね?」
「うん、それじゃ行きましょー。」
「おー!」
 ロイロがサフィーナ達を背中に乗せると、千春達4人は箒に乗って浮き上がる。

「ルプはどうすんの?」
「俺は問題ない、このまま街まで走り抜ける。」
 人型ではないいつものスタイルで千春に答えるルプ。

「それじゃいっくよーん!」
「れっつごー!」
「ひゃっほー!」
「よっしゃー!」
 千春の掛け声でグングンと上昇する4人とロイロ。

「それじゃこの前ハルトに連れて行ってもらったスイーツ屋さんに行こう!」
「私がロイロに教えますので付いてきてください。」
 サフィーナはロイロに店の方向をいうとロイロは了解したと言い進みだす。

『チハル付いて来れるか?』
「大丈夫ーこれくらいの速度でお願い!」
 千春が後ろを見ると皆も余裕で飛んできている。

「うん、練習した甲斐があったねー。」
「そだね、これくらいなら普通に飛べるね、ミオ大丈夫ー?」
「だいじょばないけど大丈夫!」
 美桜はがっちり箒を握りしめ麗奈と頼子に挟まれ飛んでいる。

「チハルはもう余裕っぽいね。」
「うん!慣れたよーん。」
 頼子に笑顔で答える千春。

「ロイロあそこです。」
『直接降りて良いのか?』
「今更でしょう、店の前に人だかりはありませんし降りましょう。」
 ロイロとサフィーナがそう話をするとロイロが羽を何度か羽ばたきゆっくりと着地する。

「ルプは付いて来れたかな。」
「あそこ居るよ。」
 麗奈が指さす方を見ると屋根の上を軽く跳ねながら付いて来ていた。

「みんな揃ったー?」
「大丈夫だね。」
「俺も今日は人型で食うか。」
「わっちもー。」
「僕も!」
 ルプが獣人風になりビェリーとコンはショタな男の子に変化する。

「いちにいさん・・・11人+αだね。」
「プラスアルファって?」
「リリ。」
 千春は麗奈の頭に乗ってるリリを見る。

「まぁ一人扱いには小さいな!」
「でしょ、まぁこんだけいたら誤差だけど。」
 そういって千春はお店に入ると人数を言って席に案内される。

「私ホットケーキホイップクリームモリモリで!」
「ウチもそれー!」
「「私もー!」」
「サフィー達もそれでいい?」
「はい、お任せで。」
「お任せというかそれがいいです!!!」
「えっと良いんですか?」
「サリナ今更じゃん、遠慮しなくていいよ、そこのペット4人も同じで良い?」
「儂もこの姿でペットと言うんじゃな、まぁ同じで良いぞ。」
「ロイロ諦めろ。」
「ロイロさん、もう僕は諦めました!」
「わっちはとっくに諦めとーよ。」
 ペット枠の4人は苦笑いしながら話す。

「リリは私と食べよう、一人分なんて食べれないでしょ。」
「流石に無理ですわ、レナと一緒に食べます。」
 リリはテーブルに座り麗奈と話す、そしてしばらくするとホットケーキが並べられる。

「おいしそうー!!!!」
「うはー!これは絶対おいしい奴だ!」
「んー!良い匂い!」
 美桜、頼子、麗奈はホットケーキホイップモリモリを見て喜びの声を上げる。

「ふっふっふ、みんなこれを見よ!!!」
 千春はそういうとアイテムボックスから器を出す。

「じゃっじゃーん!溶けたチョコレートー!」
「え!千春持ってきたの!?」
「うん、さっき作ったお菓子の残り物だけどね。」
 千春は大きめのスプーンも取り出し溶けたチョコをすくうと、ホットケーキに垂らしていく。

「はーいチョコいるひとー。」
「「「「「「「「はーい!」」」」」」」」
 ロイロとルプ以外手を挙げた。

「ルプいらない?」
「余ったらかけてくれ。」
「まぁ儂も余るようなら掛けてもらうかの。」
「結構あるから余裕で余るっしょ。」
 皆はそれぞれチョコソースをかけていく、そしてルプの所に回って来た時にはほぼ無かった。

「まぁそうなるだろうなとは思ったが。」
「そりゃそうじゃろ、十分甘いから儂はこれで良いがな。」
「俺もだ。」
 笑いながらロイロとルプはホットケーキを食べる。

「チョコかけホットケーキホイップモリモリうまぁ!」
「マジ美味いんだが!」
「ウマウマー。」
「おいしいですわぁ。」
 皆笑顔でホットケーキを頬張る、そして千春の所に店長らしき人物が来る。

「チハル王女殿下、ご来店有難うございます。」
「いえ!こちらこそ美味しく頂いてます!」
「所でその黒いソースは・・・。」
「あー、チョコソースです。」
 そういうと千春はアイテムボックスから板チョコを出す。

「これを溶かして掛けたんですよ。」
「これはどちらで購入出来るのでしょうか。」
「あー、王国じゃ無理かなー・・・。」
「チハル!村に帰ってエルフに作らせましょうよ!」
「えーマジで?」
「マジですわー!」
 リリが興奮気味に千春へ言う。

「んー・・・。」
「どうしたん千春、チョコの作り方ググって教えるだけじゃん?」
「その工程を知ってるからなぁ、マジめんどくさいよ?」
「マジで?」
「マジマジのマジ。」
「ダメ元で教えたら?」
 千春と頼子が言い合っていると美桜が言ってくる。

「んー、そうだね、よし!リリ食べ終わったら村連れてって。」
「了解よ!チョコーですわー!!!」
 うれしそうに跳ね回るリリ、そして千春以外の皆は笑顔でリリを見ていた。

「マジかー・・・。」
 千春はポツリと呟き、ホットケーキを口に運んだ。



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