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彼を奪った幼馴染が、憎くて憎くて仕方がない

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私は今から大人になる。
「あっ…」
「かわいい…」
「そ、そこは…」
「ふふ、敏感なんだね」
「うぅ……」
「じゃあ、もっとだね」
そう言って、彼はさらに激しく責め立てる。私はあまりの快感に溺れそうになった。
そしてついに絶頂が来る直前で、彼の手が止まった。寸止めされたせいで体中が疼いてくる。
「俺と付き合ってよかった?」
「ど、どうして……」
「俺からしたらこんなにかわいい子が恋人だなんて夢みたいだ」
「わ、私も…あなたと付き合ってよかった…あっ!」
再び激しくなる愛撫。そして今度は更に敏感なところ吸い付かれた。彼の舌が私のモノを舐め回す。別の方も同時にもう片方の手で鷲掴みにされている。
「あっ、ダメェ!」
「俺のこと好き?」
「す、好き……」
「今後もずっと付き合って」
「は、はい……あっ!あぁぁ!」
二度目の頂を越えた私。もう体は限界だった。
でも彼は止まることはない。今度は足を開かせようとする。
「はぁ…はぁ…もう無理ぃ…」
「じゃあこれが最後ね。」
「やぁっ!そこぉ……」
「好きだよ」
「私も……あっ!」
その度に体が跳ね上がるほど感じてしまう。そうやってその日は過ごした。

彼と付き合って毎日が刺激的でキュンキュンして楽しい。今日も私は彼との愛の時間を過ごす。
彼は別にそこまで真面目な男というわけではない。顔はいい方だけど。だけど私にはとても優しいし、一緒にいるだけで幸せになれる。
そんな彼と付き合ってもう5ヶ月がたった。
お互いに忙しい頃だから、彼とは昼間にあまり会えない。昼間は私にとって退屈な時間になった。そして今日は平日。彼は休み、私も土曜日だから仕事はない。昼間から家でゆっくりすることにした。
「ねぇ……どうして私なんかと付き合ってくれたの?」
「んー?だってめちゃくちゃかわいいじゃん」
「そんな理由で……」
「俺さぁ、最近疲れてんだよねー」
そう言って彼は私を抱きしめる。私も彼の胸に顔を埋める。すると彼が耳元で囁いた。
「最近仕事が上手くいかなくてさ……」
「そうなの?」
「うん。同期が手伝ってくれてなんとかいってるんだけど…」
「そう…」
彼を癒してあげられるのは私しかいない。
「ねぇ……私に何かできることはない?」
「本当に?じゃあ癒してくれる?」
「うん……」
その夜は、長いようで短かった。だって彼と過ごせた最後の夜だったから。

「別れよう。」
「え?」
「別れるって言ってんの。もう飽きたんだよね。」
「そ、そんな……」
「じゃあね~」
そう言って彼は去っていった。私はただ呆然とすることしかできなかった。私の何がいけなかったんだろう……そんなことしか頭に浮かばなかった。
でも一つだけ言えることは、彼が別れを切り出すまで私は彼にとって都合のいい存在でしかなかったということだけだ。

* * *
目の前の道を、腕を組んだ男女が並んで歩いている。私の元カレと、知らない女。
「ひどい…」
まだ2週間も経っていないのに。
私なんかよりよっぽどかわいくてスタイルがいい人だった。
二人は別れて、別々の道を進む。私がやるべきことは…
「あ、あの…」
「はい?どうされました?」
「先程、一緒に歩いていた男性は…」
「あぁ、恋人です。」
「そ、その人と私、2週間前まで付き合ってたんです!」
「あら、あなただったのね~」
「はい?」
「私は彼の会社の同期で、小学校からの幼馴染。高校以外は一緒だったのよ?」
「だから何!」
「あなたよりもずっと前から、彼のことを好きだったってこと。仕事で困っているとき、彼の心が私に寄るチャンスだって気づいたのよねぇ」
「ひ、卑怯な!」
「なんとでも言いなさいよ。じゃあね。」
憎い。彼の心が弱ったタイミングを利用して…こんな女と付き合った彼も彼だ。
私は復讐することにした。もう一度彼を奪い返す。心も体も……

* * *
「あぁんっ!んんっ!」
かすかに声が聞こえる。彼と、あの女だろう。彼のアパートだ。合鍵はまだ使える。
「はあっ、はぁっ、好き……好き……」
あの女の声だ。彼の心を奪った女の声だ。そして彼は今から、私のものになる。
「失礼しまぁ~す」
「「な、何!?」」
「あらあら~お熱いご様子で…」
「だから何よ!別に普通のことじゃない!帰ってくれない?」
「嫌よ。こんな幼馴染だからって何でも知っている気で彼のことを奪った女に、私の彼を取られるなんて許せないもの。」
「ねぇ、あなた。私とこの人と、どっちの方が好きなのよ?」
私の服はどんどん薄くなっていく。このまま彼を誘惑して落としてやる。
「二人にぶっちゃけるとさ、俺にとってどっちとか無いの。可愛ければ、それでいいんだよ。」
「「え?」」
そんな…私もこいつも、ずっと彼の欲望の手のひらで踊らされていただけだというの?
「じゃあね。」
私は服を着て部屋を出た。彼の心は私を選ばなかった。ただそれだけだ……
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