417 / 490
女装と復讐 -完結編-
page.406
しおりを挟む
そんな《デビュー前の非公開の水着撮影》と《カメラマンに告白された》という自身のブログへの2つの書き込みが、何故かどこかで混ぜ合わさって、いつしか《デビュー前にセクハラ紛いの行為があった》と、あずさのファンのあいだで全く意味の違う解釈へと変わり、広まってしまった。
あずさも早くそれに気付き、慌てて削除したことが、更に誤解を招いて事態を悪化させ、その波紋に勢いが付いて…もうあずさ一人では撤回措置が講じれないほど大きくなってしまった…。
結局…雄二さんだけがこの件の真実と《罪なき罪》を負い、高須賀家のご両親に深く謝罪し、冴嶋プロダクションとの関係も解消して行方知れずとなった…犠牲となったことで、この件は誰も傷付かせることもなく、その記憶は徐々に薄らぎ解消されていった…。
『…その後の雄二の生い立ちは、あなた達の知ってのとおりよね…』
僕も詩織も、アンナさんに頷いて見せた。
それから雄二さんはここ…藤浦市へと帰ってきて、プロのカメラマンとしての再活動を細々と始めた。
雄二さんが30歳でアンナさんが18歳のとき、2人は《フリーのプロカメラマン》と、雇われた《美容専門学校通いの、モデルのメイク担当のアルバイト生》として出逢い、3年後…つまりアンナさんが専門学校を卒業してから1年後、雄二さんはアンナさんに真新しい美容院《クローシュ・ドレ》をプレゼントして…美容院の当時の店長は仮に、ベテラン美容師だった雄二さんのお母さんが務めることに。
アンナさんは若くしてこの美容院の《美容院の将来の店長》となった。
詩織とアンナさんが初めて出会ったのも、美容院がオープンしたこの年。詩織は当時11歳。
更に4年後…雄二さんの撮った《詩織の15歳の誕生日の記念写真》が、フランスのとある有名な写真家の目に留まり、高く評価されて…そして現在に至る。
ちなみに余談だけど…詩織が園原智恵先生の《園原社交ダンス教室》で、社交ダンス大会の出場のための練習中…信頼していたダンスパートナーの高校2年生の男子に、お尻を触られ大泣きしたのは、詩織が14歳のとき…。
あの事件以来、詩織は《他人男性嫌悪症及び恐怖症》の心傷を負うことに…。
本当に余談だったけど…。
『あのぉ…アンナさん』
『うん。なに?詩織』
『えっとね…私、ひとつだけ気になったことがあるんだけど…』
『気になったこと…って?』
詩織の気になったこと…それは《雄二さんが鈴ちゃんを冴嶋社長に紹介した》という、冴島社長のあの一言だった。
確かに…僕もそれ気になる。
『あの話は本当よ。この美容院がオープンする5ヶ月前の、同年の4月のことなの』
鈴ちゃんは15歳で《G.F.》デビューし、11月に16歳となったその年末の《G.F.アワード》でアワード受賞者に選ばれて…そして翌年の3月の素人モデルの撮影の日…。
その日の撮影に、撮影テクニックの指導をしてほしいとの依頼で来ていた雄二さん。
鈴ちゃんの撮影が始まる直前になって、急に『この子は俺に撮らせてくれないか』と…。
あずさも早くそれに気付き、慌てて削除したことが、更に誤解を招いて事態を悪化させ、その波紋に勢いが付いて…もうあずさ一人では撤回措置が講じれないほど大きくなってしまった…。
結局…雄二さんだけがこの件の真実と《罪なき罪》を負い、高須賀家のご両親に深く謝罪し、冴嶋プロダクションとの関係も解消して行方知れずとなった…犠牲となったことで、この件は誰も傷付かせることもなく、その記憶は徐々に薄らぎ解消されていった…。
『…その後の雄二の生い立ちは、あなた達の知ってのとおりよね…』
僕も詩織も、アンナさんに頷いて見せた。
それから雄二さんはここ…藤浦市へと帰ってきて、プロのカメラマンとしての再活動を細々と始めた。
雄二さんが30歳でアンナさんが18歳のとき、2人は《フリーのプロカメラマン》と、雇われた《美容専門学校通いの、モデルのメイク担当のアルバイト生》として出逢い、3年後…つまりアンナさんが専門学校を卒業してから1年後、雄二さんはアンナさんに真新しい美容院《クローシュ・ドレ》をプレゼントして…美容院の当時の店長は仮に、ベテラン美容師だった雄二さんのお母さんが務めることに。
アンナさんは若くしてこの美容院の《美容院の将来の店長》となった。
詩織とアンナさんが初めて出会ったのも、美容院がオープンしたこの年。詩織は当時11歳。
更に4年後…雄二さんの撮った《詩織の15歳の誕生日の記念写真》が、フランスのとある有名な写真家の目に留まり、高く評価されて…そして現在に至る。
ちなみに余談だけど…詩織が園原智恵先生の《園原社交ダンス教室》で、社交ダンス大会の出場のための練習中…信頼していたダンスパートナーの高校2年生の男子に、お尻を触られ大泣きしたのは、詩織が14歳のとき…。
あの事件以来、詩織は《他人男性嫌悪症及び恐怖症》の心傷を負うことに…。
本当に余談だったけど…。
『あのぉ…アンナさん』
『うん。なに?詩織』
『えっとね…私、ひとつだけ気になったことがあるんだけど…』
『気になったこと…って?』
詩織の気になったこと…それは《雄二さんが鈴ちゃんを冴嶋社長に紹介した》という、冴島社長のあの一言だった。
確かに…僕もそれ気になる。
『あの話は本当よ。この美容院がオープンする5ヶ月前の、同年の4月のことなの』
鈴ちゃんは15歳で《G.F.》デビューし、11月に16歳となったその年末の《G.F.アワード》でアワード受賞者に選ばれて…そして翌年の3月の素人モデルの撮影の日…。
その日の撮影に、撮影テクニックの指導をしてほしいとの依頼で来ていた雄二さん。
鈴ちゃんの撮影が始まる直前になって、急に『この子は俺に撮らせてくれないか』と…。
1
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる