78 / 93
78.奇跡が合わせた仲間と敵
しおりを挟む
「どうして、はーちゃんが?! 」
えっ、安菜にもわからないの?
「再起動してない!
ああっ。転がったときに手がついたけど、でもそれだけで複雑なパスワード入力できるわけないし」
そしたら、はーちゃんが勝手に?
「起動したばかりなので、その点はわかりかねます。
もしかしたら、MCO自身の意思なのかもしれません」
・・・・・・それはあるかも。
MCOは、Mechanical Civilization Oath(メカニカル・シビリゼイション・オウス)。
"物質文明から生まれた誓い"
誓いって言うからには、そんなこともできるかもしれない。
ドン! と、明らかに危険な音がした。
「そんなことより! 敵が! 」
そうだよ!
黒い炎が襲ってくる!
しかも、これまでより大きい!
回転する燃えさかる線となって打ち上がる!
「チャフ散布!」
安菜がまた、オレンジの光たちと煙で私たちを包んだ。
それに紛れるひまはない!
急いで逃げた。
燃える線が、チャフを切り裂いて飛びさる。
それだけで、機体がドン! と押し退けられた!
音速を越える速さから生まれた空気のハンマー、衝撃波?
あまりの熱で気流が乱された?
とにかく、振り向いたら見えたの。
円形に押し退けられた雨とチャフが。
あれか!
黒い巨人が、こん棒にしたもの。
それは、私からうばった火器コンテナだった。
つかんだ手から、炎がコンテナ全体に広がっていく。
待てよ、あのコンテナの向き・・・・・・。
「はーちゃん、私の120ミリ砲がまっすぐあいつを向いたら、教えて」
「承知しました」
こん棒エンジェルスは、コンテナを勢いつけて、後ろに大きくふった。
一瞬あとには、ふり戻されたコンテナから魔法日が振り抜かれてこっちに来る!
「今です!」
「信じた!」
私はそう言って、トリガーを引く!
コンテナから2つの砲火が飛んだ。
今度は、レーザーもつける!
レーザーは高温の光の槍。
雨が最悪のジャマ者になる。
雨を蒸発させると湯気になる。
その湯気がレーザーをバラバラにしてしまうから。
今まで使う気がなかったけど、あの距離なら!
こん棒エンジェルスの半身が、炎に包まれた。
コンテナが落ちる。
恐ろしい悲鳴が、辺りをゆらした。
「スゴいや。
こんなこともあろうかと、ってやつ?」
安菜がかいかぶってきた。
「ただのWi-Fi」
電波で作る予備の回線だよ。
敵巨人が痛々しくよろめいた。
それでも、丸窓のような目で私たちを見据える。
黒い炎と一体化した牙を開いて、吠える。
でも、なんでだろう?
敵の動きを見て、というより、やっと今気づいた、って感じがする。
「もう一回キックする?」
「いいえ、その前にすることがある!
メガ・エニシング・キュア・キャプチャーを使う」
「OK!」
後ろの席で、ポケットからペンダントをとりだす音がする。
昴先輩からもらった、魔法炎。
安菜の前にあるモニター裏には、隠された専用コンセントがある。
そこにペンダントを入れる。
本当は、異能力者をのせた時に、能力をいれてもらう装置なんだ。
ウイークエンダーたちは、鉄のかたまりにペンキを塗った、ただのロボットじゃない!
長官からもらった、生体部品の結晶なんだから!
胸の動力源、無限炉心からのエネルギーがわき上がる。
そのエネルギーは、私の意思にしたがって、物理法則を書きかえてくれる。
重量を変えるとか、素材の強度を高めるとか。
今日は、そんなケチなものじゃない!
わき上がったエネルギーは、コックピットで魔法炎と混じり会う。
そして、頭部に導かれる。
ひたいにつけられた、砲口。
ブロッサムの胸ほどの大きさじゃないけど、作りは同じもの。
そこに、黒い光が宿る。
この光景を見ても、敵巨人はひるまなかった。
足を踏みしめ、腕に力をこめて、胸を張った。
真正面から受けるつもりだ。
そんな勝負に乗るつもりはなかった。
私たちがするのは。
「音声コード入力!」
声をそろえて。
「「メガ・エニシング・キュア・キャプチャー!! 」」
えっ、安菜にもわからないの?
「再起動してない!
ああっ。転がったときに手がついたけど、でもそれだけで複雑なパスワード入力できるわけないし」
そしたら、はーちゃんが勝手に?
「起動したばかりなので、その点はわかりかねます。
もしかしたら、MCO自身の意思なのかもしれません」
・・・・・・それはあるかも。
MCOは、Mechanical Civilization Oath(メカニカル・シビリゼイション・オウス)。
"物質文明から生まれた誓い"
誓いって言うからには、そんなこともできるかもしれない。
ドン! と、明らかに危険な音がした。
「そんなことより! 敵が! 」
そうだよ!
黒い炎が襲ってくる!
しかも、これまでより大きい!
回転する燃えさかる線となって打ち上がる!
「チャフ散布!」
安菜がまた、オレンジの光たちと煙で私たちを包んだ。
それに紛れるひまはない!
急いで逃げた。
燃える線が、チャフを切り裂いて飛びさる。
それだけで、機体がドン! と押し退けられた!
音速を越える速さから生まれた空気のハンマー、衝撃波?
あまりの熱で気流が乱された?
とにかく、振り向いたら見えたの。
円形に押し退けられた雨とチャフが。
あれか!
黒い巨人が、こん棒にしたもの。
それは、私からうばった火器コンテナだった。
つかんだ手から、炎がコンテナ全体に広がっていく。
待てよ、あのコンテナの向き・・・・・・。
「はーちゃん、私の120ミリ砲がまっすぐあいつを向いたら、教えて」
「承知しました」
こん棒エンジェルスは、コンテナを勢いつけて、後ろに大きくふった。
一瞬あとには、ふり戻されたコンテナから魔法日が振り抜かれてこっちに来る!
「今です!」
「信じた!」
私はそう言って、トリガーを引く!
コンテナから2つの砲火が飛んだ。
今度は、レーザーもつける!
レーザーは高温の光の槍。
雨が最悪のジャマ者になる。
雨を蒸発させると湯気になる。
その湯気がレーザーをバラバラにしてしまうから。
今まで使う気がなかったけど、あの距離なら!
こん棒エンジェルスの半身が、炎に包まれた。
コンテナが落ちる。
恐ろしい悲鳴が、辺りをゆらした。
「スゴいや。
こんなこともあろうかと、ってやつ?」
安菜がかいかぶってきた。
「ただのWi-Fi」
電波で作る予備の回線だよ。
敵巨人が痛々しくよろめいた。
それでも、丸窓のような目で私たちを見据える。
黒い炎と一体化した牙を開いて、吠える。
でも、なんでだろう?
敵の動きを見て、というより、やっと今気づいた、って感じがする。
「もう一回キックする?」
「いいえ、その前にすることがある!
メガ・エニシング・キュア・キャプチャーを使う」
「OK!」
後ろの席で、ポケットからペンダントをとりだす音がする。
昴先輩からもらった、魔法炎。
安菜の前にあるモニター裏には、隠された専用コンセントがある。
そこにペンダントを入れる。
本当は、異能力者をのせた時に、能力をいれてもらう装置なんだ。
ウイークエンダーたちは、鉄のかたまりにペンキを塗った、ただのロボットじゃない!
長官からもらった、生体部品の結晶なんだから!
胸の動力源、無限炉心からのエネルギーがわき上がる。
そのエネルギーは、私の意思にしたがって、物理法則を書きかえてくれる。
重量を変えるとか、素材の強度を高めるとか。
今日は、そんなケチなものじゃない!
わき上がったエネルギーは、コックピットで魔法炎と混じり会う。
そして、頭部に導かれる。
ひたいにつけられた、砲口。
ブロッサムの胸ほどの大きさじゃないけど、作りは同じもの。
そこに、黒い光が宿る。
この光景を見ても、敵巨人はひるまなかった。
足を踏みしめ、腕に力をこめて、胸を張った。
真正面から受けるつもりだ。
そんな勝負に乗るつもりはなかった。
私たちがするのは。
「音声コード入力!」
声をそろえて。
「「メガ・エニシング・キュア・キャプチャー!! 」」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる