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女装と復讐 -完結編-
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そんな《デビュー前の非公開の水着撮影》と《カメラマンに告白された》という自身のブログへの2つの書き込みが、何故かどこかで混ぜ合わさって、いつしか《デビュー前にセクハラ紛いの行為があった》と、あずさのファンのあいだで全く意味の違う解釈へと変わり、広まってしまった。
あずさも早くそれに気付き、慌てて削除したことが、更に誤解を招いて事態を悪化させ、その波紋に勢いが付いて…もうあずさ一人では撤回措置が講じれないほど大きくなってしまった…。
結局…雄二さんだけがこの件の真実と《罪なき罪》を負い、高須賀家のご両親に深く謝罪し、冴嶋プロダクションとの関係も解消して行方知れずとなった…犠牲となったことで、この件は誰も傷付かせることもなく、その記憶は徐々に薄らぎ解消されていった…。
『…その後の雄二の生い立ちは、あなた達の知ってのとおりよね…』
僕も詩織も、アンナさんに頷いて見せた。
それから雄二さんはここ…藤浦市へと帰ってきて、プロのカメラマンとしての再活動を細々と始めた。
雄二さんが30歳でアンナさんが18歳のとき、2人は《フリーのプロカメラマン》と、雇われた《美容専門学校通いの、モデルのメイク担当のアルバイト生》として出逢い、3年後…つまりアンナさんが専門学校を卒業してから1年後、雄二さんはアンナさんに真新しい美容院《クローシュ・ドレ》をプレゼントして…美容院の当時の店長は仮に、ベテラン美容師だった雄二さんのお母さんが務めることに。
アンナさんは若くしてこの美容院の《美容院の将来の店長》となった。
詩織とアンナさんが初めて出会ったのも、美容院がオープンしたこの年。詩織は当時11歳。
更に4年後…雄二さんの撮った《詩織の15歳の誕生日の記念写真》が、フランスのとある有名な写真家の目に留まり、高く評価されて…そして現在に至る。
ちなみに余談だけど…詩織が園原智恵先生の《園原社交ダンス教室》で、社交ダンス大会の出場のための練習中…信頼していたダンスパートナーの高校2年生の男子に、お尻を触られ大泣きしたのは、詩織が14歳のとき…。
あの事件以来、詩織は《他人男性嫌悪症及び恐怖症》の心傷を負うことに…。
本当に余談だったけど…。
『あのぉ…アンナさん』
『うん。なに?詩織』
『えっとね…私、ひとつだけ気になったことがあるんだけど…』
『気になったこと…って?』
詩織の気になったこと…それは《雄二さんが鈴ちゃんを冴嶋社長に紹介した》という、冴島社長のあの一言だった。
確かに…僕もそれ気になる。
『あの話は本当よ。この美容院がオープンする5ヶ月前の、同年の4月のことなの』
鈴ちゃんは15歳で《G.F.》デビューし、11月に16歳となったその年末の《G.F.アワード》でアワード受賞者に選ばれて…そして翌年の3月の素人モデルの撮影の日…。
その日の撮影に、撮影テクニックの指導をしてほしいとの依頼で来ていた雄二さん。
鈴ちゃんの撮影が始まる直前になって、急に『この子は俺に撮らせてくれないか』と…。
あずさも早くそれに気付き、慌てて削除したことが、更に誤解を招いて事態を悪化させ、その波紋に勢いが付いて…もうあずさ一人では撤回措置が講じれないほど大きくなってしまった…。
結局…雄二さんだけがこの件の真実と《罪なき罪》を負い、高須賀家のご両親に深く謝罪し、冴嶋プロダクションとの関係も解消して行方知れずとなった…犠牲となったことで、この件は誰も傷付かせることもなく、その記憶は徐々に薄らぎ解消されていった…。
『…その後の雄二の生い立ちは、あなた達の知ってのとおりよね…』
僕も詩織も、アンナさんに頷いて見せた。
それから雄二さんはここ…藤浦市へと帰ってきて、プロのカメラマンとしての再活動を細々と始めた。
雄二さんが30歳でアンナさんが18歳のとき、2人は《フリーのプロカメラマン》と、雇われた《美容専門学校通いの、モデルのメイク担当のアルバイト生》として出逢い、3年後…つまりアンナさんが専門学校を卒業してから1年後、雄二さんはアンナさんに真新しい美容院《クローシュ・ドレ》をプレゼントして…美容院の当時の店長は仮に、ベテラン美容師だった雄二さんのお母さんが務めることに。
アンナさんは若くしてこの美容院の《美容院の将来の店長》となった。
詩織とアンナさんが初めて出会ったのも、美容院がオープンしたこの年。詩織は当時11歳。
更に4年後…雄二さんの撮った《詩織の15歳の誕生日の記念写真》が、フランスのとある有名な写真家の目に留まり、高く評価されて…そして現在に至る。
ちなみに余談だけど…詩織が園原智恵先生の《園原社交ダンス教室》で、社交ダンス大会の出場のための練習中…信頼していたダンスパートナーの高校2年生の男子に、お尻を触られ大泣きしたのは、詩織が14歳のとき…。
あの事件以来、詩織は《他人男性嫌悪症及び恐怖症》の心傷を負うことに…。
本当に余談だったけど…。
『あのぉ…アンナさん』
『うん。なに?詩織』
『えっとね…私、ひとつだけ気になったことがあるんだけど…』
『気になったこと…って?』
詩織の気になったこと…それは《雄二さんが鈴ちゃんを冴嶋社長に紹介した》という、冴島社長のあの一言だった。
確かに…僕もそれ気になる。
『あの話は本当よ。この美容院がオープンする5ヶ月前の、同年の4月のことなの』
鈴ちゃんは15歳で《G.F.》デビューし、11月に16歳となったその年末の《G.F.アワード》でアワード受賞者に選ばれて…そして翌年の3月の素人モデルの撮影の日…。
その日の撮影に、撮影テクニックの指導をしてほしいとの依頼で来ていた雄二さん。
鈴ちゃんの撮影が始まる直前になって、急に『この子は俺に撮らせてくれないか』と…。
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