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014 佐山氏の手紙発見④
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「······何かミステリーでも始まるんですかね?」
「とにかく我々宛だろうから読んでみるか」
西村課長が読んでいる間に、私は改めて部屋を眺めていた。
と、そこで、部屋の中心部にある本棚に違和感を感じ、その場所を確認しに行く。
「どうした? 何かお宝か?」
田代主任の声に曖昧に返答しながら、『それ』を触る。
小型カメラのようなものだ。しかも稼働している。置いてある場所からすると、このデスクにカメラが向くようになっていたのか。
「あのこれって何ですかね?」
「んー、これは見守りカメラとかいうやつかなあ?」
私の質問に真っ先に反応してくれた池上は、躊躇なく手に取り、調べている。
「赤ちゃんとかペット飼ってる人が部屋の様子を見る、あれですか?」
「それっぽいけど、どうなんだろうね?」
それならば、誰が見るものなのだろう?
一人暮らしの人が不在中のことを気にする?
やはり防犯の意味も込めて?
私がうむむと考えていると、頭上から「分かった」という西村課長の声が聞こえた。
「カードキー以外の方法でここを開けた場合は警備会社に連絡が行くようになってたらしい。随分セキュリティが厳しいな」
警備会社と契約してる人が見守りカメラ? またよく分からなくなってきたが、今は西村課長の次の言葉を待つ。
「リビングに、残暑には場違いのコタツがあったろう? あそこに秘密があるらしいぞ。行ってみよう」
「あら! ますますミステリー風?」
何故か女性口調で池上がちゃかして答えると、西村課長は嫌な顔を見せた。
「池上とだとスタージェスみたいにドタバタしそうで嫌なんだが」
「スクリューボール・コメディにならないよう気をつけますわよ」
田代主任も緊張を解すためか悪ノリして会話を繋げていく。
「完成間近の恐竜の化石を崩しちゃうとか」
「そっちはホークス! とにかく下に向かおう」
「はいはい」
「とにかく我々宛だろうから読んでみるか」
西村課長が読んでいる間に、私は改めて部屋を眺めていた。
と、そこで、部屋の中心部にある本棚に違和感を感じ、その場所を確認しに行く。
「どうした? 何かお宝か?」
田代主任の声に曖昧に返答しながら、『それ』を触る。
小型カメラのようなものだ。しかも稼働している。置いてある場所からすると、このデスクにカメラが向くようになっていたのか。
「あのこれって何ですかね?」
「んー、これは見守りカメラとかいうやつかなあ?」
私の質問に真っ先に反応してくれた池上は、躊躇なく手に取り、調べている。
「赤ちゃんとかペット飼ってる人が部屋の様子を見る、あれですか?」
「それっぽいけど、どうなんだろうね?」
それならば、誰が見るものなのだろう?
一人暮らしの人が不在中のことを気にする?
やはり防犯の意味も込めて?
私がうむむと考えていると、頭上から「分かった」という西村課長の声が聞こえた。
「カードキー以外の方法でここを開けた場合は警備会社に連絡が行くようになってたらしい。随分セキュリティが厳しいな」
警備会社と契約してる人が見守りカメラ? またよく分からなくなってきたが、今は西村課長の次の言葉を待つ。
「リビングに、残暑には場違いのコタツがあったろう? あそこに秘密があるらしいぞ。行ってみよう」
「あら! ますますミステリー風?」
何故か女性口調で池上がちゃかして答えると、西村課長は嫌な顔を見せた。
「池上とだとスタージェスみたいにドタバタしそうで嫌なんだが」
「スクリューボール・コメディにならないよう気をつけますわよ」
田代主任も緊張を解すためか悪ノリして会話を繋げていく。
「完成間近の恐竜の化石を崩しちゃうとか」
「そっちはホークス! とにかく下に向かおう」
「はいはい」
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