13 / 131
013 佐山氏の手紙発見③
しおりを挟む
西村課長が鍵を持ち、我々も後に続く。
再び書斎に戻った私は、電気をつけてデスクの前に立った。
たしかにさっきの記憶どおり鍵穴は見当たらない。
カードキーを差し込める場所もないが、どうやって使うのだろう。
全員であれこれ調べてみるが分からず困惑していると、池上が「あ、そうだ」と口にする。
「何か思い付くことあったのか?」
「いやー、違います。スマートフォンの充電、ここでさせてもらおうかなって」
へへへ、と笑いながら池上はデスクの上に置かれたワイヤレスタイプのスマートフォン充電器にスマートフォンを載せた。ちゃっかりしている。
「電気泥棒」
「まあちょっとくらいいいじゃない。最近充電の減りが早くってさ。······あれ?」
スマートフォンを見て不思議そうに置いたり持ち上げたりしながら首を傾げている池上の手元を、尾崎係長が覗き込んだ。
「これ、電源入ってないのか?」
「いやー、コンセントは繋がってますよ? 俺のスマートフォンがおかしいのかな」
「······違うな、これダミーなんじゃないか」
西村課長が充電器にカードキーを翳すと――ロック解除された音がした。
「当たりっすね! 課長すごい!」
「こら騒ぐな。······じゃあ開けるぞ」
少しだけ白手袋の手を握りしめてから、西村課長が言った。
引き出しは全部で四つあり、横長の大きなもの一つと、右手に三段の形で三つ。まず横長の大きなものを見てみることになった。
引き出しの中は、キャビネ判のスチール写真がいくつかとワラ半紙で綴じられた会報らしきものが入っていた。
「何かは全く分かりませんね」
「そうだな、映画ファン活動報告みたいだ。スチールも映画スチルというわけではなさそうだ。これは後回しにしよう」
丁寧に戻してから、右側の三段式の引き出しを上から順に開けていく。
一段目には手帳。それと佐山氏の蔵書印だが、現存の形を残したいタイプの彼は、自身のコレクションには殆ど押すことはない。私家本発行の際に作ったものか、それとも映画コレクション以外の蔵書には押していたのか?
「手帳は、悪いが後で見させてもらおう。何かキーワードになるものが書かれているかもしれない」
尾崎係長が几帳面に引き出しの中の写真を撮りながら、手帳を取り出し作業を進める。
それから二段目。ここには手紙類が入っている。
最後に三段目。一番深いその引き出しには、『国立映画資料館御中』と書かれた封筒が一つだけ納まっていた。
再び書斎に戻った私は、電気をつけてデスクの前に立った。
たしかにさっきの記憶どおり鍵穴は見当たらない。
カードキーを差し込める場所もないが、どうやって使うのだろう。
全員であれこれ調べてみるが分からず困惑していると、池上が「あ、そうだ」と口にする。
「何か思い付くことあったのか?」
「いやー、違います。スマートフォンの充電、ここでさせてもらおうかなって」
へへへ、と笑いながら池上はデスクの上に置かれたワイヤレスタイプのスマートフォン充電器にスマートフォンを載せた。ちゃっかりしている。
「電気泥棒」
「まあちょっとくらいいいじゃない。最近充電の減りが早くってさ。······あれ?」
スマートフォンを見て不思議そうに置いたり持ち上げたりしながら首を傾げている池上の手元を、尾崎係長が覗き込んだ。
「これ、電源入ってないのか?」
「いやー、コンセントは繋がってますよ? 俺のスマートフォンがおかしいのかな」
「······違うな、これダミーなんじゃないか」
西村課長が充電器にカードキーを翳すと――ロック解除された音がした。
「当たりっすね! 課長すごい!」
「こら騒ぐな。······じゃあ開けるぞ」
少しだけ白手袋の手を握りしめてから、西村課長が言った。
引き出しは全部で四つあり、横長の大きなもの一つと、右手に三段の形で三つ。まず横長の大きなものを見てみることになった。
引き出しの中は、キャビネ判のスチール写真がいくつかとワラ半紙で綴じられた会報らしきものが入っていた。
「何かは全く分かりませんね」
「そうだな、映画ファン活動報告みたいだ。スチールも映画スチルというわけではなさそうだ。これは後回しにしよう」
丁寧に戻してから、右側の三段式の引き出しを上から順に開けていく。
一段目には手帳。それと佐山氏の蔵書印だが、現存の形を残したいタイプの彼は、自身のコレクションには殆ど押すことはない。私家本発行の際に作ったものか、それとも映画コレクション以外の蔵書には押していたのか?
「手帳は、悪いが後で見させてもらおう。何かキーワードになるものが書かれているかもしれない」
尾崎係長が几帳面に引き出しの中の写真を撮りながら、手帳を取り出し作業を進める。
それから二段目。ここには手紙類が入っている。
最後に三段目。一番深いその引き出しには、『国立映画資料館御中』と書かれた封筒が一つだけ納まっていた。
10
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


【完結】共生
ひなこ
ミステリー
高校生の少女・三崎有紗(みさき・ありさ)はアナウンサーである母・優子(ゆうこ)が若い頃に歌手だったことを封印し、また歌うことも嫌うのを不審に思っていた。
ある日有紗の歌声のせいで、優子に異変が起こる。
隠された母の過去が、二十年の時を経て明らかになる?
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる