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第3章
126話 浅ましい
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気付かなければ、良かった。
過去は過去の思い出のまま、蓋をしていれば。
今の彼は、前世とは別人なのだと、もっとはっきり切り替えていれば、良かったのに。
————忘れられなかった。
どんなに手酷い仕打ちを受けても、それでも、必死で抱きしめてくれた彼の温もりが…忘れられない。
忘れたく、ないんだ。
やっぱり、どうしても。
「なんで……こんな事にっ」
失いたくない想いが止まらない。
次々と溢れてきて、溺れそうになる。
このまま、彼を好きで居続けても、彼を振り向かせる事は……一生出来ない。
してはいけない。
「もういっそ、犯してくれないかな…」
心が駄目なら、体だけでいい。
前世の様に、無理矢理犯してくれたって、構わない。
それで、以前は最後まで致せなかったけれど、今度は。
その欲を僕に、与えてはくれないだろうか?
愛などなくても、欲を吐き出せる事くらいは、僕だって知っている。
その欲を僕自身は、今まで感じた事は無かったけれど。
きっと、今なら解る気がするから。
ただ、欲の捌け口にしてくれるだけで、いいんだ。
ずたずたに引き裂いて、嘲笑ってくれていい。
こんな浅ましい僕の事、軽蔑してくれたって構わない。
————何でも、いいから。
「もう一度、触れて欲しいっ」
ただそれだけをどうしても求めてしまう。
願ってしまう。
……“欲しい”と思ってしまった。
なんて事だ。
自分がこんなにも浅ましい人間だったなんて……恥ずかしくてたまらない。
僕は、自分自身に絶望し、しばらく涙が止まらなかった……。
過去は過去の思い出のまま、蓋をしていれば。
今の彼は、前世とは別人なのだと、もっとはっきり切り替えていれば、良かったのに。
————忘れられなかった。
どんなに手酷い仕打ちを受けても、それでも、必死で抱きしめてくれた彼の温もりが…忘れられない。
忘れたく、ないんだ。
やっぱり、どうしても。
「なんで……こんな事にっ」
失いたくない想いが止まらない。
次々と溢れてきて、溺れそうになる。
このまま、彼を好きで居続けても、彼を振り向かせる事は……一生出来ない。
してはいけない。
「もういっそ、犯してくれないかな…」
心が駄目なら、体だけでいい。
前世の様に、無理矢理犯してくれたって、構わない。
それで、以前は最後まで致せなかったけれど、今度は。
その欲を僕に、与えてはくれないだろうか?
愛などなくても、欲を吐き出せる事くらいは、僕だって知っている。
その欲を僕自身は、今まで感じた事は無かったけれど。
きっと、今なら解る気がするから。
ただ、欲の捌け口にしてくれるだけで、いいんだ。
ずたずたに引き裂いて、嘲笑ってくれていい。
こんな浅ましい僕の事、軽蔑してくれたって構わない。
————何でも、いいから。
「もう一度、触れて欲しいっ」
ただそれだけをどうしても求めてしまう。
願ってしまう。
……“欲しい”と思ってしまった。
なんて事だ。
自分がこんなにも浅ましい人間だったなんて……恥ずかしくてたまらない。
僕は、自分自身に絶望し、しばらく涙が止まらなかった……。
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