婚約破棄されたけど気にしないで推しへの愛に生きます!

まゆら

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怒れるローラン

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魔力をだだ漏れさせながら魔法省に入って来たローランを見て凍りつく魔導師達…

普段の人当たりのよい爽やかな貴公子の姿はそこにはなかった。

烈火の如く燃え盛る恐ろしい男…

恐怖の大魔王と呼ばれる男が…怒れるローラン様が…

召喚されていたのだ。

ローランが何に対して怒っているのかはわからないが巻き込まれたら死ぬ!とばかりに慌てて結界を張る者や自分の研究室に逃げ込みながらも様子を見守るローラン推しなど、対処は様々なようだ。

ローランが代表室に入ったとの報告が上がるとジョナス殿下が何とかしてくれる!とホッとした面々だが…

怒りの原因は実はジョナス殿下である事はまだ分かっていないようだ。

◇◇◇◇

その頃、代表室では…

「ジョナス殿下!私に報告はございませんか?何か大事な事を忘れてはおりませんか?」

ローランにしては珍しく…殿下に逃げ道を用意してあげる優しさはあるようだ。

「はて?特に君に報告するような案件は無かったように思うが…シュリ!ローラン関連の事案で未報告の案件はあるかい?」

残念ながら、ジョナス殿下は自分から退路を切ってしまった…

ジョナス殿下に遠回しな言葉は通じないらしい。

「殿下…ローラン様関連で特に未報告な件は今のところございませんが…私!確認してまいります!」

優れた危機回避能力を持つシュリは、恐怖の大魔王の魔の手から逃れる事に成功した。

ジョナス殿下の目には怒れるローランが見えていないのだろうか?

フローラへの恋わずらいでぼんやりしているのか、ローランよりも魔力値が高い為に危険を感じないのか…

今のところ不明である。

◇◇◇◇◇◇

「シュリもいなくなった事ですし、ぶっちゃけますが…ジョナス…貴様…うちの妹を嫁にするとか百年早いわ!

ふざけるのもいい加減にしろよ?

お前…死にたいのか?」

ローラン…

ぶっちゃけ過ぎ…

不敬罪で捕縛されちゃいますよ?

「いや?何もふざけてなどいないよ?

フローラの事は以前から好ましく思っていたからな。

婚約者がいるから遠慮していたが、婚約者がいなくなったのだから…結婚を申し込むのは自由だろう?

フローラに結婚を申し込むのに私程ふさわしい男はいないと思うが?」

ジョナス殿下…

確かに正論ですが…

シスコンローランには通じないようですよ?

「妹は…お前から申し込みがあったと父から聞いて、倒れたんだ!嬉しいわけがないだろ?

かわいそうなフローラ…」

恐怖の大魔王の怒りのボルテージが上がっていく…

ジョナス殿下…

早く止めないと魔法省が全壊しちゃいます!







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