女装と復讐は街の華

木乃伊(元 ISAM-t)

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女装と復讐 -完結編-

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あずさは雄二さんが自ら悪者となって、自分のことを守ろうとしてくれているんだということに、とても動揺した。

そしてベッドに座ったまま、雄二さんの両肩を両手で手繰り寄せて、また『本当にごめんなさい…』と、もう一度だけ謝って一頻ひとしきり泣いた。



本当は雄二さんだって必死だった。

《高須賀あずさがブログで虚言した》なんて真実が、世間の目に触れてあずさが非難されることだけは絶対に避けなければ…。

守ってやらなければ…。

でも雄二さんが守りたいと思ったのは、彼女だけではなかった。




冴嶋プロダクションの社運を賭けていたあずさが《ブログに虚言した》ことの責任を負って、芸能界を辞めてしまうことで冴島社長が傷心されないよう守ることも。

高須賀家が…あずさのご両親とあずさとの関係が今までどおり、今後も何もなく平穏であるよう守ることも。

今や芸能界のトップアイドルとなったあずさの、ファンの人達の心と支持があずさから離れてしまわないよう守ることも…。

それら全てを守れるのなら、自分が悪者となり続けることくらい、なんてことない安いことだと、雄二さんは考えた。


自分だけがこの件の冤罪を負って…真実を抱えて芸能界から身を引き消え去れば…。

真実は永遠に闇の中へ。そして全てが丸く収まる…。




だけど、雄二さんの知り得なかった真実が、まだ一つだけあった。

…それは、消されたブログに書かれていた内容とその真意。






あずさは、あの日の撮影のときの雄二さんが、とても親切で気遣いも出来ていたことに、すぐにもの凄く好感を得られた。

撮影の合間の休憩のときも、水着姿のまま雄二さんを追い掛けて、ふざけて抱きつけば、それを振り払って全力で駆け逃げ…そのあと勢いよく駆け戻ってきて、自分を真剣に叱ってくれた雄二さん。

そんな冗談にも真剣に付き合ってくれる雄二さんを、真面目で優しいお兄さんだと思った。




後日、出来上がった写真をわざわざ自宅まで持ってきて、簡単な挨拶を交わすとすぐに帰っていった雄二さん。

確認した洋服の写真も水着の写真も…特に洋服姿で撮った写真のほうは、あずさは《これ…本当に上手く可愛く撮れていて凄く好き!》と…。

…そう思ったのは…好きと思ったのは…本当は写真だけではなかった…。






その後も芸能活動の多忙な毎日…そして一年近くがあっという間に過ぎて…。

ひと息ついて…ふと雄二さんのことを考えたあずさ。先日も撮影をしてもらったばかり。

その夜、あずさは…実はデビュー前に撮った秘蔵の水着写真があることと、水着撮影のとき…そのカメラマンさんに『好きだ』と告白された…というを…ブログに書き綴ってしまった…。


《つい恋心にくすぐられて…》























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