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10 無力な勇者★
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*背後注意&一瞬モブレ表現あります。ご注意ください。
春輝は上に下にと欲望の塊を遠慮なしに突っ込まれ、揺さぶられていた。屈強な男達を前に春輝の抵抗などしてもなんの意味もなさず、ただただ早く終われと願うばかり。
「う゛っぐぇっ」
「いつまでやってんだこの遅漏! とっとと代われ!」
「はっ次は俺だろ、割り込むなよ」
慣らしもせずにいきなり入れられ、激しく揺さぶられれば快楽など当然あるはずもない。あるのは耐えがたい痛みと、腹の底から湧き上がる嫌悪感と怒りだ。
春輝の力は剣を鞘から抜かなければ使えない。あの剣さえあれば、こんな男達など一瞬でチリへと変えられるというのに。
剣を持ちえない春輝はただただ無力だった。それを知る騎士達がこんな行動を取るなど誰が考えつこうか。
例え嫌われていたとしても、勇者であるのだから口出しをしても手を出してくるとは思いもしない。
そこに考えが至らなかった自身にも怒りが湧くが、なによりも警戒をしていなかった自分にも腹が立つ。
頭上で繰り返される不毛な会話を聞きながら、春輝は痛みで飛びそうになる意識を保ち、なんとか頭を働かす。
これ以上良いようにされたくはない。
「おらもっと口を開けよ!」
喉奥に突き立てられた剛直に、生理的な涙が零れる。あまりの気持ちの悪さに春輝は差し抜かれる寸前、それに勢いよく歯を立てた。
「ぎゃぁあぁぁ!!」
「おっお前、静かにしろっバレんだろうが!!」
「いてぇっ……くそっ!」
「こいつっ噛みやがって!! おい静かにしろ誰かきちまうだろ!」
後ろに刺していた物も抜かれ、男達は痛みに暴れ大声を上げる男を取り押さえにかかった。
春輝は這いずり薄手の掛け布を体に巻き付けると、痛む体をなんとか動かしてテントの外へと逃げ出した。周りには既に男の悲鳴を聞きつけ数人の騎士達が集まってきており、テントから転がり出るように出て来た春輝に皆一様にギョッとした顔を見せる。
「トビアスっトビアスはどこだ!! 早くアイツを呼べ!」
怒りをたぶん多分に滲ませた春輝の怒号に、近くにいた騎士達が数人走って行く。しかしそれ以外の騎士は誰も春輝を遠巻きにするばかりで近づこうとする者はいない。
助け起こそうとはせずにただただ見ているだけの者達、中にはざまぁみろとばかりに嘲笑する者もいる。
あまりの理不尽さに春輝は憎悪を膨らませていくしかなかった。
いちかの体調が良ければ、魔王の討伐などと言うふざけた事情に片足すら突っ込まなかったっいうのに。
「ハルキ殿!」
春輝が周りの騎士達へ、そしてこの世界への呪詛を脳内で垂れ流していれば、焦りを滲ませたトビアスがすぐさまやって来た。トビアスは春輝の姿に目を見開いた後、なにがあったのか察したようである。
「ハルキ殿、まさか……」
「テントの中にいる奴らにやられた。剣も奴らに隠されたからこのざまだ」
トビアスが数人の騎士に指示を出せば、服を乱した男達がテントの中から引きずり出されてくる。
騒ぎを聞きつけて集まってきている騎士達も、なにがあったか皆が察しているだろうに、未だに不幸中の幸い傍観者に徹するばかりで反吐が出る。
テントから引き摺り出された男達は、自分達の行いがトビアスや他の騎士達にバレてしまったことに一様に顔を青くさせる。
そして目線を彷徨わせながら、どうしたらこの場を切り抜けられるか考えているようだった。
「お前達は一体なにをしているんだ!!」
「俺達は、なにも悪くありません! 勇者様に、誘われたんです!」
一人の発言を皮切りに、他の男達も口々に春輝が誘惑してきたのだと言う。
春輝はどの口がと内心悪態をつく。誰が好き好んで男を誘惑などするものか。だが周りから微かに聞こえる囁き声は、本当に春輝から誘ったのではないかというものだった。
誰しもがそう考えるだろう。いくら嫌われようが春輝は勇者だ。その肩書を持つ者を襲うなどと誰も考えはしないだろう。だがそれは今ここでは当てはまらない。
誰もが仲間の言い分を信じるような雰囲気の中、春輝はトビアスを見た。その額には血管が浮かび上がり、薄暗がりの中でもトビアスがとてつもなく怒っていることがわかる。
この顔は果たしてどちらにたいして怒っているのか。トビアスは騎士団長であり、この討伐隊の隊長でもある。
出立直前に言われたことが本心かどうかもわからない。この状況で新参者の言い分と、長年一緒にいる者達と、果たしてどちらを信用するだろうか。その答えは考えるまでもなく後者だろう。
春輝が警戒しながら様子を窺っていれば、トビアスは春輝に心底申し訳なさそうな表情をしたあと、ゆっくりと頭を下げた。
「申し訳ないハルキ殿、こちらの教育不足です。こんなことはあってはならないことだ」
苦虫を噛み潰したような顔をするトビアスに、春輝は前に進み出て顔を覗き、それが本心からの言葉であるか探る。
「お前、出立前に自分が言ったことを忘れたわけじゃないよな?」
「忘れる訳がありません。出立前にやるべきでしたが、今この場で騎士の誓いを立てましょう」
「それがなんだって言うんだ」
「私が誓いを立てれば、周りの者は手を出しはしません。ただの口約束より、騎士達は皆この誓いの重さを知っていますから」
トビアスの言葉に周りは騒めく。騎士の誓いはそう簡単に立てるものではない。
魔法で縛るその誓いを違えれば、死にたくなるような苦痛を味わうのと共に、代償を支払わなければならなくなる。
人によってはその苦痛から逃れるために死を選ぶものもいる。騎士の中でもその誓いを立てる者はほんの一握りだと聖剣からの知識が教えてくれる。
「代償は、そうですね。私の片目にしましょうか」
その言葉に周りの騎士達が一斉にトビアスに止めるように言い出す。それだけこのトビアスと言う男は騎士達に慕われているのだろう。勇者であるはずの春輝とは大違いだった。
「お前達が今後下手な真似をせず、任務を全うすれば私が片目を失うことはない。なぜ止める?」
トビアスの凛とした言葉に騎士達はなにも言えなくなってしまい、口をつぐんだ。静まり返ったことを確認したトビアスは大勢の騎士達がいる前で膝を着く。
その様子を春輝は黙ったまま見ていた。討伐が終わり、城に戻るまでと言う僅かな期間だが、春輝は完全なる味方を手に入れたと言ってもいい。
身の安全を守るために、騎士達と円滑なコミュニケーションを取るべきなのはわかるが、こんなことがあったとしても春輝はやはり周りと親しくしようとは思わない。春輝にとってこの世界の者達は皆、私利私欲で春輝を呼び出した敵でしかないからだ。
だが針の筵のような状態の中では、トビアスぐらいの味方が一人ぐらいは必要だろう。
トビアスが春輝への誓いを終えれば、トビアスは周りの騎士達を散らし、春輝を襲った男達を離れたテントへと拘束し連れて行くように指示を出した。
やっと周りから人が居なくなったことで気が抜けた春輝は、足から力が抜けその場に蹲る。
手ひどく痛めつけられた部分が痛みをずっと訴えていたのだが、大勢の前で倒れることなどできるはずがなかった。
トビアスが慌てて春輝を助け起こし、テントへと運ぶ。痛みを訴えれば治癒魔法が得意な騎士を連れてくるというのだが、その前に春輝は聖剣を手元に取り戻したかった。
聖剣がありさえすれば誰も春輝にはかないはしないからだ。
聖剣はトビアスによって無事に回収され、春輝の手元に戻ってきた。
治癒も上手くいき、痛みが嘘のように無くなると、テントの中には春輝が一人残される。外にはトビアスの指示により、入り口を守るように騎士が配備されていた。
静まりかえるテントの中、外から聞こえる虫の声を聞きながら春輝は深い溜息を吐く。
悪夢とは違う拭えない不快感と共に、自身の手が僅かに震えていることに気が付き、春輝は盛大に舌打ちした。
これしきのことで震える自分自信の弱さと非力さに囚われてしまいそうだ。
春輝はそれを振り払うべく、聖剣を抱えながら、ひたすらに朝が来るのを待った。
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「う゛っぐぇっ」
「いつまでやってんだこの遅漏! とっとと代われ!」
「はっ次は俺だろ、割り込むなよ」
慣らしもせずにいきなり入れられ、激しく揺さぶられれば快楽など当然あるはずもない。あるのは耐えがたい痛みと、腹の底から湧き上がる嫌悪感と怒りだ。
春輝の力は剣を鞘から抜かなければ使えない。あの剣さえあれば、こんな男達など一瞬でチリへと変えられるというのに。
剣を持ちえない春輝はただただ無力だった。それを知る騎士達がこんな行動を取るなど誰が考えつこうか。
例え嫌われていたとしても、勇者であるのだから口出しをしても手を出してくるとは思いもしない。
そこに考えが至らなかった自身にも怒りが湧くが、なによりも警戒をしていなかった自分にも腹が立つ。
頭上で繰り返される不毛な会話を聞きながら、春輝は痛みで飛びそうになる意識を保ち、なんとか頭を働かす。
これ以上良いようにされたくはない。
「おらもっと口を開けよ!」
喉奥に突き立てられた剛直に、生理的な涙が零れる。あまりの気持ちの悪さに春輝は差し抜かれる寸前、それに勢いよく歯を立てた。
「ぎゃぁあぁぁ!!」
「おっお前、静かにしろっバレんだろうが!!」
「いてぇっ……くそっ!」
「こいつっ噛みやがって!! おい静かにしろ誰かきちまうだろ!」
後ろに刺していた物も抜かれ、男達は痛みに暴れ大声を上げる男を取り押さえにかかった。
春輝は這いずり薄手の掛け布を体に巻き付けると、痛む体をなんとか動かしてテントの外へと逃げ出した。周りには既に男の悲鳴を聞きつけ数人の騎士達が集まってきており、テントから転がり出るように出て来た春輝に皆一様にギョッとした顔を見せる。
「トビアスっトビアスはどこだ!! 早くアイツを呼べ!」
怒りをたぶん多分に滲ませた春輝の怒号に、近くにいた騎士達が数人走って行く。しかしそれ以外の騎士は誰も春輝を遠巻きにするばかりで近づこうとする者はいない。
助け起こそうとはせずにただただ見ているだけの者達、中にはざまぁみろとばかりに嘲笑する者もいる。
あまりの理不尽さに春輝は憎悪を膨らませていくしかなかった。
いちかの体調が良ければ、魔王の討伐などと言うふざけた事情に片足すら突っ込まなかったっいうのに。
「ハルキ殿!」
春輝が周りの騎士達へ、そしてこの世界への呪詛を脳内で垂れ流していれば、焦りを滲ませたトビアスがすぐさまやって来た。トビアスは春輝の姿に目を見開いた後、なにがあったのか察したようである。
「ハルキ殿、まさか……」
「テントの中にいる奴らにやられた。剣も奴らに隠されたからこのざまだ」
トビアスが数人の騎士に指示を出せば、服を乱した男達がテントの中から引きずり出されてくる。
騒ぎを聞きつけて集まってきている騎士達も、なにがあったか皆が察しているだろうに、未だに不幸中の幸い傍観者に徹するばかりで反吐が出る。
テントから引き摺り出された男達は、自分達の行いがトビアスや他の騎士達にバレてしまったことに一様に顔を青くさせる。
そして目線を彷徨わせながら、どうしたらこの場を切り抜けられるか考えているようだった。
「お前達は一体なにをしているんだ!!」
「俺達は、なにも悪くありません! 勇者様に、誘われたんです!」
一人の発言を皮切りに、他の男達も口々に春輝が誘惑してきたのだと言う。
春輝はどの口がと内心悪態をつく。誰が好き好んで男を誘惑などするものか。だが周りから微かに聞こえる囁き声は、本当に春輝から誘ったのではないかというものだった。
誰しもがそう考えるだろう。いくら嫌われようが春輝は勇者だ。その肩書を持つ者を襲うなどと誰も考えはしないだろう。だがそれは今ここでは当てはまらない。
誰もが仲間の言い分を信じるような雰囲気の中、春輝はトビアスを見た。その額には血管が浮かび上がり、薄暗がりの中でもトビアスがとてつもなく怒っていることがわかる。
この顔は果たしてどちらにたいして怒っているのか。トビアスは騎士団長であり、この討伐隊の隊長でもある。
出立直前に言われたことが本心かどうかもわからない。この状況で新参者の言い分と、長年一緒にいる者達と、果たしてどちらを信用するだろうか。その答えは考えるまでもなく後者だろう。
春輝が警戒しながら様子を窺っていれば、トビアスは春輝に心底申し訳なさそうな表情をしたあと、ゆっくりと頭を下げた。
「申し訳ないハルキ殿、こちらの教育不足です。こんなことはあってはならないことだ」
苦虫を噛み潰したような顔をするトビアスに、春輝は前に進み出て顔を覗き、それが本心からの言葉であるか探る。
「お前、出立前に自分が言ったことを忘れたわけじゃないよな?」
「忘れる訳がありません。出立前にやるべきでしたが、今この場で騎士の誓いを立てましょう」
「それがなんだって言うんだ」
「私が誓いを立てれば、周りの者は手を出しはしません。ただの口約束より、騎士達は皆この誓いの重さを知っていますから」
トビアスの言葉に周りは騒めく。騎士の誓いはそう簡単に立てるものではない。
魔法で縛るその誓いを違えれば、死にたくなるような苦痛を味わうのと共に、代償を支払わなければならなくなる。
人によってはその苦痛から逃れるために死を選ぶものもいる。騎士の中でもその誓いを立てる者はほんの一握りだと聖剣からの知識が教えてくれる。
「代償は、そうですね。私の片目にしましょうか」
その言葉に周りの騎士達が一斉にトビアスに止めるように言い出す。それだけこのトビアスと言う男は騎士達に慕われているのだろう。勇者であるはずの春輝とは大違いだった。
「お前達が今後下手な真似をせず、任務を全うすれば私が片目を失うことはない。なぜ止める?」
トビアスの凛とした言葉に騎士達はなにも言えなくなってしまい、口をつぐんだ。静まり返ったことを確認したトビアスは大勢の騎士達がいる前で膝を着く。
その様子を春輝は黙ったまま見ていた。討伐が終わり、城に戻るまでと言う僅かな期間だが、春輝は完全なる味方を手に入れたと言ってもいい。
身の安全を守るために、騎士達と円滑なコミュニケーションを取るべきなのはわかるが、こんなことがあったとしても春輝はやはり周りと親しくしようとは思わない。春輝にとってこの世界の者達は皆、私利私欲で春輝を呼び出した敵でしかないからだ。
だが針の筵のような状態の中では、トビアスぐらいの味方が一人ぐらいは必要だろう。
トビアスが春輝への誓いを終えれば、トビアスは周りの騎士達を散らし、春輝を襲った男達を離れたテントへと拘束し連れて行くように指示を出した。
やっと周りから人が居なくなったことで気が抜けた春輝は、足から力が抜けその場に蹲る。
手ひどく痛めつけられた部分が痛みをずっと訴えていたのだが、大勢の前で倒れることなどできるはずがなかった。
トビアスが慌てて春輝を助け起こし、テントへと運ぶ。痛みを訴えれば治癒魔法が得意な騎士を連れてくるというのだが、その前に春輝は聖剣を手元に取り戻したかった。
聖剣がありさえすれば誰も春輝にはかないはしないからだ。
聖剣はトビアスによって無事に回収され、春輝の手元に戻ってきた。
治癒も上手くいき、痛みが嘘のように無くなると、テントの中には春輝が一人残される。外にはトビアスの指示により、入り口を守るように騎士が配備されていた。
静まりかえるテントの中、外から聞こえる虫の声を聞きながら春輝は深い溜息を吐く。
悪夢とは違う拭えない不快感と共に、自身の手が僅かに震えていることに気が付き、春輝は盛大に舌打ちした。
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