緊急! 超獣鋼猟 ウイークエンダー・ラビット ~パーフェクト朱墨の山~

リューガ

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77.噂で襲われた私

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「美しい像だね」
 たしかに。
 ボルケーナ先輩の体は液体なんだ。
 だからいつも、たれたり曲がったりする。
 そこからもっとも美しい姿を見つけ出して、形にするその技術は素晴らしいと思う。
 形が変わらないのは、MCO自身が旗印としたからかな。
「うらやましい?」
 そう言われて、考えてみた。

――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――

 まず、ウイークエンダーを巨大像化させてみる。
 ・・・・・・形が変わらないなら、なれたやり方で動かせる・・・・・・。
 いや、ありえない。
 大きさが変わるだけで動きとか、傾くバランスとかが変わってしまう。

 私自身は・・・・・・恥ずかしい!

 何か好きなものなら。
 色も変えれるし。

 超巨大ショートケーキ!
 白いクリームにおおわれた丘のように。
 抱えるほどもあるイチゴ。
 それがグルグル回転しながら、敵をけちらすの。

 安菜に不思議なドレスを着てもらうのはどうだろう。
 黄色が似合うかな。
 動くシッポも良いかも。
 それで、悪党どもを素手で、足りないなら超振動でバッタバッタとなぎ倒す!

 このどのアイデアも、ふざけたモノではない。
 これをやって出世した異能力者は、いるんだから。

――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――

「やめとこう。
 人が死なないと、できない芸術なんて・・・・・・」

 滝の下、朱墨ちゃんの小学校も見えた。
 なんとか、海水の濁流からは無事だったよ。
 近くに、パーフェクト朱墨とブロッサム・ニンジャがいる。
 まわりは自分より小さなこん棒エンジェルス。
 パーフェクト朱墨は、たくさんの黒い炎をぶつけられていた。
 その翼は全て下ろしてた。
 こきざみに立つ位置や向きをかえて、降りしきる攻撃に耐えてる。
 ブロッサムが、かばってる。
 足で踏みつぶしたり、殴り付けて。
 どっちも鋭く、素早い動き。
「ねえ。あんな動きをする機体じゃないでしょ? 」
「ええ。もちろん」
 パーフェクト朱墨の翼の中が、チラリと見えた。
「バスを抱えてる! 」
 たぶんスクールバス。
「あれをかばってるんだ! 」
 ブロッサムは?!
 砲撃じゃ、バスや付近に被害がでると思ってるんだ!
 ほとんど巨大な大砲として作られたブロッサムの両腕。
 手はあるけど、それほど器用じゃない。
 その手に、握り込めるサイズのこん棒エンジェルスをつかんで、ぶつけてた。
 
 街に光がある。
 電気じゃない。
 赤やオレンジの炎は、こん棒エンジェルスが起こしたもの。
 家のすぐ上に、頭が見えた。
 それも、たくさん。
 体を隠していた家が、コナゴナになって黒い炎とまじりあい、飛び散った。
 こん棒を休みなく、まわりにあるモノに叩きつけてる!
 さっき、朱墨ちゃんの知りいのハンターキラーが言ってた。
 こん棒エンジェルスは、私たちに試練を与え、私たちはそれを乗り越えなければならない。
 だけど、これに意味なんか見つけれない。 
 あらわれたときは、私たちよりも消防を。
 いまは、家も、店も、自動車も。
 順番に弱いものを、叩きつぶすとしか見えない!
 そのこん棒エンジェルスが、ハンターキラーの防弾で倒れた。
 だけど、また立ち上がる。

「キックした巨人が動いてる!」
 安菜が叫んだ。
「こっちを見てる! 」
 本当だ。
 まっすぐ、私に何かしようという、意思をもって。
「お前があ! 噂のウイークエンダー・ラビットだなぁ!!」
 吠えた。
 雷の音のように、装甲を越える音として。
「言え! 閻魔 文華さまはどこだ! 」
 私たちの方へ、かけだした!
「どこへ隠した?! 」
 怒りの声に、身がすくむ。
 震えがわき上がる。
 だけど、「えいっ!」
 まずは、はずしたキューポラを投げつける!
 巨人の頭に、正面から叩きつけることができた!

 その後ろの山で、巨大な稲妻が落ちた。
 それが消えない。
 落ちつづけてる?
 違った。
 稲妻が落ちつづけてるのは、デコとペタの、双頭のワシだ。
 下には、巨人が山を登るとき援護射撃した部隊がいる。
 デコとペタのワシは、自分たちの体を避雷針にしたんだ。
 そのまま敵を全身で焼き尽くしていく!
 
 あの2人がくれたチャンス。
 まずは、近いディメンションと合流する!
 助け出したら、ブロッサムたちも助けて、巨大戦力を確保する!

「安菜! 」
 川から土手へ走りだす。
 足に引っ掛かった電線が、あっというまに電柱を引き倒しながら切れた。
「何?! 」
 巨人の立ち上がりは速かった。
 仲間のことは、もうあきらめたのかもしれない。
「この事は許されるかもしれない。
 だけど忘れないで」
 ウイークエンダーの両手から、あるだけの手りゅう弾を川にまいた。
 巨人のまわりで爆発する。
 川の水も巻き込んだ衝撃で、打ちのめす!
「閻魔 文華さまは、どこだぁ!! 」
 衝撃は、回りの建物も巻き込んだ。
 ガラスが割れ、壁に穴が空くのが見えた。

「安菜! モニターに使える情報はないの!? 」
「ダメだよ! まだ内部の診断?が終わらない! 」

 手りゅう弾の爆発は続いてる。
 その燃える水しぶきでさえ、巨人を止められなかった。
 砲撃を!
 振り返ろうとした。
「火器コンテナは、動かせません。
 発砲そのものと、コンテナの切り離しは可能です」
 男性の声が聞こえた。
 すぐ後ろから。
 振り返るのはやめる。
 走りつづける。
 でも、ついに追いつかれた。
 背中のコンテナを捕まれた!
 足を止められる前に、切り離す!
 走らなきゃ、終わりだ!
「空挺ユニットは、使用可能です」
 また、あの声が。
 モニターの表示は、まだノイズが走る。
 聞こえた声を信じた。
 飛行ユニットが、動く。
 ウイークエンダーの機体は、浮かんだ!  
 巨人は、私たちからうばったコンテナを振り回しながら追ってくる。
 その捕獲より速く私たちは空に浮かんだ。
「はーちゃん? 」
 気づいたのは、安菜だ。
「はい。私は破滅の鎧です」
 私を逃がしてくれた、その声は。
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