追放された滅びの魔女ですが、竜王に餌付けされています
「人間。もう少し大きく口を開けろ。でないとこぼれるぞ」
予言の日に生まれたことで『滅びの魔女』と呼ばれるノーリング伯爵家の令嬢シェリーだったが、生まれた国を追放され、置き去りにされた森の中で行き倒れたと思ったら、竜王に助けられていた。
しかもふかふかの寝床に寝かされ、温かいご飯を食べさせられ――あれ? 餌付けされてる?
「他に欲しいものはないか?」
せっせと世話をされている?
「おまえはあったかいな。それにいい匂いがする」
いやいや食べられようとしてる?
伯爵家では『滅びの魔女』と認めたくない父親に男の『ルーク』として生きることを強いられ、軟禁され育ちが悪かったため、少年だと思われていたシェリーだったが、ご飯を食べさせることがすっかり気に入った竜王により、徐々に健やかさを取り戻していく。
「陛下! そんな森で拾った小僧なんぞに手ずから食事をくれてやることなどないのです! そんな得体の知れない小僧は森にうっちゃっておいでなさい!」
「これは放っておけば簡単に死ぬ生き物だぞ。目を離したら死んでいるやもしれん」
忠実な側近たちにお説教されながらも、竜王レイノルドはシェリーをかまうことをやめなかった。
「陛下!? そんなものを抱き枕にして眠るのはおやめください!」
「いやだ。これがいい」
「陛下!!?」
「大きさもちょうどいいし、何よりぬくい」
シェリーが今いるのは、獣人が住み、世界で最も強いと恐れられる竜王が治めるグランゼイル国なのに。
生まれ育った国よりよほど安全で平和だった。
まっとうな食事を摂り、日の光を浴び、体を動かすことによって、シェリーの少年のようにやせ細った体はどんどん成長していき――。
予言の日に生まれたことで『滅びの魔女』と呼ばれるノーリング伯爵家の令嬢シェリーだったが、生まれた国を追放され、置き去りにされた森の中で行き倒れたと思ったら、竜王に助けられていた。
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「他に欲しいものはないか?」
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