無能だと捨てられた王子を押し付けられた結果、溺愛されてます

「殿下にはもっとふさわしい人がいると思うんです。私は殿下の婚約者を辞退させていただきますわ」

いきなりそんなことを言い出したのは、私の姉ジュリエンヌ。
第二王子ウォルス殿下と私の婚約話が持ち上がったとき、お姉様は王家に嫁ぐのに相応しいのは自分だと父にねだりその座を勝ち取ったのに。
ウォルス殿下は穏やかで王位継承権を争うことを望んでいないと知り、他国の王太子に鞍替えしたのだ。

だが当人であるウォルス殿下は、淡々と受け入れてしまう。
それどころか、お姉様の代わりに婚約者となった私には、これまでとは打って変わって毎日花束を届けてくれ、ドレスをプレゼントしてくれる。
 
私は姉のやらかしにひたすら申し訳ないと思うばかりなのに、何やら殿下は生き生きとして見えて――


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お姉様のスピンオフ始めました。
「体よく国を追い出された悪女はなぜか隣国を立て直すことになった」
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