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女装と復讐 -街華編-
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こうして、なんだかんだと色々あったものの…なんとか無事に撮影日は過ぎて…。
…今日は6月第4土曜日。
先週今週と、梅雨の影響で天候は雨続きだったんだけど、今朝はぱあっと快晴。白いレースのカーテンを透過して、朝日が気持ちいいくらいに眩しい。
さぁて…今日も元気に、アンナさんの美容院へと出掛ける準備しようかな。
昨夜、机の上に出しっ放しだったメイク道具を片付け、簡易キッチンのコンロに火を入れてお味噌汁を温める。
お味噌汁が温まるあいだ、僕は洗面台へと向かう。
そういや…まさか僕、またメイクを落とさないで昨夜、爆睡とかしてなかったよね…?
恐る恐る洗面台の鏡を覗き込…ん?あー。大丈夫だった。ちゃんとクレンジングを済ませてから寝てた…良かった。
『…おはようございます』
『おはよう。信吾くん』
美容院に到着。僕はアンナさんと挨拶を交わし、当たり前のようにさっさと特別客室へと入って、金魚への着替えを始める。
椅子の上に綺麗に折り畳まれて置いてある、金魚が今日着る衣服は…?
…へぇ。大人しく落ち着いた感じ…真白いフリルの《お嬢さん系》ワンピースだった。
着替えを済ませ、つま先3cmストームの黒のヒールサンダルを履いて、美容院の室内へと戻ると…詩織がもう来てて、ロングソファーに座っていた。
『おはよう。詩織』
『あ、信吾おは…おーっ♪その格好、凄ぉくかーわーゆーいー♪』
…メイクはまだなんで…ただの《女装した岩塚信吾の姿》なんだけど。
だから若干…本人は気持ち悪いって感じなんですけど…。
僕は気を取り直して…。
金魚専用のメイクボックスを、レジカウンターの下から持ってくる。
『…よいしょ』
テーブルに置き、詩織の隣に座ってメイクを始めた。
目も口もぽかーっと半開きにし、左の上瞼のアイラインを引き終えて、続いて右の上瞼も始めようとした直後…僕の横で、僕のメイクしている横顔を見ていた詩織が、ぽつりと何か呟いた…?
「なんだか…不思議ね」
『えっ?何?…ちょ、ちょっと待って。今、右のアイライン引くから…』
今は集中するとき。集中が途切れたり乱れると、線が綺麗に引けないから…だからちょっと待って。詩織。
『何?…さっき、何か言った?』
ふーぅ…。
ビューラーとマスカラはまだだけど、とりあえず左右の上瞼のアイラインまでは完了。ようやく集中タイムから解放されて、僕は振り向いて詩織を見た。
『…うん。メイクしてる信吾を見てるとね、私なんだか胸が…ちょっとドキドキって…』
………えっ?
…今日は6月第4土曜日。
先週今週と、梅雨の影響で天候は雨続きだったんだけど、今朝はぱあっと快晴。白いレースのカーテンを透過して、朝日が気持ちいいくらいに眩しい。
さぁて…今日も元気に、アンナさんの美容院へと出掛ける準備しようかな。
昨夜、机の上に出しっ放しだったメイク道具を片付け、簡易キッチンのコンロに火を入れてお味噌汁を温める。
お味噌汁が温まるあいだ、僕は洗面台へと向かう。
そういや…まさか僕、またメイクを落とさないで昨夜、爆睡とかしてなかったよね…?
恐る恐る洗面台の鏡を覗き込…ん?あー。大丈夫だった。ちゃんとクレンジングを済ませてから寝てた…良かった。
『…おはようございます』
『おはよう。信吾くん』
美容院に到着。僕はアンナさんと挨拶を交わし、当たり前のようにさっさと特別客室へと入って、金魚への着替えを始める。
椅子の上に綺麗に折り畳まれて置いてある、金魚が今日着る衣服は…?
…へぇ。大人しく落ち着いた感じ…真白いフリルの《お嬢さん系》ワンピースだった。
着替えを済ませ、つま先3cmストームの黒のヒールサンダルを履いて、美容院の室内へと戻ると…詩織がもう来てて、ロングソファーに座っていた。
『おはよう。詩織』
『あ、信吾おは…おーっ♪その格好、凄ぉくかーわーゆーいー♪』
…メイクはまだなんで…ただの《女装した岩塚信吾の姿》なんだけど。
だから若干…本人は気持ち悪いって感じなんですけど…。
僕は気を取り直して…。
金魚専用のメイクボックスを、レジカウンターの下から持ってくる。
『…よいしょ』
テーブルに置き、詩織の隣に座ってメイクを始めた。
目も口もぽかーっと半開きにし、左の上瞼のアイラインを引き終えて、続いて右の上瞼も始めようとした直後…僕の横で、僕のメイクしている横顔を見ていた詩織が、ぽつりと何か呟いた…?
「なんだか…不思議ね」
『えっ?何?…ちょ、ちょっと待って。今、右のアイライン引くから…』
今は集中するとき。集中が途切れたり乱れると、線が綺麗に引けないから…だからちょっと待って。詩織。
『何?…さっき、何か言った?』
ふーぅ…。
ビューラーとマスカラはまだだけど、とりあえず左右の上瞼のアイラインまでは完了。ようやく集中タイムから解放されて、僕は振り向いて詩織を見た。
『…うん。メイクしてる信吾を見てるとね、私なんだか胸が…ちょっとドキドキって…』
………えっ?
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