3 / 14
他には何も要らないから
しおりを挟む
やっと会えたけど、此処では待つ人がいなくなった場合、すぐに生まれ変わらないといけない。
待つ人がいないのに留まると、魂が消滅してしまう。
葉月が来てくれたから、生まれ変わる手続きをしに行くことになった。
「また、優雨と離れちゃうのか」
「別に寂しくないでしょ?」
「寂しいよ。もう離れたくない」
俺もだよ。離れたら、素直になれない俺より、優しくて素直で可愛い人と一緒になっちゃうかもしれないのに。
離れたくないよ。
「俺は別に寂しくなんか」
「寂しいですよね。また会えるか心配だし」
手続きの職員がいきなりそう言った。
「はぁ!?」
「実は此処の職員、心が読めるんです。それにしても本当に言ってることと思ってること逆ですね」
何それ、聞いてない!恥ず過ぎる!
「強がりも行き過ぎると葉月様が可哀想ですよ」
分かってるよ。でも、本当に思ってることが言えない。
葉月を前にするとどうもダメだ。
「大丈夫だよ。優雨、分かってるから」
「本当にいい人と出会えましたね。優雨様、葉月様は本当にそう思っています。思ってることを素直に言ってる人は珍しいですし、優雨様のように強がり過ぎてしまう方を愛してくれる人なんて、葉月様くらいですよ」
「僕以外にも、優雨の魅力に気づいちゃう人はたくさんいますよ。だから、僕を選んでくれて本当幸せです」
「盲目にも程がありますよ」
本当に盲目だよ。俺を一生愛してくれるなんて葉月しかいないって思う。好きさえ言えない俺でも、ずっと一緒いてくれるなんて、相当、盲目だよ。
俺も言えないけど。
「次はもっと長く一緒にいれると良いですね」
来世では好きって絶対に言う。
だからね、来世も好きでいてね。
我儘かもしれないけど、絶対に言うから。
「絶対に優雨のこと好きになるから、来世もさ僕のこと見つけてね」
「見つけられるか分かんないよ」
「そしたら、僕が見つけるよ」
「素直じゃなくても良い?」
「うん」
「きっと、葉月と同じ言葉返せないよ。また言えないかもしれないよ」
「そんなのいらないよ。側にいてくれるだけで幸せなんだよ」
「葉月のこと置いてっちゃうかも」
「そしたら、また来世で一緒にいてくれるでしょ」
何でそんなに俺を信じてくれるの?
どうしてそんなに好きでいてくれるの?
「そんなの分からないよ。葉月が別の人を好きになっちゃうことだってあるのに」
俺なんていつ愛想を尽かされてもおかしくない。
生きていた時だって、キスされても顔を背けたりしたし、他もしてもらうばかりで何もしてあげられなかった。
「優雨以外好きになれないよ」
本当にそうだったらいいのに。
「そろそろ出発の時間です。悔いのない来世を送ってくださいね」
覚えて無くてもきっとまた葉月を好きになる。
だから、神様、来世でも葉月に出会わせてください。
葉月以外他には何も要らないから。
待つ人がいないのに留まると、魂が消滅してしまう。
葉月が来てくれたから、生まれ変わる手続きをしに行くことになった。
「また、優雨と離れちゃうのか」
「別に寂しくないでしょ?」
「寂しいよ。もう離れたくない」
俺もだよ。離れたら、素直になれない俺より、優しくて素直で可愛い人と一緒になっちゃうかもしれないのに。
離れたくないよ。
「俺は別に寂しくなんか」
「寂しいですよね。また会えるか心配だし」
手続きの職員がいきなりそう言った。
「はぁ!?」
「実は此処の職員、心が読めるんです。それにしても本当に言ってることと思ってること逆ですね」
何それ、聞いてない!恥ず過ぎる!
「強がりも行き過ぎると葉月様が可哀想ですよ」
分かってるよ。でも、本当に思ってることが言えない。
葉月を前にするとどうもダメだ。
「大丈夫だよ。優雨、分かってるから」
「本当にいい人と出会えましたね。優雨様、葉月様は本当にそう思っています。思ってることを素直に言ってる人は珍しいですし、優雨様のように強がり過ぎてしまう方を愛してくれる人なんて、葉月様くらいですよ」
「僕以外にも、優雨の魅力に気づいちゃう人はたくさんいますよ。だから、僕を選んでくれて本当幸せです」
「盲目にも程がありますよ」
本当に盲目だよ。俺を一生愛してくれるなんて葉月しかいないって思う。好きさえ言えない俺でも、ずっと一緒いてくれるなんて、相当、盲目だよ。
俺も言えないけど。
「次はもっと長く一緒にいれると良いですね」
来世では好きって絶対に言う。
だからね、来世も好きでいてね。
我儘かもしれないけど、絶対に言うから。
「絶対に優雨のこと好きになるから、来世もさ僕のこと見つけてね」
「見つけられるか分かんないよ」
「そしたら、僕が見つけるよ」
「素直じゃなくても良い?」
「うん」
「きっと、葉月と同じ言葉返せないよ。また言えないかもしれないよ」
「そんなのいらないよ。側にいてくれるだけで幸せなんだよ」
「葉月のこと置いてっちゃうかも」
「そしたら、また来世で一緒にいてくれるでしょ」
何でそんなに俺を信じてくれるの?
どうしてそんなに好きでいてくれるの?
「そんなの分からないよ。葉月が別の人を好きになっちゃうことだってあるのに」
俺なんていつ愛想を尽かされてもおかしくない。
生きていた時だって、キスされても顔を背けたりしたし、他もしてもらうばかりで何もしてあげられなかった。
「優雨以外好きになれないよ」
本当にそうだったらいいのに。
「そろそろ出発の時間です。悔いのない来世を送ってくださいね」
覚えて無くてもきっとまた葉月を好きになる。
だから、神様、来世でも葉月に出会わせてください。
葉月以外他には何も要らないから。
2
あなたにおすすめの小説
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
イケメンな先輩に猫のようだと可愛がられています。
ゆう
BL
八代秋(10月12日)
高校一年生 15歳
美術部
真面目な方
感情が乏しい
普通
独特な絵
短い癖っ毛の黒髪に黒目
七星礼矢(1月1日)
高校三年生 17歳
帰宅部
チャラい
イケメン
広く浅く
主人公に対してストーカー気質
サラサラの黒髪に黒目
伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き
メグエム
BL
伯爵家次男のユリウス・ツェプラリトは、ずっと恋焦がれている人がいる。その相手は、幼なじみであり、王位継承権第三位の王子のレオン・ヴィルバードである。貴族と王族であるため、家や国が決めた相手と結婚しなければならない。しかも、レオンは女関係での噂が絶えず、女好きで有名だ。男の自分の想いなんて、叶うわけがない。この想いは、心の奥底にしまって、諦めるしかない。そう思っていた。
俺がモテない理由
秋元智也
BL
平凡な大学生活を送っていた桜井陸。
彼には仲のいい幼馴染の友人がいた。
友人の名は森田誠治という。
周りからもチヤホヤされるほどに顔も良く性格もいい。
困っている人がいると放かってはおけない世話焼きな
性格なのだった。
そんな二人が、いきなり異世界へと来た理由。
それは魔王を倒して欲しいという身勝手な王様の願い
だった。
気づいたら異世界に落とされ、帰りかたもわからない
という。
勇者となった友人、森田誠治と一緒に旅を続けやっと
終わりを迎えたのだった。
そして長い旅の末、魔王を倒した勇者一行。
途中で仲間になった聖女のレイネ。
戦士のモンド・リオールと共に、ゆっくりとした生活
を続けていたのだった。
そこへ、皇帝からの打診があった。
勇者と皇女の結婚の話だった。
どこに行ってもモテまくる友人に呆れるように陸は離
れようとしたのだったが……。
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
だって、君は210日のポラリス
大庭和香
BL
モテ属性過多男 × モブ要素しかない俺
モテ属性過多の理央は、地味で凡庸な俺を平然と「恋人」と呼ぶ。大学の履修登録も丸かぶりで、いつも一緒。
一方、平凡な小市民の俺は、旅行先で両親が事故死したという連絡を受け、
突然人生の岐路に立たされた。
――立春から210日、夏休みの終わる頃。
それでも理央は、変わらず俺のそばにいてくれて――
📌別サイトで読み切りの形で投稿した作品を、連載形式に切り替えて投稿しています。
15,000字程度の予定です。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
【本編完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する
とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。
「隣国以外でお願いします!」
死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。
彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。
いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。
転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。
小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる